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三秋縋 『いたいのいたいの、とんでゆけ』 感想

〇雑感
アマゾンでは絶賛されているようであり、面白かったと思っている人には申し訳ないが、これははっきりとイマイチだった。ストーリーは少し本を読んでいれば容易に展開の予測がつくものだったし、読み応えがない。主人公が車で轢いてしまった少女はかつて自分と文通をしていた少女その人で、主人公が自分の惨めな学生生活を伝えるのを恥じて嘘を重ねていた一方で、少女もまた同じように嘘をついていた、というトリックはちょっと浅すぎはしないか。これが物語を成立させるためのギミックに過ぎず、本質はもっと別のところにあるというのであればまだよかったが、作品的にはここが見どころという感じの構成をしているので、言葉に困る。個人的には、最後の少女が過酷ないじめやDVに遭っていたことを明らかにする章は全く必要なかった。もしかしたら、『三日間の幸福』ではそういった描写を省略していたから、今作では頑張って書いたということなのかもしれないが……。

主人公が文通をしていた少女には、自分にとって嫌な現実を先送りにする特殊能力を持っていて、それにより彼女は車に撥ねられても少しの間死を免れることができた。その死に至るまでの間に、少女は今まで自分を虐げてきた人物に復讐をしたいと願い、主人公はそれに協力することになる、というのが物語の流れになっている。彼女を苛めていた人間やDVを行った家族への残酷な復讐シーンは、それなりにショッキングであり、人によってはスカっとするのかもしれないが、作者の作品にそういった要素は求めていなかったので、そこに紙幅を割かれても困ってしまう。

また、過去作品でもかなりその素養があったが、今作は主人公の造形が群を抜いて気持ち悪く、生理的に受け付けなかった。そのせいで早くから白けてしまった部分もある。いちおう、本当は主人公は少女に自分が文通で嘘をついたことを告白していて、傷ついた彼女を助けるも、彼女にその事実をなかったことにされてしまった、というオチがあって、主人公から一方的に文通を終わらせたわけではなかった、ということが最後に明らかにはなるものの、それにしても冒頭の主人公の在り方はクズすぎて擁護できない。会いたかった相手に会えなかった程度で飲酒運転したり、人を轢き殺しておきながらそのことを心底後悔しているようには見えなかったり、『スターティング・オーヴァー』の主人公よりも態度が鼻についた。

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漫画、ラノベ、ゲームなどのネタバレ感想記事を書いています。ネタがあるときはコラムみたいなものも書きます。あとアマゾンアソシエイトに参加してます。以下定型文。「このブログはAmazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」

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