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僕から君へ―羅川真里茂傑作集 感想





特によかったのは表題作の「僕から君へ」と「がんばってや」。「僕から君へ」は、同郷の幼馴染の訃報を聞いた主人公が彼との関係を回想するお話。最初は、幼馴染の無頼な生き方に呆れながらも、彼の人となり、こんなエピソードがあったな、というふうに懐かしんでいく、という展開なのかと思わせておいて、回想が進むごとに、主人公が彼に対して複雑な想いを抱えながらもその死に傷ついていることに気付かされ、「主人公にとってはかけがえのない友達だったんだ」と感じさせていく。既作品のほとんどがそうだと思うが、少年期から青年期にかけての繊細な心の揺れ動きを描くのが抜群に上手い。

あとは「がんばってや」、これが一話完結の短編とは思えないほど光っている。青森から上京してきた大学生が、脳内の方言と、日調的に使う標準語との違いに悩み、上手く会話できず、心を閉ざしかけたところを、同じ苦しみを味わったことのある女の子が手を差し伸べてくれる、という特別捻りのないお話なのだが、これくらい直球でも一切陳腐さを感じないのが凄い。

結局
心を閉ざしたままでは
何も入ってきてはくれないのだ


「岸本クンの顔、あたしメッチャ好みやねんで?」からの「そんでもって今は性格も好きやで?」というやり取りが、とても軽やかでよかった。
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