あfろ 『ゆるキャン△』 感想

〇前書き
絶賛アニメ放映中の女子オンリーのキャンプ漫画『ゆるキャン△』の感想です。私は完全にインドア人間であり、アウトドア趣味は一切ないのですが、そんな人間がつられてなんだかキャンプも面白そうだな、と思ってしまうくらいには好きな作品です。


〇作品概要
一人でキャンプをすることを好むソロキャン少女のリンちゃんと、ふとしたきっかけでリンちゃんと出会い、キャンプの魅力にはまりこんでしまった和み系食いしん坊キャラのなでしこの2人を中心に繰り広げられるコメディテイストのキャンプ漫画。キャンプ描写は、本場のキャンパーの方からするとリアリティが足りていない部分があるようですが(実際、雪国の人間的にも、氷点下に近い外気の中で本を読んだりできるだろうか?という疑問はあります)、まあ漫画だし細かいつっこみは無粋です。多少フィクション性マシマシだったとしても、この作品の魅力が損なわれるわけではありません。


〇この作品の魅力について
何が一番魅力なのかというと、リンちゃんとなでしこという、異なる個性と魅力を持つ2人が、相手のことを尊重しながら、少しずつお互いのことを理解していく、という人間関係の構築においてもっと大事な相互理解の過程の描写がとても丁寧であるところですね。なんといっても距離感の詰め方と図り方が絶妙で、相手に寄りかかりすぎず、踏み込みすぎず、かといって突き放したりもせず、といった適度なバランス感覚が心地よい。

リンちゃんはどちらかといえばそっけない、あまり自分からは積極的に深く踏み込もうとしない側面を持ちますが、しかしだからといって冷たい人間じゃなくて、相手を思いやる心も持っています。むしろ、彼女の行動だけを見れば、顔に出ないだけで情が深いタイプなんじゃないでしょうか。逆になでしこは少し大雑把なところはありますが、積極的に他者と交流を持ち、いろんな人と仲良くなれる人見知りしない性格です。リンちゃんとは正反対ですが、でも決してデリカシーがないわけじゃなくて、相手の機微を推し量りながら行動できる察しのよさも併せ持っています。

キャンプに対する価値観も違って、リンちゃんは静かに寂しさを含めた楽しさを味わうのを主目的としているのに対し、なでしこはみんなでわいわい楽しく盛り上がることのほうを好んでいる。普通に考えれば水と油みたいな2人で、性格次第では衝突が避けられないところなのですが、リンちゃんもなでしこも自分の考えを押し付けたりしないし、相手のことを否定したりもしません。どちらがよくて、どちらが悪いという話ではなくて、どちらも相手の影響を受けながら変化していく。そんなごくごくありきたりで、でもとても理想的な人と人との関わりを、押しつけがましくなく、ゆったりとしたペースで描いています。


〇最高級のアニメ化
原作付きのアニメとしては最高峰のクオリティです。漫画に限らず、原作を読んでいる作品のアニメは流し見していることが多いのですが、このアニメは毎週放映されるのが楽しみで仕方ないです。アニメを見たことで、ただ漫画を読んでいた時には気づいていなかった魅力を再認識することができ、ますますこの作品が好きになりました。声優さんの演技、背景美術の美しさ、間の取り方、個性的なBGM、それらを効果的に魅せる演出が高度にマッチしています。原作が好きだということを差し引いても大成功なんじゃないでしょうか。かなり久々にBDを購入することを決めました。

特に3話・5話・7話はその出来の素晴らしさ故に、それぞれ5回以上見てしまいました。3話はラジオ風にEDが流れてからの流れが完璧で、富士山から現れる朝日の美しさと高めに高められた民謡調BGMの相乗効果で毎度浄化されてしまいます。全体的にBGMがよく、耳に残るなーと思っていましたが、この曲を聞いてサントラ購入も決めました。ラストにリンちゃんのテントに入ってくるなでしこがまたほんと可愛い。めんこい。5話はお互いの写真を撮って見せ合うシーンが染みます。素晴らしいひと時を共有したいという欲求と、本当に共有できたという偶然の奇跡。最後の空が交わりあう一枚絵の演出が素敵すぎます。7話は最後の「なでしこがボートに乗って、リンちゃんがそれを見ながら歩いている」という何気ないシーンが、原作を超えるレベルでこの作品の本質を表現できているんじゃないか、ってくらい感動してしまいました。一緒にいるときは共に喜びを分かち合い、それぞれ別々の道を歩む時には別々の楽しみ方をすることもできる。これ以上ないくらいに理想的な関係で、心底羨ましい。


〇6巻の感想
4巻でリンちゃんがみんなでのキャンプを楽しみつつ、5巻ではソロキャンのよさを再認識したところで、このあとは何を描くのだろうと思っていましたが、まさかなでしこがソロキャンに挑戦しようとする、という流れになるとは思ってもいませんでした。人間関係を重視するなでしこが、そういう発想を持つとは考えもしなかったんです。久しぶりに、とてもいい意味で想像の上をいかれたような気がします。対比するように、リンちゃんが陰で野クルの面々を心配しているのも可愛いらしい。本当によい漫画です。


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普段紙媒体で買っているのに、早く続きを読みたくて衝動的にkindle版を買ってしまった……。


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漫画、ラノベ、ゲームなどのネタバレ感想記事を書いています。ネタがあるときはコラムみたいなものも書きます。あとアマゾンアソシエイトに参加してます。以下定型文。「このブログはAmazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」

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