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猫物語 白

 猫物語 白は、元ミステリー作家・現漫画原作者兼ラノベ作家?である西尾維新の<物語シリーズ>最新作です(最初からラノベ作家だという意見も多分にあると思います)。代表作には戯言シリーズ、世界シリーズ、刀語シリーズなど多数存在しており、物語シリーズはそのうちのひとつ。刊行冊数は今日現在で50冊に至り、漫画・未収録作品を含めると約60冊にもなります。実のところ、まだデビューから10年経っていないので、かなり異常な速度といえる。というか、一年間に15冊もの作品を執筆≒刊行した作者は滅多にいないのではないかと。
 物語シリーズは現在、化物語(上下)→傷物語→偽物語(上下)→猫物語(黒)→猫物語(白)の順に5作品が刊行されています。時間軸で言うと、傷物語→猫物語(黒)→化物語(上下)→偽物語(上下)→猫物語(白)の順になりますが、基本的には刊行順に読んでしまって問題ない。今後は傾物語→花物語→囮物語→鬼物語→恋物語と、3ヶ月ごとに刊行していく予定、らしい。次回は12月。猫物語(白)はスケジュール的にもおそらく延期だろうと噂されていましたが、案外普通に発売されてしまったので、もしかしたら予定通りにいくのかも……?と淡い期待を抱いてしまいますが、さすがに数回の遅延は覚悟しておいてほうがよさそう。執筆を物語シリーズと漫画原作だけに絞ればいけそうですが、他にも執筆する作品があるでしょうし、無理に発売してクオリティが下がっても嫌ですし。緋色の英雄やらぼくの世界やらはどうなったんだとかそういう声も一部ありますので。
 
 前置きはさておいて、本編とシリーズを通した感想。西尾維新には魅力のひとつとして、軽快なキャラ同士の掛け合いがあり、西尾維新の趣味で書かれたとされる物語シリーズは、特にその傾向が強まっています。西尾維新節が全開となっており、その魅力が最大限に発揮されている。小説ならではのやり方を踏まえ、さまざまなボケとツッコミで魅せてくれる(と思ってたらアニメ化しちゃいましたが)。中でも主人公の阿良々木君と幼女ヒロインの八九寺真宵との掛け合いは必見。無駄に気合の入った、くだらなくて意味のないやり取りで何ページも使っているところを読んでしまうと、本編が書きたいのか掛け合いが書きたいのかわからなくなってきてしまいます。そこが読んでて最高に面白いところなのでなおさら。最近はメタ発言が増えてきて少し食傷気味でしたが、化物語の掛け合いはやはりとてもいい。

 そんな物語シリーズですが、じゃあどんな話なのか、と聞かれると少し説明に困ります。今作の魅力や面白いところはいくらでもアピールできますが、ストーリーに関しては、そこまで特異なところが見当たらない。
 一応説明すると、このシリーズは基本的に1話完結の話で構成されています。化物語は全5話ありますが、それぞれ一人のヒロインにポイントを絞って話が練られている。当然全体の話は連続しているし、登場キャラも続投していますが、それぞれの話は1話ごとにきちんと完結しています。長編連作ならぬ中篇連作といった形式を取っている。おかげで読み直すのが非常に楽です。前後のつながりが薄いため、読みたい話だけを抽出して読み直すことが可能。その代わり、それ故の欠点とでもいいますか。全体を貫くシナリオの骨格が弱い。軽妙な掛け合いは本当に好きですが、少し深みに欠けるところがありました。
 しかし、今回の猫物語(白)は、見事にその不満を払拭し、読み応えのあるシナリオを作り上げてきました。わかりやすい変更点は語り部の交代。今作は、化物語の最終話・傷物語・猫物語(黒)と合計三話でメイン(かサブ)ヒロインを飾ってきた羽川翼の一人称視点で描かれます。阿良々木君の視点が存在しない世界にはまた違う味わいがありました。主人公が交代したことで、軽妙な掛け合いはかなり薄れ、はっちゃけたやり取りは抑えられがちになっています。物語シリーズにはそれだけを求めていた人からすれば物足りないかもしれないので、一長一短かもしれませんが、私はとても気に入った。
 内容について少しだけ踏み込みますと、きちんと羽川の想いに結論を出したのは非常に好印象でした。この作品は、複数ヒロインとの結びつきを肯定的に捉えているような話でしたので、ここまで想像の余地がないくらいに白黒はっきりつけるとは思っていなかった。
 今回さらによかったのは、物語の裏で違う物語が平行して動いている、ということを(というか露骨に)意識させてきたところでしょうか。おかげで他のキャラが、作品世界のどこかで生きていることを強く意識させられ、その行動に想像力を刺激させられる。ちらほらとわかりやすい伏線を張っていて、次回作への期待を高めてきました。

 以上。考えていた方向とは若干異なっていましたが、面白かったので大満足。次回作がどうなるのかわかりませんが、せっかくの新シリーズ(作者いわくセカンドシーズン)、できれば今まで見たことがない物語シリーズを見せてほしいところ。阿良々木君が登場しなくなると、冴え渡るボケとツッコミのやりとりが弱まってしまい、一番の魅力であった部分が弱くなるというネックを抱えてしまいますが、その代わり物語に没頭できるという利点もありますので、こういった少し落ち着いた雰囲気で進めてくのもありではないかと。今から次回作が楽しみです。
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