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ランス・クエスト 感想

 アリスソフトから発売中の18禁RPG ランス・クエストの感想です。

 以下の感想には作品本編のネタバレを多量に含みますので、未プレイの方は十分注意してください。


 最初にランスという作品について軽く説明しておきます。ランスはエロゲメーカーのアリスソフトが開発・販売している看板シリーズの一つです。数あるエロゲの中でもかなり息の長い作品で、紙芝居タイプの作品がメジャーなエロゲで珍しくゲーム性を含んだエロゲとなっています(ちなみに今年発売した大帝国もアリスソフト作)。私はランスⅥ⇒ランス5D⇒戦国ランス⇒鬼畜王ランスの順でプレイしており、その他は未プレイ。それぞれ5~6がRPG、戦国ランス・鬼畜王ランスが地域制圧型のシミュレーションRPGのジャンルで発売・公開されています(鬼畜王ランスはフリー配布中)。シナリオ・設定的にも実にエロゲらしいエロゲで、世界観は結構ドロドロ殺伐としているし、エロは陵辱・レイプがほとんどだし、設定改変でもない限りまずコンシューマ移植は難しそうな作品です。


 で、ランス・クエストですが、メインストーリーは戦国ランスの続きとなっており、魔王の力で氷付けになった奴隷・シィルを元に戻すため、カラーを探すにやって来たランスが横道に逸れつつ女の子とエッチしたり暴れたりする話となっています。いつもどおりといえばいつもどおり。今回、ストーリーはカラーに会うこと以外に進展なし。さらっとネタバレしますが、シィル関連の話は全く解決しなかったので、極端なことをいえば今作飛ばして次回作をやっても全く問題なさげ。あとはサブイベントをこなしていくだけなので、前作、全然作に比べると大きく盛り上がりに欠け、こじんまりしている印象があります。魔人関連も進みませんし、カオスも活躍しませんし、出し惜しみされている感があって物足りない。ラストクエストが出た時、「え、もう終わり?」って感じでしたし、正直なところ、待たされた割には食い足りない。というのも、やっぱり全然話が進んでいないし、これから本番だぞ、ってところで話が終わっているからでしょう。見せ所といえば、ランスの娘・リセットが誕生することくらいですかね。
 また、ゲーム展開がクエストを淡々と消化していくスタイルなので、多少なりともストーリーにぶつ切り感があります。サブイベントをまとめあげてできた作品だからか、いまいちまとまりがない。これというのも、中核になるイベントが弱いからだと思います。FDという表現もうなずける。その割にはキャライベントが少なめで、今までメインキャラだったとしても今作では本編にあまり顔を出してこないなんてことがあります。プレイヤーの脳内補完で埋め合わせてくれってことなんでしょうが、キャライベントは最初からプレイヤーの想像力にまかせっきりなスタンスはあまり感心できません。

 キャラクター。リセットを初め、可愛らしいキャラデザの女の子が多いですね。クロニクルをみると意図的に可愛らしくしたみたいですが、いい仕事してます。マリアの立ち絵はかなりグッドです。マリア、こんな可愛かったっけ?魔想さんも可愛かっただけに、キャライベントがあまりなかったのは残念極まりない。

 エロシーン。いつもどおりの感じで、がははーどびゅーという様式美も保たれています。実際に使うことはありませんでしたが、イラストはとてもきれい。アームズと空中でエッチするとやつはなかなか見ることがないシチュエーションで発想が面白かったですね。あほみたいで笑いました。

 BGMは特にいうことなし。ボイス無しについては、慣れている身としては別にマイナス要素じゃないですが、新規に入ってきた人からすればやはり物足りなさを感じるかもしれません。今時、RPGで全くボイスが入ってないゲームって相当珍しいですし、コスパ的にはその分どこかで埋め合わせてくれないと厳しいものがあります。



 下記はゲーム性について。今作のキモとなるところなので、むやみやたらと長いです。

 ランス・クエストのゲームシステムはランスⅥの発展系となっており、ジャンルとしてはダンジョン探索型のRPGです。言ってしまえば、ドラクエみたいな感じですね。戦闘の淡白さもそうですが、移動についてもそう。ランスⅥの戦闘を3D戦闘へ変更し、ダンジョン探索も『世界樹の迷宮』、『女神転生(昔の)』、『ウィザードリィ』といった一人称視点タイプの一マス毎にマップを埋めていくタイプの3Dダンジョンから、マップを自由に歩き回るタイプのシステムに変更されました。それに伴い、マッピングシステムによるダンジョン踏破率も消去。技術的には進化したといえますが、ダンジョンは同じ構成の使いまわしばかりで、背景が多少違うくらいなので、コンシューマのRPGと比較すればかなり見劣りします。あと、これは動作体験版でわかってたことですが、戦闘中の味方グラがなくなったのはかなりマイナス。ここもドラクエっぽく感じられたところです。エフェクトオンリーになってしまったのは本当に残念。やっぱり味方絵はほしかったなあ。
 技についてはスキルポイント割振るシステムに変わり、自由にキャラをカスタマイズできるようになりました。どのサポート能力を強化していくかも自由ですし、何を主要武器にするかも選べます(クラスにあったものに限ります)。といっても、槌が強すぎて剣・槍を使うメリットがあまりないのですが……。今作ではそれぞれの技にダメージの上限が設定されていますが、槌だけは例外の仕様となっていて上限を上回るダメージを出せるため、かなり優遇されています。後半になればなるほど、剣の通常攻撃ではHPを減らせなくなってくるので、剣キャラを使うのが厳しくなってきます。

 ゲーム全体の難易度は、ゲームオーバーによるリセットがないおかげでそれほど高くないですが(今作ではゲームオーバーになってもお金がなくなる、稼いだ経験値がなくなる等のデメリットがありません)、ラスボス戦はなかなかきつかったですね。技の使用回数に制限があるのにHPが自動回復するっていったい何考えてんだと思いました。火力が足りなすぎて3回敗北。ちなみに、最終パーティーはランス、謙信、アルカネーゼ、魔想さん、クルックー。クルックーはキャラデザ的にはあんまり好きくなかったんですが、回復役がいないとやってられないということで、やむなく参戦。あてね2号は愛があっても参戦できませんでした。残念。


 ランスの中で一番ユニークなのは才能限界というシステムだと思ってますが、今作でも当然健在。ただ、ランスⅥではランスとエッチする度に女の子の才能限界を伸ばせてたんですが、今作ではシナリオの設定上、ランスがレベル35以上の女の子としかエッチできないという縛りができ、元々才能限界が高い女の子じゃないとエッチできなくなったので、全キャラをずっと使い続けるのは難しくなりました。コンセプト上やむをえないこととはいえ、才能限界が低いキャラを使いづらくなったのはかなり残念。
 で、この縛りですが、さらに付け加えられたものがあります。それは、エッチをしたらレベル1になるという点です。これが今作最大のポイントだと思います。エッチをしたらレベル1に戻る=無限にレベル上げして遊べるという図式が成り立つので、ある意味永久に遊べるゲームの一つの形といえますが、惜しいのはそれを補完する他の要素の完成度が低いことです。レベル1に戻る見返りは、初期のスキルポイントが+2されることと、基礎能力を上げるアイテムを装備している場合は、その分ステータスが上昇するという2点。ご褒美としてエッチシーンが見れるのと同時にキャラも強くなるわけですが、逆にいうとそれしかリターンがありません。このシステムはドラゴンクエストモンスターズの配合システムを彷彿とさせましたが、あちらは完全に新キャラが生まれ技なども引き継げるわけで、比較すると完成度は劣っています。レベル35くらいまであげるのに、かなり効率よくやっても2~3時間くらいはかかってしまうので、それに対するリターンとしては全く割に合わない仕様となっています。
 システムの発想は決して悪くないと思いますし、実際1回目くらいはそこまで苦痛に感じませんでしたが、4、5回くらい同じことをやっているとなかなか厳しくなってきます。その後のレベル上げ作業を何度も繰り返すのは辛すぎました。終わってみればシナリオもそこまで長くなく、かつキャラを作り直さなければクリアできないほどに難しい難易度ではないため、レベル1に戻す旨みがあまりないという点もかなりバランスが悪くなっています。個人的に最大のネックだと思うのが、レベルが1戦闘につき最大1レベルしか絶対にあがらないシステムです。1回リセットかかったら解除するとか、せめて2回目からはレベル上げを簡単にするとか、バランス調整をしてほしかった。最初はチート疑惑なんて枠があって笑いましたが、途中から笑えなくなってきました。結局私はチート使ってませんが、今作でチートしたくなる気持ちはわかります。スタッフから「チートすんなよ?ずるすんなよ?わかるんだからな?」って念を押されてるかと思うと、少し冷めました。レベルリセットはやってもやらなくてもいいよというスタンスなんでしょうが、クエスト全消化するには嫌でもイベントを発生させなければならないわけで、私からすればかなりのネックとなっていました。

 ということで、全体的なゲームシステムについては、残念ながら調整不足であると感じました。全体的に見て、苦労してあげたレベルがリセットされることへのメリットが薄すぎます。私のように、さくさくゲームを進めたいような人からすればかなりのストレッサーになっていました。クエスト消化するためにエッチイベント1回は見ましたけど、2回以上リセットはしませんでした。そうしなくても十分クリアできるし、むしろリセットするとクリアするのに時間がかかるだけだからです。1人、2人くらいならまだ楽しんでやれてましたが、3人4人と増えていくと、だんだんやらされている感じがしてきて、楽しめなくなってきます。

 あと、今作ではクエストの合間に任意で見れるサブイベントがあるのですが、1クエストクリアに対し1回しかイベントが見られないのはマイナスポイントでした。うっかりクエストを連続で進めてしまっても、1回しか見れないとかなり損した気分になりました。せめてイベントを見れる回数をストックできるようにしてほしかったですね。



 この作品をやってて一番気にかかったのは、果たして今作はテストプレイを実施し、かつテストプレイヤーの意見を取り入れたのか?ということです。というのも今作、小さいところでシステム面で親切心を感じられないことが多かったからです。たとえば、操作ミスでパーティーメンバー入れ替えたとき、キャンセルして変更前のメンバーに自動的に戻せるようにしてほしかったとか、戦闘を自由に回避できないシステム(シンボルエンカウントではなくランダムエンカウント)なのに、逃げることにすら回数制限があるとか、技の使用回数が設定されているのに待機することすらできないとか。特に、待機がないのは何かの間違いだと思いました。おかげで無駄に行動回数を消費し、ボス戦用の技を使ってしまうことが多々ありました。せっかく勝てる戦闘だったのに、逃げるしか戦闘回数がなくて撤退しなければならなくなるような事態に陥ることもしばしば。これなら技の使用回数を回復させるアイテムを作ってもよかったんじゃないでしょうか。ラストダンジョンは上に行けばいくほど敵が弱くなるのは何ででしょう?拾えるアイテムは調整不足を感じました。完全ランダムもいいですが、ラストダンジョン手前で最弱装備が拾えるっていうのはいくらなんでもないでしょう。技消去に対するメリットも作ってほしかったですね。スキルポイントに還元できるとか、ステータスが強化されるとか、経験値になるとか、ただ消えるだけなら消す必要がない。二周目特典が一切ないのもさすがに時代錯誤じゃないかと思いました。大帝国でも同じようなことを感じましたが、クリア後の楽しみがない一本道の作品を、クリア後早々二周目プレイをするでしょうか。
 という感じで、いまいちかゆいところに手が届かず、ゲーム的にも物足りなさを感じます。これらがウケていてれば私の感性が古いか変かどちらかなのでこのままでもいいですけど、あんまりウケてないなら考え直してほしいところであります。


 最後にシナリオ展開についてツッコミたいところが一つだけ。死んでも幽霊になって残り続けるって設定、これは無しじゃないでしょうか?こんな例外を認めてしまうのは、作品のバランス的にどうかと思いました。これが後々、重要な伏線になるのかもしれませんが……、作品の世界観には合っていない。あと、EDロールのFE的な演出はなかなかよかったかと思いますが、大事なことをさらっと流すのはちょっと……。せめて、今までのメインキャラについては、後日談としてきちんと書いてほしかったです。今後補完があることを祈っています。



 総評。基本的に繰り返しダンジョンにもぐってレベル上げするゲームなので、反復作業に飽きずレベル上げを楽しんでやれる人にオススメ。中毒性はありますが、不満点も多々あります。ぽっと出のメーカーが作った作品なら「開発時間が足りなかった」「開発資金が足りなかった」という言い訳も立ちますが、5年越しのランス新作としては評価しづらいものがあります。いちおう、その辺の事情はクロニクルに書いてありますが、事情があるから許されるというわけでもありませんし、自分の思想を貫き通しても面白いものができなければ失敗しているわけですから、次回があるならもう少しプレイヤーにウケるかどうか考えつつ作ってほしいと思います。
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漫画、ラノベ、ゲームなどのネタバレ感想記事を書いています。ネタがあるときはコラムみたいなものも書きます。あとアマゾンアソシエイトに参加してます。以下定型文。「このブログはAmazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」

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