スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

煩悩寺 1~3巻 感想





”5年間付き合って結婚を切り出してフラれたって事は
私は一生を共に過ごすパートナーにするには不足だという事で
私は選ばれなかったんだ”


この物語の始まりは一風変わっている。在宅勤務の青年・通称煩悩寺(実家がお寺・継ぐのは兄)の家に、ある日突然トイレを借りに来た酔っ払いOL・小沢さん(26歳)。5年間付き合った彼氏に結婚を求めたらフラれてしまい、反動でべろんべろんに酔っ払った彼女は、同じマンションに住む他人の部屋にトイレを借りに立ち寄る。会って数秒の物腰柔らかな青年に自分の事情を手当たり次第にぶちまけて愚痴る小沢さんは(翌日はしらふの状態で逃げられた彼氏のエロDVDを持ち込んでくるというトンデモなさ)、間違いなく面倒くさい女なので、人によっては地雷間違いなしの物件なのだが、煩悩寺は彼女のわがままな可愛らしさに惚れてしまう。

……反則だ
バカにする姿も可愛く見える
……僕は末期かもしれない


彼らは、この年のカップルにしてはガツガツしておらず、関係性の進展といったら牛歩なみのスピードで、はっきり言うと枯れているのだが、その落ち着き具合が、見守る側としてはちょうどよく、むしろ居心地がよかった。時間の流れに対して、関係性の変化は非常にゆっくりしていて、それは堅実に着実に積み重なっていく。1巻の、皆でコタツに寝転がってくつろいでいるシーンが本当に好き。

これが…彼女特権という奴なんだろうか
…幸せだよー…


2巻は彼らが彼氏彼女の恋人関係になったところからスタートするのだが、はいはいご馳走様と言いたくなるようなシーンが満載である。こんなにも何気ない、どうでもいいことで幸せを感じられる小沢さんを見ていると、見ているこっちもなんだか幸せになってくる。あと特筆すべきはセックスシーン。これくらい恥ずかしげもなく睦み合いを描いているといっそ清清しい。それでいて読んでて全くエロい気分にならないのが素晴らしい(褒めている)。性欲をかきたてるための描写ではなく、恋愛のよさを描くための過程だから、そう感じられるのだろう。

それからは
色々言いたい事情を飲み込んで
過去への執着もこれからの不安も期待もすべて放棄して
彼と繋がる事だけに没頭した
それは只々 幸せで気持ち良かった


3巻は自宅のメニュー表におざわみちよとか書いちゃったり、ご飯の食べすぎでNO!宣言する小沢さんの姿を描きつつ、小沢さんが小山田さんになるまでを描く。二人は当然に結婚するものと思わせておいて、小山田くんと結婚したくないと臆病を発揮させる小沢さんがやっぱり面倒くさくてよい。

小沢が結婚したら
めっちゃ悔しいし?同年代で独身が減っていくのは辛いし?
だから
「あんたらは結婚しようがしまいが、多分何も変わらないわよ」
なんて後押しめいた事は
言ーわない


つまり彼女は今の関係が崩壊するかもしれないことを恐れて今のままでいたいと思っているだけなので、結婚が嫌だというよりも、行動による状況の変化を恐れていたわけである。二人でいる関係を壊したくないと願ったからこそ彼女は悩んだ。小山田くんから「自分達はいつ結婚しても同じだと思う」という言葉をかけられたときは、それはもう嬉しかったに違いない。

作者の意図はどこにあれど、徹頭徹尾、恋愛っていいなあ……と感じさせてくれた恋愛漫画の名作。現在連載中の恋は光とWizard's Soulも恋愛漫画で、過去作品も(原作なしの作品は)概ね恋愛漫画なのだが、今のところ私にとってのベスト煩悩寺である。むしろ、男女の恋愛を描いた漫画としてはトップクラスに好きな作品。一対一に近い狭い世界の話なので、リアリティに欠けると感じる人もいるだろうが、私としては余計な設定(親とか兄弟とか三角関係とか)を持ち込まないできっちり完結させたことを評価したいところ。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

SAIN455

Author:SAIN455

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。