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クインテット・ファンタズム 1巻 感想





まず前提として、創作物におけるリアリティの欠如に対する寛容がなければ、この作品はあまり楽しめないのではないかと思われる。世界観としては、少子化問題を解決するために、遺伝子操作されて誕生してきた親を持たない子供たちが、拡張現実を使った命がけの競技で、自らの生命の意義を掴み取ろうとする、といういかにもラノベめいた荒唐無稽なものであり、読む人によってはこの設定で無理、と感じるのではないか。

作者が自覚しているようなのでまだマシなのかもしれないが、それにしても社会的倫理の欠落についてはツッコミどころ満載で、世界観構築が甘いといわざるを得ない。著者である東出祐一郎は、ある一部分について突出した描写をするのは得意な反面、全体的なバランス感覚には欠けているところがあると個人的には思っていて、本作においても、著者にとっての核にあたる部分はきちんと掘り下げられているが、それ以外の部分は枝葉末節として切り捨てられてしまっている。これは、現在同人作品として執筆されているFate/Apocryphaにも言えることである。

なので、細かい設定が目に留まる人にはあまりおすすめできない。物語の設定を、ああそういう世界観設定なんだ、とそこまで深く考えず飲み込める人でなければ、拒絶反応が出る可能性が高い。私はあまり設定の整合性や合理性について深く考えない方だが、それでも引っかかる部分は多々あった。下手に現実世界の延長線上の物語として描かれていることもあり、本当にこんな社会が成立しうるのだろうか?という疑問に駆られてしまう気持ちはよくわかる。

作品概要を簡単にまとめると、「とても優しくない世界」のお話。バトル要素そのものをメインに描いたケモノガリと比べると、戦闘行為に対する緊迫感、非現実的なまでの不条理性、そのどちらにおいても多少見劣りしてしまうが、それは恐らく、この物語ではバトルを描くことそのものが目的ではないから。この物語で描こうとしているものは、停滞して行き詰ってしまった人生を打開するための過程である。自分達の存在価値に自信を持てず、己の人生を諦めかけている子供達が、自らの生命の意義を掴みとるためのお話であり、あくまでバトル要素は添え物で、主題を引き立たせるだけのエッセンスなのだと思われる。
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SAIN455

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漫画、ラノベ、ゲームなどのネタバレ感想記事を書いています。ネタがあるときはコラムみたいなものも書きます。あとアマゾンアソシエイトに参加してます。以下定型文。「このブログはAmazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」

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