奥たまむし 『明るい記憶喪失』 1~3巻 感想

〇雑感
記憶喪失をテーマにした明るいコメディという触れ込みが気になっていたものの、悲劇的要因をフックに物語を作ろうとしているのがどうにも引っかかり、読もうか読まないかで迷い続け、しばらく手を出さずじまいだったが、ついに閾値を超えため勢い購入した。記憶を失うということは、即ち悲劇と直結しているという感覚があり、シリアスな題材にしかならないと思っていて、いったいどうやったら明るい展開になるのだろうと考えていたが、読んでみて納得。

概要を書くと、唐突に記憶を失ってしまった女性・アリサが、かつての恋人・マリ(女性)と病院で再開し、一目ぼれしてしまう、という物語である。記憶を失っても全く何にも気にしていないし、毎日を楽しく幸せに生きている能天気なアリサと、普段はクールなのにアリサに振り回されては不安になったりドギマギしてしまうマリとのいちゃこらを楽しむ雰囲気重視のコメディテイストな作品で、タイトル通りの「明るい記憶喪失」を描いている。

もしかしたら著者はそこまで真剣に考えていないかもしれないが、記憶を失っても、過去の思い出がなくても、また同じ人を好きになるというのは、最上級の理想なのかもしれない。例えその人との積み重ねがなくても、どのような過程を踏んだとしても、またその人のことが好きになるというのなら、その人のことを好きになったのは偶然ではなかった、というこれ以上ない証明になる。2巻のマリのお見舞いの描写を見ると、アリサは特段レズというわけではなく、また別に惚れっぽいだけの女だというわけではないのわかるので、たぶん彼女は純粋にマリのことが好きなのだろう。記憶喪失をロジックにすることで、そういう反証の仕方もあったのか、と感心した。

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