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PS4用アクションRPG 『ニーア オートマタ』 感想

〇前置き
前作『ニーア レプリカント』の感想を書いてから早2か月、休日の合間にちょこちょこプレイし続け、1か月以上かけてようやくクリアしました。プレイ時間は40時間程度。プレイ状況は、おおむねのトロフィーを集め、全エンドを見て、全クエストをクリアし、アーカイブを100%まで収集した状態になります。

以下、本作『ニーア オートマタ』及び『ニーア レプリカント』の致命的なネタバレを含みますので、今後自力でプレイする予定のある人は、十分ご注意のうえ閲覧ください。シリーズに関する概要などはレプリカントの感想で軽く触れていますので、気になる方はこちらをどうぞ。



〇ストーリー・裏設定のネタバレ感想
タイトルからして特に隠しているわけではありませんし、そこまで驚く要素ではないと思いますが、今作は『ニーア レプリカント』のエンディング後の世界が舞台となっております。レプリカントプレイ済みだと、ストーリー紹介で「西暦5012年に宇宙人がやってきて、そこから人類が月に避難……人……類……?」ってなると思いますが、ご安心。別に設定が変わったわけではありません。レプリカントをやっていれば、「でも本当はゲシュタルト計画が破綻したことで人類はもう滅んでるんでしょ?」という疑念は自然と浮き上がってくると思いますが、まさにそのとおり、これは単なるブラフです。一周目中盤でエミールが、終盤でデポル・ポポルが出てきたあたりで「あっこれレプリカント後の世界だわ……人類ダメなヤツだわ……」ということが予想できると思います。

表向きのストーリーはかなりシンプルで、月に避難した人類の指示に従うアンドロイドと、地球に蔓延るエイリアンの手下である機械生命体との戦いを描く、というもの。操作キャラであるアンドロイド・2B及び9Sは、黒と白を主体とした色調のキャラデザインが非常にキャッチーで、あと目隠ししているのが妙にフェチズムをそそり、この要因だけで大勝利(?)している感があります。2Bの自分を押し殺しながら任務に専念しているところと、9Sが好奇心旺盛すぎて度々2Bに諫められてしまうという関係はなかなか微笑ましかったですね。クリアした後から思えば、2Bはどんな気持ちで行動していたのか考えると、かなり辛いものがありますが。

シナリオ構成については、シリーズの伝統に則り、今作もまたマルチエンディングになっており、そして周回プレイ必須のつくりになっています。エンディング数は過去最多で全部で26種類もありますが、ただまあ主要なエンディングとなるA~E以外のものは、悪く言えばノベルゲームのバッドエンドみたいな、見ても見なくてもいいような短い代物なので、ついついコンプするまでやり込んでしまうゲーマー気質の人以外はスルーしても問題ないでしょう。あくまでもおまけ要素です。また、周回プレイ必須とはいいつつも、メインシナリオ攻略後には(つまり一通りクリアしてしまえば)チャプターセレクト機能が解放されるため、そこまで回収が億劫なわけでもありません。

主要エンディングにあたるA~Eエンドですが、Aエンドが一周目に辿りつくことになる2Bが機械生命体の親玉を倒すもの、BエンドがAエンドの物語を違うキャラ、つまりパートナーである9Sの視点から眺めるもの、CとDエンドはAとBエンドの続きで、物語の真相が明らかになるもの、Eエンドがいわゆるグランドエンド、という住み分けになっています。Eエンドについては別でまとめてふれますが、C及びDエンドまでの物語の大筋については予想どおりで、人類はほぼ絶滅していて、人類のために地球を取り戻すために戦っているというのはアンドロイドの士気を持続させるためのプロパガンダに過ぎないということがストーリーを進めていくことでわかっていきます。そもそもなぜ人類の故郷を取り戻すために戦うという大義名分がなければいけなかったのか、という理由付けがなされたのかの説明がきちんとされていない気もしますが、アンドロイドに対してもう人間がいないという事を伏せていたのは、とりあえずそういった理由によるものです。しかも討伐目標だったエイリアンはエイリアンが生み出した機械生命体によってとっくの昔に滅ぼされてしまっているので、いよいよ戦いは機械生命体とアンドロイドという人工的な存在同士が地球の覇権を争い合うという図式に突入していきます。

作中でも触れられていますが、機械生命体とアンドロイドはとても似ていて、その構図はゲシュタルトとレプリカントの戦いにも似ています。人間になりたい機械生命体と、人間のようにふるまうアンドロイドは、前作に比べればわかり合う余地があるように見え、実際にレプリカントのように平和的に暮らしている機械生命体の村があったりして希望が持てるのですが、結局は平和的な結末を迎えることはなく、やっぱりいつもどおりに救いはありません。正直なところ、パスカルの村の扱いはやりすぎで、物語上ああなる必然性があったとは思えず、クリエイター側の都合でああいう展開にしたというのが透けて見えてしまい、ただ後味が悪いだけでした。暗くてダークな世界観は好きですし、バッドエンドでもいいのですが、せっかくハッピーエンドに行ける要素がありながら無理やりバッドエンドに持っていくのはそれはそれでご都合主義すぎます。

エミールの扱いに関しては、あくまでおまけという感じなので、あまり書くことがないのですが、ニーアやカイネが死んだあとも一人で戦い続けていたんだろうなあ、と思うとしみじみ感じるものがありました。レプリカントで唯一善良だったのはエミールだと思っているので、最後には幸せになってほしかったのですが、案の定、という結末であり、こちらも通常営業でした。

〇メタ要素に関して
終わってからストーリー全体を通してみると、レプリカントに比べれば、そこまで衝撃的な設定というのはなかったような気がします。(以下致命的なネタバレなので伏せ)確かに途中で2Bが死んで操作キャラがA2に切り替わるとは思っていなかったし、ヨルハEタイプのクエストをやった時の「知らないほうがいいこともある」という受け答えは意味深だと思っていたが、まさかその2Bが実は2Eだったとまでは考えもしませんでしたが、それ以外の部分は基本的に妥当な結末だったかと思います。ヨルハ部隊が最初から廃棄を定められて作られた部隊だったということはそれなりにショッキングではありましたが、前作のゲシュタルトとレプリカントの関係性に比べれば、そこまでのインパクトはありません。私は、実は機械生命体もアンドロイドも同じ存在から生み出されていて、一つの戦いが終わったら、また同じ個体が生み出され、同じ戦いをゲームのように延々と繰り返している(だからこのゲームは周回プレイ前提になっている)というゲームであることをネタにしたメタフィクションで、人工的な命の無価値さとゲームプレイの無価値さを皮肉ったようなオチなんじゃないか、くらい考えていたのですが、そこまで悪意のある展開にはならなかったですね。

メタ設定については、Eエンドのスタッフロールでシューティングをさせる、という演出には「おお!?」と思ったし、こんな結末で終わらせた奴らをプレイヤー自身の手で否定させる、という展開は斬新でした。ただ、そのメタ演出が、ゲームプレイ経験とうまくかみ合っていなかったのが残念です。スタッフロールを打ち砕くのはポッドですが、プレイヤーがEDまで延々操作してきたのはあくまでもヨルハ部隊の面々であり、ポッドという第三者=プレイヤーの図を成立させ、プレイヤーの判断と介入がゲーム世界の結末を変えた、という展開に説得力を持たせるには少々伏線と描写が不足しすぎていると思います。ポッドに自我らしきものが芽生えかけていく描写はありましたが、ポッドがプレイヤーのロールプレイ先として指定されているとは微塵も思わなかったので、ちょっと唐突すぎてもう少しうまく誘導できなかったのだろうか、と思います。こんなこと(=ゲームをやること)に意味はないと思いますか、という煽りに対するアンサーとしては物足りません。レプリカントはそこまでして(=セーブデータを削除してまで)カイネを救いたいとは思えなかった、という致命的な欠点にだけ目を瞑れば優れたゲームデザインだったと思いますが、今回はポッドがプレイヤーの投影先と思わせるには説得力が足りていませんでした。

ちなみに、今回のセーブデータ削除については、前作のエンディングをみるためのものとは違って、ゲームをやらなくなることに意味を持たせるためのでしたが、あまりうまいこと感動に誘引できていなかったな、という印象。まあ前作と同じ要素なので「またかよ」という感じがあって、新鮮味がなかったのもありますが、クリエイターとしてはゲームを終えることにも意味を持たせないと思っているのでしょう。実際、私はゲームを一度クリアしてしまったらほぼやり直すことがないので、それはそれでよい試みだと思います。ただ、本来やらなくてもいいことをやるための対価としては、あまりにも小さすぎるというだけで。


〇ゲームパートの感想
オープンワールドテイストの箱庭的世界観は、思ったほど悪くはなかったですが、やっぱりいまいち自分には合いませんでした。最初はマップが広いうえに、あっちこっちにおつかいイベントで移動させられるので、レプリカントもそうだったけど相変わらず移動がだるい作品作ってくるなあ、としか思えませんでしたが、そのだるさに付き合わされ続けることで、そのうちマップの廃墟や自然を眺めてぼーっとする余裕なんかも出てきましたし、そのうち移動速度にも慣れてきましたので、そこまでマイナスポイントにはなってません。もちろん、風景の変わらない砂漠マップを何度も何度も歩かされるのは辟易しましたし、あれが楽しい時間だったとは決して思えませんが。また、大した規模のマップ数はないのに(基本マップは大きく分けると7~8種類くらいしかない)やたらとバグが多く、変なスポットにはまって身動きが取れなくなって詰んだり、謎の空間に落ちてしまったりと、作り込みの粗さが見えてしまったのが気になります。

操作感としては、アンドロイドが主人公ということもあって、人間ではありえない物理法則を無視しがちな壮快感重視のプレイができたのはよかったのですが、それでもまだまだはっちゃけ具合が足りていなかった印象。当然、レプリカントの操作感よりは確実によくなっています。適当にボタンを押していれば気持ちよく戦ってくれますし、アクションが苦手な人でもストレスはありません(イージーモード勢)。ただ、触っているうちに途中から慣れはしたものの、やっぱり普段の移動はだるかったので、なんとかしてほしかった、というのが本音です。体が機械なんだから、背中とか足とかにブースター的な拡張ガジェットを装着して、亜音速による超高速移動とかできてもよかったんじゃないかと思います。それと、レプリカントとは違って魔法がなくなった分、超強力な範囲攻撃ができなくなってしまったので、無双攻撃みたいな壮快感溢れる動作ができなくなってしまったのもちょっと不満。

ディレクターがこだわりで入れたという手動セーブ機能は別にどうでもいいというか、オートでもマニュアルでも大差ないのでどっちでもいいのですが、そんなことよりもレプリカントでも度々あった謎俯瞰視点による移動や戦闘は本当に見づらいのでやめてほしかったですね。せっかくキャラグラフィックが優れているのに、あんなにロングショットのカメラアングルでマップを写されてしまうと、細かい動作が全く見えなくなってしまい、マイナスにしかなってませんでした。DODから似たような表現をしているので、製作者の拘りポイントなんでしょうし、プレイヤーにゲームキャラクターを操作させているという感覚を味合わせようとしているのだと思いますが、プレイヤーとしてはあんまり求めていない感じ。転送装置で特定ポイント間を移動できるという設定もよくわからないというか、なぜわざわざセーブポイントを調べないとマップ間移動できない仕様にしたのかはちょっとよくわからないですね。物語終盤でこの機能が使えているのは、シナリオ上、何かおかしいと思いますし……。そういう機能をつけるのなら、最初からメニューなりショートカットコマンドからなりでマップ移動できるようにしておいてほしかった。

その他、サブ要素として用意されている、チップ集め、素材収集、武器改造、クエスト攻略といった定番の要素ですが、ゲームに熱中できるような負荷要素にはなっていませんでした。チップ合成とチップ装着はもっとパズル要素があったら面白かったかもしれませんが、単にドロップ品を集めさせて合体させて、容量いっぱいまで装着できる、っていうのはあまりにも独自性がない。あるチップとあるチップをセットすると特殊効果が得られるとか、あるチップとあるチップを合成すると特殊チップが作れるとか、9Sは自分をハッキングすることで特殊なチップ構成ができるとか、ユニークなシステムはいくらでも作れたと思うのですが。せっかくアンドロイドという設定なのだから、もうちょっと頭をひねってほしかった。「ロックマンエグゼ」のシステムのほうがまだ考える余地があって面白かったと思います。

素材収集・武器改造・クエスト攻略は代わり映えしないもので、完全に作業にしかなってなくて、ゲームボリュームを水増しするためには仕方ないのかもしれませんが、ただただだるかったですね。オープンワールド系のゲームはどれもそうですが、進行上の都合であちこちを歩き回らされる過程って全く面白くないです。特に、特定アイテムのドロップ率だけを下げて、ゲーム進行をコントロールしようとするのは本当に勘弁してほしかった。そういうバランス調整は楽だと思いますが、ソシャゲじゃあるまいし、プレイヤーにストレスを与えるだけの制限をかけるのはやめてほしい。

〇BGM
レプリカント同様、どれも高品質です。かつ、前作に比べるとよりバラエティ豊かになっています。レプリカントはファンタジー色や宗教色の強い曲が多めでしたが、オートマタは一つの方向性に縛られず、ユーモラスな曲や妖しげな曲など、幅広いBGMが揃っており、そのどれもが耳に残ります。その代わり、レプリカントのように作中でもキーとなるようなBGM、頭一つ抜けて印象的な曲は少なかった印象。EDテーマの「壊レタ世界ノ歌」は歌詞含めかなりよかったですが、BGMで一番印象的だったものを挙げるとしたら「イニシエノウタ/贖罪」になってしまうのかなと。使用されたシーンでの演出がよすぎました。

〇終わり
ゲームとして面白かったかというと、手放しで褒めることまではできず、シナリオやゲームデザインが優れていたかというと、レプリカントに比べて詰めが甘いと感じる部分があり、全体的にうーん……という出来ではありますが、2Bのキャラクターデザインはかなりよかったので、その一点だけでも満足できる人は満足できるのではないでしょうか。廃墟となったマップとかを見て楽しむ、雰囲気ゲーとしても優秀だと思います。

個人的には、もっと突き抜けた作風であることを期待していて、想像できないような超展開やら新設定を求めていたところがあるので、常識的な範囲でまとまってしまった分、どうしても物足りなさが残ります。シナリオはあくまでも前作ありきの物語という感じですし、メタ要素のことは抜きにしたとしても、機械生命体の扱いにしても、アンドロイドの扱いにしても、中途半端になってしまっていた印象があります。アンドロイドと機械生命体という人工的な命に意味や価値があるのか、という深く重い問いに、真正面からきちんと答え切れているとまでは思いません。それと、細かいところの伏線回収がされきってないのも不満です。機械生命体やエイリアンの描写に仄めかしが多すぎるし、ヨルハ部隊を作った連中がなんだったのかもきっちり描かれてないし。あとストーリーの規模も小さすぎます。ゲームである以上、リソース的に仕方ないのかもしれませんが、この物語って局地戦すぎるんですよねえ……。レプリカントもオートマタで完結したところがあるので、次回作のことを見据えてそうしているのかもしれませんが、ナンバリング作品でもないのにきちんとまとまりきっていないのはマイナス点にしかなりません。

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漫画、ラノベ、ゲームなどのネタバレ感想記事を書いています。ネタがあるときはコラムみたいなものも書きます。あとアマゾンアソシエイトに参加してます。以下定型文。「このブログはAmazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」

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