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アリスソフト 18禁ゲーム 『ランス10』 感想

〇前書き
この度めでたく完結となった超々々大作18禁ゲーム「ランスシリーズ」の最終作にして完結作(たぶん)、「ランス10」の感想です。シリーズ第一作が発売されたのは1989年ということで、実に29年越しの大団円となりました。ここ1か月くらいは暇があればランス10ばっかりやっていて、日常生活がおぼつかなくなるレベルで熱中しておりました。感想記事が滞っていたのも、日中眠くて仕事に差し障ったのも、なんもかんもランス10のせい。夢の中でゲームをやってしまうくらい没頭していたのは本当に久しぶりでした。ちょっとだけやろうと思っては数時間が経過していて、ついつい平日の睡眠時間を犠牲にしてゲームをする、という学生時代さながらの生活を送ってしまいました。プレイ時間が出ないので総プレイ時間がどれくらいになったのかは定かではありませんが、平日は毎日1~3時間、休日は10時間以上やっていたはずなので、たぶん60~70時間以上はやってたんじゃないでしょうか。この年にもなって、10時間以上ぶっ続けでゲームをやり続けて、「あっもう朝日が出てる……」みたいな体験をできるとは思いませんでした。まだそんな気力・体力・集中力が残っていようとは、自分でも驚きです。色々な記念に文章も書きたいだけ書きたくり、なんでまた1万字も書いてんの?とか、こんな時間まで何やってんの?とか、そんな感じの自分へのツッコミもありますが、とにかくまあ満足しました。


〇適当なストーリー紹介
わがままかつ暴力的でセックス大好き人間のランス君が、自分の女たちとともに颯爽と世界を救うお話。世界を襲うのは人類では決して傷つけることができない魔人約10名と魔物軍約200万、という絶望的状況下のなか、ランスはそんな逆境を意にも介せず、いつもどおりガハハーと笑い魔人を切り殺したり女の子をちょろまかしてセックスしていく、というある意味ランスシリーズにおける王道の展開になっています。でも昔と比べれば気に食わないやつでもそんなに殺さなくなったし、誰でも彼でもレイプしなくなったし(セックスはする)、本当に丸くなったなあ、と時の流れを感じさせてしみじみとさせてくれました。

ま、シリーズ全体の詳しいストーリーとか世界観とか設定とかを知りたい人はWIKIを読んだほうがよいです。なんだんかんだ10年かけてこのシリーズを追っているので、記憶もあいまいな部分が多々ありますし、細かく説明しだすと間違ったことを書いてしまいそうなので。


〇シリーズ紹介を兼ねたざっくばらんな感想
で、本作ですが、シリーズものにおなじみの「過去作品をやったことのない新規の人でも十分楽しめる」的な誘い文句を謳いあげるには残念ながら厳しい部分があって、ランスシリーズを一本もやったことがない人にオススメできる作品、とはいい難い内容です。後述しますが、ゲームシステムそのものはかなりシンプルなので、クリアするだけなら別に過去作品をやってなくても問題ないと思いますが、完全新規の人が私と同じくらい楽しんで感動を得るというのはなかなかハードルが高いと思います。

冒頭に書いたとおり、約30年分の歴史と設定が詰め込まれた作品なので、少なくともシリーズ数本くらいやってみてからこの作品に取り掛かったほうが、数割増しで感動できると思います。ランス9でも若干その気がありましたが、大多数のキャラクターが脈絡なしに物語に登場し、どんな背景や設定を持ったキャラなのか詳しく説明されないままわが物顔でストーリー展開に絡んできます。せっかくたくさんの魅力的なキャラクターが登場するのに、新規の人は「いやそもそも誰こいつ?」という疑問符を終始頭に浮かべながらプレイすることになるでしょうし、物語への没入を妨げる要因になりかねません。よくも悪くもランスシリーズにはキャラゲーな側面がありますが(もちろんストーリーもかなり好きだし強く思い入れがあるのですが)、キャラクター間の関係性がつかめないせいで作品を楽しめないで終わってしまうというのは何とも悲しいことです。できることなら拙速にランス10に手を出すのではなく、先に何本か過去作品をやってみてからランス10をやることをオススメします。気の長い話と思われるかもしれませんが、とりあえずランスシリーズはこれで完結しましたし、急いで追いかける必要性は全くないと思いますので(番外編やリメイクは出るかもしれませんが)、完結を機に手を出してみようと思ったのであれば、ぜひ段階を踏んでいくことを強くお勧めします。そのほうが本作を十二分に楽しめます。ランス10を初ランスにしてしまうのはあまりにももったいないことであり、全くオススメできません。

もし「それなら先に過去作品からやってみようかな?」と思った人がいたら、RPG好きな人なら最近出たランス03のリメイクを、S・RPG好きなら戦国ランス……と本当は言いたいところですが、さすがに10年以上前の作品は古すぎる気もするので、今ならランス9をやるのがよいかと思います。ランス03は感想記事がないですが、ランス9は当時感想記事を挙げているので、気になる方はこちらをどうぞ

「ランス10はダメなのに、いきなり3とか9とか中途半端なところから入るのはいいの?」と疑問に思う人もいると思いますが、従来のランスシリーズはナンバリング作品ごとに独立したストーリーを持っているので、だいたいどれから入っても問題ないです。私も6から入っていて、結局4はやってもいないし、未だにどんなストーリーなのかもよくわかっていませんが、普通に楽しめました。ランス10はシリーズ集大成の趣が強く、初心者への配慮があまりなされていないので、オススメできないってだけです。

ただ、私はある程度慣れたので耐性がついていますが、健全で王道なストーリーに慣れた人からすれば刺激的で残酷な描写が目白押しの内容となっており、ショッキングな展開も多々ありますので、その点については十分注意が必要です。そもそも主人公のランスが基本人でなしなので、彼を受け入れることができるかどうかがこの作品の肝となります。ゲーム主人公に自分を重ねてロールプレイタイプするタイプの人にはあまり向きませんし、ストーリー自体かなりハードな内容なので、感受性豊かな人は楽しめない可能性が高いです。女性を弱者、あるいは都合の良いものとして描く傾向があるので、女性の方が楽しむのも厳しいかも。

本当はランス6と鬼畜王ランスがいっとう思い入れがあって、今これらの作品をやっても間違いなく楽しめると確信しているので、できるならこれらもやってほしいし、ランス5D⇒ランス6⇒戦国ランス⇒鬼畜王ランス⇒ランス・クエスト⇒ランス01⇒ランス02⇒ランス03⇒ランス10の順番にプレイしていくことをオススメしたいところですが(鬼畜王をやるタイミングには異論があると思います)、過去作品にはシステム的な古さがあることは否めないし、まともにやると1年では終わらないような気もしますので、やめておきます。気の長い人は、ぜひランス5D、あるいは鬼畜王ランスから順繰りやってみてほしいです。

RPG好きの方はランス・クエスト・マグナムから始めてもよいと思われますが、残念ながら私はランス・クエストしかやっておらず、これに対する評価は否定的なものだったため、積極的に紹介するのもどうなのかな、という感じがします。もうわだかまりも残ってないのですが、さすがにもうやることもないでしょうしね。参考までに、当時のランス・クエストの感想はこちらです。6年以上前の自分が書いたことなんて、当然よく覚えていないわけですが、こうやって読み返すとそれなりに辛辣なことを書いていますね。文章からしてこれなので、当時の自分はそれなりに憤りを感じていたことが推察されます(他人事)。ちなみにマグナムというのはランス・クエストに対するアペンドディスクで、他の人の感想を眺めていたところでは「ほぼ別物」と化すらしいのですが、この時は関心を失ってしまっていたため結局やらずじまいでした。


〇いつものオタク昔語り(ランスシリーズの思い出)
以下、自分以外が読んでも面白くなさそうな思い出話なので興味がない人は丸ごと読み飛ばしてください。

紙芝居形式のエロゲはKey作品をきっかけにしてずぶずぶとのめり込んでいきましたが、そもそもゲーム性のあるエロゲにハマり始めたきっかけは「永遠のアセリア」でした。このブログで書いたことがあったかわかりませんが、元々S・RPGが大好きでして、「FE」「サモンナイト」「ブラックマトリクス」「スパロボ」「FFT」「ディスガイア」といったコンシューマのS・RPGは大体プレイしていました。有名どころで結局やらずじまいだったのは「ラングリッサー」と「オウガバトル」ですかね。これらの存在を知った頃にはエロゲばっかりやっていたので、気にはなりつつも手を出すには至りませんでした。

話を戻して「永遠のアセリア」ですが、その存在を知ったのはネット経由で、S・RPGを好きな人がプッシュしているのを見てやりたくなり、あれよあれよいうままにドハマりしていきました。サモンナイトが好きな人間としては、直球な異世界召喚ファンタジーのSPRGってだけでもかなり魅力的でしたが、これまでお目にかかることの少なかった壮大な世界観と読み応えのあるシリアスなストーリーに病みつきになってしまいました。聖ヨト語のような体系的に作られた独自言語を見たのはメルニクス語以来だったというのもインパクトが大きかったと思います。あとはもう「じゃあ他にはどんな作品があるんだろう?」と好奇心の赴くままに調べはじめ、個人運営HPの攻略記事やら感想記事やらをネットで読み漁り、そこ経由で他のエロゲ知識も得ていきました。その過程でランスシリーズにも出会ったわけですね。確か「永遠のアセリア」をやっている人が「幻燐の姫将軍2」をオススメしていて、「幻燐の姫将軍2」をオススメしている人がランスもオススメしていた、みたいな流れでたどり着いたと思います。他の感想でも書いてますが、一番最初にやったのが「ランス6」で、そこから「ランス5D」、「戦国ランス」、「鬼畜王ランス」と手を出していきました。まだまだエロゲやり始めの頃で、恋愛系のエロゲばっかりやっていた私にとって、「ランス6」の内容はかなり刺激的だったということもあり、今でも記憶に残っています。「ランス5D」は運要素の多いゲームだったこともあり、さほどやりこまなかったのですが、「ランス6」はマップのほとんどをマッピングして埋め尽くすまでやり込んだし、やっぱり60時間近くは遊んだじゃないでしょうか。さすがに今からやるにはゲームシステムがチープすぎると思いますが、それでもシナリオの面白さはシリーズの中でも随一と思っているので、ゲーム性よりもシナリオ性を求める人にはお勧めしたい。

ランスシリーズの話をするときに避けて通れないのが「鬼畜王ランス」ですが、私がこれをプレイしたのは配布フリー宣言が出てからかなり後でした。もう10年前の話なのでかなり記憶があいまいですが、ランスシリーズの話をするときには「鬼畜王ランス」の話題が必ずと言っていいほど出てきていて、鬼畜王こそ至高と持ち上げる感想が散見されました。それ自体はいいんですが、鬼畜王と比較してはランス6やランス5Dの評価を下げるという記事をよく見かけたため、ランス6もランス5Dも楽しんだ身としては面白くなさが燻ってしまい、作品への反感が募って配布フリーになってからもしばらくやらずじまいでした。そのころはPCの知識もあんまりなくて、どうやってインストールしてプレイすればいいのかよくわからず、環境を整えるのが面倒だったというのも理由として挙げられます。まあ最後には結局プレイすることになり、100時間近くやり込むハメになるわけですが、今となってはいい思い出でしょう。鬼畜王ランスはシリーズ最高傑作と評価する人も多く、無料で楽しんでしまうのが申し訳ない内容です。思い出補正を疑う人もいると思いますが、戦国ランス後にやってもハマったので、今やっても楽しめること間違いなし。絵柄に古臭さがあることは否めませんが、当時アリスソフトが抱えていた設定の引き出しを吐き出したこともあって、一切出し惜しみの感じられない全力投球の作品であり、これ一本やればランスシリーズは十分、と思う人がいるのも頷けるクオリティに仕上がっています。


〇シナリオについて
細かく書きすぎるとゲームクリア時の感動を損なうおそれがあるので、あまり書かないようにしますが、最終作にふさわしい展開で、最終作への強いプレッシャーを乗り越えて、見事にやり切ったな、と思います。システムの項でも軽く書きますが、ゲームデザインと密接に結びついたシナリオであり、大変よくできていました。

お話はヘルマン革命終了後、復活したシィルと一緒に冒険に出たランスが、異星人の母艦で5か月間コールドスリープされてしまい、ようやっと目覚めたら魔人と魔物の大攻勢が始まっていて、人類滅亡のカウントダウンが始まっていた、というところからスタートします。いきなり時間スキップが入って、この辺はちょっとご都合主義観もありますが、まあしゃあなし。

ストーリーは、なんといっても絶望的な戦力差が売りでしょう。ランス9の感想ではラスボスが小物で絶望感が足りないな~とか書いていましたが、ランス10はその点ご安心。ランス以外には基本傷一つ付けられない無敵の魔人と、一体一体が人類より強い魔物軍200万を、ランス率いる魔物討伐軍と人類軍わずか100万が撃退しなければならない、と始まりから詰みを感じさせる圧倒的絶望感を味わえます。このゲームはターン制であり、1ターン事にゲーム内時間が経過していく仕組みになっていて、プレイヤーはターン事にリーザス・自由都市・ヘルマン・ゼスのエリアのどれか一つの中を選び、やってきた魔軍を撃退していくことになりますが、プレイヤーが頑張って魔人一体を討伐している間に、人類側の戦力は何万人も殺されていってしまうので、始まる前から前からこれ無理じゃね?と思うこと間違いなし。もうわかった、私が悪かった……という感じで泣きたくなるくらい劣勢であり、逆境スキーな方にはたまらないシチュエーションです。時間も余っていて、ゲームを楽しみたいという人は、まずは何も攻略を見ずに自分の判断力とゲームプレイ能力だけを頼ってみて、一周目をプレイすることをオススメします。成すすべもなく人類が滅ぼされていくのを眺めることになるでしょう。私もそれなりにゲーム慣れしていますが、当たり前のようにバッドエンドになりました。

つまり、このゲームはまともにやると人類側は勝てないように設計されています。ゲームの説明書にも書いてありますが、何も知らずにプレイする一周目は、ほぼ確実にバッドエンドを迎えることでしょう。シナリオ上は約10種類くらいのマルチエンディングになっていて、どれかのエンディングを開放することで引継ぎ要素が解放されますが、一周後でなければハッピーエンドを迎えることはほぼ不可能です。そして、これがこのゲームの低評価にも繋がっているかと思います。ただお話の先が見たいと思っている人にとって、これほど苦痛なゲームデザインもないでしょう。ゲームのエンディングを見るためには、否応なく試行錯誤を繰り返さなければならず、かなりの時間を割かれますので、ゲーム性に飽きてしまった人からするとかなりのストレスになります。この点に嫌気がさすプレイヤーが少なからず存在するであろうことは想像に難くありません。ただ物語を読みたい人からすれば、やりたくもない周回プレイを押し付けられるのはいい迷惑でしょう。

あともう一点、キャラごとのサブイベントの膨大さも売りです。シリーズ最終作だけであってオールスターという感じで、これまで出てきたサブヒロインは軒並み登場していきますが、だいたいのキャラにサブイベントが用意されています。特定アイテムを使うことでみれるエピソードが各キャラ2~3つずつあり、たぶんまだ半分も見れていないんじゃないかと思います。この辺のファンサービスは実に手厚く満足です。


〇ケーちゃんについて
鬼畜王ランスの頃の彼はどこに?といったレベルでの大悪役っぷりで、面目躍如だったと思います。鬼畜王の小物っぽさが印象づけられていて、最初はケイブリスが出てきてもいまいちシリアスさを感じられなかったのですが、ストーリー中の大暴れっぷりと凶悪さを見せつけられて、徐々に印象が書き換えられていきました。特に魔王ケイブリスの悪夢はすさまじい。鬼畜王でもそうでしたが、初戦は全く勝てる気がしませんでした。


第2部について(かなり強烈なネタバレになるので伏せています)
※以下の文章をゲームクリア前に読むと、ゲームクリア時の感動が薄れてしまう危険性がありますので、自己責任でお読みください。
ランス10には第2部があるという情報を、Aエンドを見る前に知ってしまったのは失敗でしたね。ツイッターのTLで流れてきたので、不可抗力だったというか、別に自分で調べたわけじゃないんですが、ちょっと後悔しています。普通ならAエンドを見て、「えっこれで終わり??くじら野郎どーすんの?」ってなるところだと思うのですが、先に知っていたので、特に意外性がありませんでした。

第2部がどんな話なのかを書くのは、たぶん自粛している人も多いんじゃないかと思うので、私も書かないようにしておきますが、感無量と言うしかない展開でした。鬼畜王ランスでは見れなかった伏線や設定を回収していて、充足感にあふれたエンディングでした。プレイ中、お前はいったい誰なんだ、とずっと思ってましたが、そういうことでしたか……。最後の最後まで気づけませんでした。



〇ゲームデザインとゲームシステムについて
前者は特に優れていると思う点の一つです。シナリオの項でも書いたとおり、このゲームは2周目以降、シナリオがどのように転んでいくのか、いつどのようなイベントが起きるのかをプレイヤーが把握できてからが本番です。「鬼畜王ランス」をプレイ済みの人ならわかっていることなんですが、ランス世界は「ルドラサウム」という神様の退屈しのぎのために作られた残酷な世界で、神の意に沿うように、神を楽しませるために、この世界の生物たちは踊らされています。魔物が人類よりも強いのは当然で、神様は人類が甚振られるのをみて喜んでいるわけです。

ゲームプレイヤー、つまりあなたはこのゲームの指し手として世界に介入し、自分が望む結末にたどり着くまで、何度もやり直しを強いられることになります。どのようなことが起こるのかを把握したうえで、何を見捨てて、何を助けるのか、といった判断を求められ、時には残酷な決断もしなければなりません。そして繰り返しを経ていくごとに感覚は麻痺していって、次はどのようなルートを通って、どのような結末を見るか、といった想像上の試行錯誤を楽しむようになるでしょう。いろいろな意味で、この世界の結末を決めるのはプレイヤーであり、ハッピーエンドにたどり着くまで頑張ってみるのも、全ての展開を見るために試行錯誤を繰り返すのも、飽きたら投げ出すのも、全て自由。まさしく神様としてのロールプレイを楽しむゲームとして作られています。

一方、ゲームシステムはどうかというと、かなりソシャゲを意識したUIになっていて、とてもシンプルな作りになっています。コンシューマのゲームとは見比べるまでもなく貧弱です。ベースになっているのはよくあるカード収集系のシステムで、戦闘報酬で味方カードを集めて、戦力を増強させていく、というソシャゲのガチャシステムを彷彿とさせる作りになっています。戦闘システムも至ってシンプル。集めたカードのうち、戦闘に出すカードを上限いっぱいまで決めて、ターン事に追加プールされるAP(行動ポイント)を管理しながら、二種類ある行動のどちらかを選択してクリックしていく、ということを延々と繰り返すだけ。やったことある人は「シャドウバース」みたいな戦闘をイメージしてください。シャドバのカードにある選択肢が二つになり、コストを召喚ではなく行動に使い、APの回復量がターン事に一定で、使わなかったAPは繰り越される、といった感じのシステムになっています。コマンド選択式RPGといえばそうなんですが、カードに設定されたコマンドは二種類しかないので、戦闘中にとりうる選択肢は驚くほど少なく、戦術幅が狭い。ランス・クエストと似ているといえば似ています。待機ができるし、レベルアップ作業のストレスがないし、ゲームシステム自体はランス・クエストの頃よりは遥かに洗練されていますが、ただその代わり戦闘演出はエフェクトだけで戦闘グラフィックすらありません。これは思い切りすぎだと思います。味方キャラのカード絵は過去作品からの流用も多く、この辺はかなり物足りない。コンパクトでストレスの少ないゲーム性だといえばそうかもしれないし、周回前提のゲームである以上、演出過剰にしたところでストレスが増すだけで、どうせカットしたくなるだけのような気もしますから、そこにリソースを割きすぎるのは正しくないのかもしれません。周回前提の作品なのだから、シーンスキップ、完全演出カット、超高速戦闘の機能は欲しかったな、とも思いますし。ただ、ラストバトルでコマンド選択したあとにエフェクト表示されるだけの戦闘をすることに虚しさがあったのも事実です。

この戦闘システムが曲者で、バトルパートが面白くないと思う人も多数いるかと思います。このゲームは雑魚戦を行えるシーンも決まっていて、自由にレベル上げすることができないので、勝てないボスに出会ってしまうと、そこで詰みになってしまいます。また、戦闘外に回復することができないうえ、ダメージが戦闘後にも引き継がれるため、きちんと考えて雑魚戦をさばいていかないと、HPが減った状態でボスと戦うことになり、全く勝てないという仕組みになっています。戦闘システムになんら面白さを感じられない人にとってはストレスでしかありません。しかも雑魚戦は短調かつ面白みがないため、せっかく続きが気になるストーリーなのに、ゲームパートのせいで思うようにシナリオが読めない、という不満が募ります。繰り返しやっているうちに、雑魚戦でHPを管理をしつつ、未取得のカードをできる限り取集することがゲーム攻略のカギになっていて、各エリアの開放手順も含めた大局的な戦略構築の根幹となっていることがわかってくるのですが、そこまでの気づきを得るのには時間がかかります。一部雑魚戦はオート戦闘になっているので、そういう人への救済として、全部オート戦闘にする機能もあってよかったのでは?という気もしますが、そうするとゲームデザインそのものを否定することになるので、できなかったんじゃないかと思います。

個人的には、魔人をどのように倒していけばAエンドにたどり着くことができるのか、という自分なりの道筋を立てていく過程はすごく楽しかったですし、一周目の魔人戦の死闘感はすごくよかったと思うのですが、ゲームに求めているのは壮快感だけで、難しさや難易度なんて求めていないという人がいるのもわかるので、難しいところです。一周目はリーザスと自由都市を中心に攻略していったのですが、魔人2戦目の難易度といったら勝たせる気があるのか疑問に思うくらいで、本当にしんどい戦いでしたが、粘りに粘って30分近く戦ってようやく勝てたときの達成感は一入でした。そのうえで、最初に迎えるのはまずバッドエンドだというのだから、このゲームを作った人は本当にいい性格しています。


〇絵とエロについて
絵に関する語彙が少ないので、あまり言えることがないのですが、よくここまで描いたな……と思うくらい量が多く、質が高い。バトルグラフィックは手抜きでしたが、ノベルパートは業界最高峰のクオリティだったと思います。まだ全部を見れてませんが、エロシーンは明るい傾向のものと悲惨な傾向のものがないまぜになっていて、バリエーション豊富で素晴らしい。ランスといえば例のエロBGMですが、あれがあまり流れなかったのがちょっと寂しかったといえば寂しかったですかね。


〇BGMについて
ランス9のBGMには緊張感がなく、全然耳に残らなかったのですが、今回はシリアスな曲調も多く、かなりよかったですね。魔人戦のBGMが特にお気に入りで、サビメロの哀愁とその後の緊迫感がよい。ターン開始時に流れるBGMも落ち着きと悲壮感があって、作風とマッチしていていい仕事しています。最初に聞いたときは瞬殺されてしまったのでまともに聞けませんでしたが、ケイブリス戦のBGMも熱い。あとはラスボス戦のBGMのラスト感もよかった。シリアスな曲調が戦闘を盛り上げるとともに、ああ、これで何もかも終わりなんだなあ、という寂寥感を駆り立ててくれる素晴らしいBGMでした。


〇不満点
これまで長々と書いてきたことからおわかりいただけると思いますが、私はこの作品は素晴らしくよくできていると思っているし、製作陣の情熱があますことなく込められたエロゲ史に残る名作だと思っていますが、しかしその一方で不満点は一度挙げ始めるとキリがないくらいに存在します。特に不満なのがシナリオ上の特定ヒロインの扱いの悪さです。かなみ・マリア・魔想さん・コパ・リズナあたりの昔のヒロインたちの扱いはもうちょっとなんとかならなかったのでしょうか。ランス9で描き終わったってことなのかもしれませんが、特にコパンドンの扱いの悪さには泣けてきます。運命の女じゃなかったにせよ、もうちょっと出番があっても……。っていうか、運命の女にしても、あの設定はなんだったのか、的なところがありますけどね。魔想さんなんかはもうちょっと報われてよかったんじゃないか、と思います。以下ネタバレですが、そもそも第2部ではかなみとマリアは出てこないし、魔想さんはひどい目に遭うだけだし、リズナはちょい役で出てくるだけだし。ランスの子どもを産んだほかのヒロインとの差はいったい……。後発のシーラの扱いが優遇されていた分、明暗が出てしまった、というのもあると思います。


〇おまけ・簡単なリプレイと攻略ポイント
※完全にネタバレなので、いちおう伏せておきます。
<1周目>
1周目はリーザスでシルキィとレキシントン、自由都市でレイを倒した後、魔王捜索とシャングリラ開放を行い、砦ルートとJAPANルート両方を見れる状態に持っていきました。1ターン目に支援を2回してしまったせいで、レッドアイ襲来までにできる手数が少なくなってしまったのが痛恨のミス。効率的なプレイ方法がよくわかっていなかったこともあり、途中からは自由戦闘すら勝てなくなってしまいました。まずは当たり前のように魔王ケイブリスに殺されたので、その後は全エリア制圧エンドを回収し、CPを3開放した状態で2周目へ。

<2周目>
2週目はヘルマンでバボラ、ゼスでガルティアとメディウサを2枚抜き、リーザスでハウゼルを倒し、万遍なく各国を支援しながら、根性でホーネット奪還までやりましたが、まあ普通に判断ミスでしたね。ホーネット奪還あたりで気づきましたが、このやり方だとかなりうまく運用しない限り一都市は落ちてしまいます。イベント発生条件がよくわかってなかったこともあって、自由都市は5Tで陥落してしまいました。なんといってもエレノアが使えなくなるというのが致命的で、このせいで後半の攻略が非常に厳しくなりました。このゲームはバステが非常に強力で、睡眠+毒+毒強化のコンボが凶悪かつ手軽にとれる戦術なのですが、その中核を担うエレノアが使えなくなるのはかなりきついです。雑魚戦は0AP攻撃を持つキャラで固め、ボス戦はエレノア・香・パパイアの三銃士で毒攻めするのがもっとも手堅い攻略法だと思います。で、難易度が最終的に10になってしまった結果、また雑魚戦でもひいひい言う羽目になり、せっかくJAPAN内乱のケイブリス襲来のターンまでいったのに、魔物大将軍すら倒せなくなってしまったため、やむなくケーちゃん殺しは断念することに。もっとうまくやっていればここでもCP回収はできたと思います。ゼスで2魔人倒したのと、ホーネット奪還をやったのが仇となりました。とりあえずはまたできる限りのことをやって、魔王コールドスリープエンドと勇者エンドを二つ回収し、3周目へ。

<3周目>
ここまでくるとこの作品をどのようにプレイしていけばいいのかは大体理解できてきたので、これまでの失敗を生かし、最大効率で進めていきました。CPボーナスは初期☆+10と部隊レベルアップを取れるだけ。進行では難易度を押さえるため、魔人2枚抜きはせず、ほっといてもなんとかなるリーザスは支援だけを行い、魔人狩りをせずに進めました。倒したのはレイ、バボラ、ガルティアの順番で、無事レッドアイ討伐にも成功し、ようやくランス城が浮上。念願のケイブリス討伐を達成しました。重要なのは、編成ボーナスでレアカード出現アップと死体蹴り(誤用)をつけておいて、可能な限りレアカードを集めておくことと、雑魚戦で使わないカードも万遍なくレベル上げしておくことですね。そのうえで、ボス戦用カードのレベル上げをきちんとしておくこと。ケイブリス戦の初戦では低レベルカードが使えなくなるため、特定のカードのレベル上げしかしてない場合は、かなり攻略が厳しくなります。この辺で気づきましたが、3ラウンド内かつダメージを与えたそのターン中に敵を撃破すると、ボーナスでもらえる経験値が増えるので、意識的に1ラウンド中に撃破していくことも重要です。ただ、これをやろうとすると乱入が発生して、意図しないダメージを与えられると、そのたび戦闘をやり直ししないといけなかったのは結構ストレスになりました。自分で乱入のオンオフを設定できればよかったんですが。この経験値取得設計のおかげで、リアやゼスなどの乱入確率UP系のカードはレベル上げがしにくくて仕方なかった。また、わざとどこかの都市を陥落させ、JAPAN内乱のEDを見るための調整もやったりしました。この辺でゲームキャラへの良心は麻痺してくるかと思います。最終的にはCPを10まで増やし、4周目へ。

<4周目>
4周目は全エリア開放とホーネット奪還のうえでの攻略を目指すことになります。ゲーム攻略のためには、4~6ターンにシャングリラ開放と魔王捜索をやるのが必須ですが、兵力管理上、魔人討伐とシャングリラ開放を優先したほうがよいため、ホーネット奪還は7ターン目にやることになります。このときは2ターン目にヘルマンでバボラ・ケッセルリンク、3ターン目にレイとパイアール、4ターン目にハウゼルとサイゼルの同時撃破、5ターン目に魔王捜索、6ターン目にシャングリラ開放、7ターン目にホーネット奪還、という手順で進めました。あとはレキシントンを倒したうえで10ターン目にケイブリス討伐を行い、無事第2部開放の条件を整えました。いちおう、全エリア開放後にケイブリスを倒すことも考えていたのですが、ホーネット奪還と全エリア開放後のケイブリス討伐を兼ねるのはどうやら兵力的に難しいみたいですね。兵力増強しているうちに魔王化してしまい、あっさり負けてしまいました。っていうか全然魔王ケイブリスには勝てる気がしないのですが、どうやったら勝てるんですかね……。

<第2部>
第1部攻略の経験を活かしながら、効率的にカード回収しつつゲームクリアに向かうことになります。いわゆる負けバトルはほとんどなく、勝てないと思えるようなバトルでも勝たなければ先に進めないので、適当にカードを集めたり、不必要なレベル上げをやったりと、適当な進め方をしていると途中で詰んでしまいます。闘神都市戦は特にきつくて、必要カードを持っていない場合にはやり直しすることになる可能性があるため注意です。ラストはイベント戦みたいな感じですが、シリーズの終わりが感じられる最高のラストバトルだったと思います。



〇終わりに
何もかも褒めることができる作品というわけではないので、低評価が多くなってしまう理由もよくわかりますし、全体でみるとマイナス要素もある作品ですが、積み上げられてきた歴史とここまで辿り着いたという充実感が全てを覆してくれました。それにマイナス点のほとんどがもっとこういう風にしてほしかった、というゲームを楽しんだからこそ生まれる不満であり、実はその余韻こそがゲームデザインの狙うところだと思ってもいます。この先の人生で、これほどまでに没頭できる作品に出会えることはもうないでしょう。

実績を全解除するまでやり込むかどうかはわかりませんが、せめて全エンディングくらいは見てやろうと思ってますので、4周目では達成できなかった全エリア開放したうえでのケイブリス討伐と、魔王ケイブリスの撃退はやっておきたいところ。前者はホーネット開放イベをやらず、全魔人を1ターン2体討伐していけば達成できると思うのでなんとかなると思いますが、後者については全然勝てる気がしなかったので、本格的にレベリングの方法を考えてやらないと達成できなさそう。難易度調整は必須でしょうが、あまり魔人を倒さなすぎると勇者エンドになって終わっちゃうんですよね……。匙加減が難しい。まだまだやり込むことは多そうです。


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SAIN455

Author:SAIN455
漫画、ラノベ、ゲームなどのネタバレ感想記事を書いています。ネタがあるときはコラムみたいなものも書きます。あとアマゾンアソシエイトに参加してます。以下定型文。「このブログはAmazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」

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