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ランス9 感想

アリスソフトから発売中の18禁S・RPG『ランス9』の感想です。シリーズ前作ランスクエストはダンジョン探索型のRPGでしたが、ゲームデザインが私の嗜好とずれていたこともあって、残念ながらあまり好意的な評価を下すことが出来ませんでした。今作についても結局体験版をやらぬまま予約してしまったため、ひょっとしたらこれがアリスソフト最後の一花になるかもしれないなと内心ひやひやしていましたが、いざ取り掛かってみると予想していたよりもずっと楽しんでプレイできたので、ほっと一安心。

以下、作品本編のネタバレを含みますので、未プレイの方は十分にご注意ください。






ストーリーはランクエ(正確にはマグナム)の終わりから直接的に繋がっており、今回はランスワールドに古くから存在している軍事大国・ヘルマンが舞台となっています。長く続いた腐敗政治で崩壊間近のヘルマンで革命を起こそうとしているムキムキ皇子パットンから協力要請を受けたランスが、革命の手伝いをしながら可愛い女の子とエッチするついでにドサクサに紛れて氷漬けになっているシィルを元通りに出来るお宝を奪ってしまおうとするお話。相変わらず平気でレイプするわザクザク人は殺すわでやりたい放題のランスではありますが、これまでに比べれば(ほんのちょこっとは)大人になっていて、若干とっつきやすくなってきた……ような気がします。行動動機についてはシィルのためと(心の中でだけだけど)明示されていて、わがままの権化だったランスⅥあたりの頃と比べれば感情移入しやすいキャラとして描かれるようになってきたのではないかと。逆にマイルドになりすぎて個性が減った感もありますが、そこは一長一短ということで。ちなみに、ランスの変化はエロシーンの描かれ方とも直結していて、性格が丸くなった分きつめの展開が減った代わりに、後述のランスモードが用意されているヒロイン7人にはそれぞれバッドエンドが用意されており、こちらについてはなかなか酷い展開となっています。

シリーズ全体としてみると、次回作がいよいよラストということもあって、人間界サイドで残っていた騒乱を終わらせてシリーズのまとめに入るための繋ぎ的な意味合いが強いストーリーに仕上がっていました。魔人関連のお話の展開はほぼゼロなので、そういった意味では絶望感が不足気味。あくまで人間対人間の構図であり、ラスボスも終始小物っぽく描かれていたので、盛り上がりに欠けていた印象があります。

シリーズナンバリングが9とついているだけあり、キャラクター間の関係性についてはそれなりの積み上げがあるため、一見するととっつきにくそうな感じが漂っていますが、今作のストーリーはほぼ独立しているのに加え(ランスの行動目的がシィルの回復にあるという点は前々作の戦国ランスのラストから継続していますが、革命の話はこれまでの経緯を知らなくてもついていけるレベル)、80ページ近くあるブックレットによりこれまでの経緯や世界観が補完されていたので、シリーズ初心者の方でも十分ついていけるレベルに落としこまれていたのではないかと。私もランスクエストマグナムはやっていないので、前後の繋がりが不明確なままプレイすることとなりましたが、あまりシリーズ間の隔絶は感じずにプレイできました。ただし、作中ではこれまでの展開についてあまりフォローが入らないので、初めてランスシリーズに触れるという人は、予めブックレットに目を通しておいたほうが無難かと思います(ゲーム性を先行して楽したいという場合は別ですが)。シリーズもここまでくればある程度説明不足になる点があるのもやむをえないとはいえ、テキスト量が少なめな作品ですし、進行上もイベント単位でシナリオを切っているのだから、ちょっとくらい回想シーンで補足があってもよかったのでは、という気はしました。

なお、ゲーム進行がチャート制に近い構造になっていたため、シナリオにぶつ切り感が出ないか心配でしたが、杞憂でした。まずテキストが軽快で小気味よいこともあって、ストーリーから不連続感を与えられることはありませんでしたし、ADVパートを読んでいて疲れを感じることはなかった。ただ、物語そのものの面白さ、という点については多少の不満があります。というのも、ヘルマンを牛耳る体制側の人間に脅威や畏怖を感じさせられなかったからです。ラスボス的な存在であるステッセルにせよミネバにせよ、プレイヤーに大物感を与えることなく舞台を降りてしまいました。また、今作は革命の始まりから終わりまで描き切ってますが、小説フランス革命を読んだ後だとどうしても話のスケールや革命の掘り下げに不足を感じます。革命そのものを描くことが主目的なのではなく、人間界を平定することに主眼をおいていることは重々承知ですが、せっかく大国の体制を根本から覆そうとしているのに、人民の草の根活動的な側面が一切描かれなかったのはもったいなかったかなあと。



キャラクターについての所感は端折るとして、メインとなるシステム周りの部分について。公式サイトではジャンルはタクティカルRPGということになっていますが、やってみればなんてことはないごく一般的なS・RPGです。システムの骨子となる部分はサモンナイト・スパロボといった自ユニットを動かして敵ユニットを排除していくタイプのゲームとほとんど同じ。ただ、プレイヤー・CPUの交互に全ユニットを動かしていくターン制のシステムではなく、各ユニットに設定された素早さに応じて敵味方が入り乱れて行動していくタイプのシステムを採用しているため、イメージとしてはFFTのそれに近いですかね。

まず少数精鋭の軍団による正規軍の打倒というシチュエーションがきっちりとゲームデザインに反映されているのは◎。ランスたちプレイヤーユニットは一騎当千のキャラばかりで、たとえ一対四であっても圧勝できるなキャラばかりなのですが、常識的に考えて戦闘行為を重ねていけば疲労が積み重なっていき、一人でずっと戦い続けることは困難なはずであり、いくらゲームとはいえ永遠に俺TUEEEEを継続されると緊迫感がなさすぎて白けてしまいます。そこで、今作では大軍相手に戦い続けることの困難さをシステム的に表現するために、スパロボで言うところの連続ターゲット補正をもうちょっとバランス取りしたイメージのシステムが導入されています。具体的には、回避・反撃・攻撃の受流といった防御行動の発生確率が攻撃を受け続けていくことで低減されていく、というもの。戦闘中に攻撃を受けた場合、ヒットポイントを回復することは出来ますが、この発生確率を回復することは出来ません。肉体的なダメージと潜在的な疲労は別物、という住み分けが出来ておりよく考えられている構造だと思います。

この作品は戦闘に出撃したユニットだけが経験値を得られるシステムになっていて、ユニット毎に個別管理されている経験値をプレイヤーが任意のパラメータに振り分けて成長させていくスタイルとなっていますが、敵ユニットを倒すごとにボーナスが得られるので、上手い具合に稼いでいけば嫁ユニットを強キャラに仕立てあげていくことが出来ます。加えて、フリーバトルを重ねることで容易に修行することが可能です。サモンナイトのように獲得経験値が下方修正されるようなこともないため、経験値配分に頭を悩ませることもないでしょう。好きなユニットを好きなように鍛え上げることが出来るので、レベル上げに対するストレスは少なくてすみます。

ただし、特定のキャラのみが強制出撃されるイベントマップや、マップの攻略条件の仕様上、全ユニットを運用しなければならないこともあるため、お気に入りキャラだけを鍛えておけばそれでいいというわけでもありません。恐らくこれは登場ユニットに万遍なく出番を与えるためのシステム的な対応策だったと思いますが、逆にプレイヤーにとってはストレッサーにもなりかねない部分であり、多少のネックにもなっています。ちなみに、マップごとの攻略条件としては、単に敵を全滅させる王道のものがあれば、無数の増援を数ターン耐えたり、逆にターン内に敵ユニットを全滅させたりするマップがあり、特定の場所まで自ユニットを移動させるor敵を進入させないといった定番の条件付きマップがあり、自拠点の心臓部を破壊されないように敵ユニットを全滅させる防衛戦マップがあったり(もっとも、前哨戦を上手くこなせば攻城戦はやらないで済むので、やらずに終わることがほとんどでしたが)、全味方ユニットを出撃させれば勝利・部隊を分割しての三連戦などの変り種があり、かなりバリエーションに富んでいてプレイヤーを飽きさせないように工夫されていました。

あとはゲームパートの外にランスモードというものが用意されています。戦闘に勝利したり特定条件を満たしたりすると入手できるアイテムを使うことでエロシーンが見れるという実にエロゲらしいシステムで、エロシーン後には使用することで経験値を二倍にできるアイテムをゲットできる御褒美的なアレです。このアイテムを使うことでお気に入りキャラクターの修行がさらに容易になるため、後半加入のキャラやお気に入りのユニットにがしがし使っていくことをオススメします。なお、ランス9では魔法使いがかなりの強キャラなので、優先的に鍛えるようにすると吉。



ということで、ゲーム性は本当に単純に作られており、少し触ればすぐに全体像を掴むことが反面、やりこみ要素は少なめです。プレイヤーに出来ることはひたすら経験値とお金を稼いでユニットのパラメータと武器防具を鍛え、時折手に入るレアアイテムに一喜一憂するくらい。お金は装備品の強化にしか使用出来ず、しかも武器防具は変更できませんので、ジョブシステムのあるFFTや召喚・スキルシステムがあるサモナイと比べるとシステム的なボリュームは小さめ。また、タクティカルと名乗っている割には戦術的要素というか、プレイヤーがあれこれ頭を悩ませてステージをクリアする、といった展開がなかったのも残念なところ。少数精鋭VS正規軍という構図であるうえ、主人公が卑怯な手段を取ることを躊躇わない性格である以上やむなしですが、如何せん奇襲騙し討ちの戦いが多く、プレイヤーの手腕如何でゲーム上の盤面が左右されるというような展開も欲しかった。ユニット運用についても、あまり深く考えないでキャラクターの行動順番を確認しながら確実に敵ユニットを排除していけば普通に勝てるため、一戦にかかる作業時間が少なくて済む反面、歯ごたえという点では物足りなさが残ります。そして、もし仮に勝利が困難だった場合でも、フリーバトルで好きなだけ鍛えることができるので、詰み要素もありません。

以上のように、シチュエーションのゲームデザインへの落とし込みは見事ですが、ゲームに対するプレイヤーの自由度というかやりこみ性は薄めであり、単純故にのめりこむかすぐ飽きるか、プレイヤーによって落差が激しそうです。特に、複数回の周回プレーに耐えうるかどうかは微妙なところ。今作は二周目以降のプレイには獲得アイテム・経験値等を引き継ぐことができて、周回を重ねていくことで敵の強さ・アイテムの性能等が2倍・4倍・8倍化されるモードを選択できますが、これをレアアイテム蒐集(しかもあまり種類がない)やキャラクター強化だけをモチベーションにして繰り返しプレイを重ねていくのはいささか厳しいかもしれない。私は一応全ヒロインのエンド(EDはランスモードの見れるヒロイン分が用意されています)を見て、四倍モードまでクリアしましたが、さすがにめちゃくちゃまでやる気にはなれませんでした(ここまでやって、プレイ時間は大体50時間くらいといったところです)。

そんなわけで、ゲームをやっていてシステム周りでストレスを感じることはなく、テキストも軽快でテンポよく進むのため、進めていく過程で不満を感じることはなかったのですが、唯一BGMに関してだけは物足りなさを感じます。ランスクエストもそうでしたが、耳に残るBGMがなかった。戦闘BGMはどれも気が抜けるBGMばかりというか、緊迫感がないものが多く、革命というシチュエーションと結びつくような劇的な曲調のBGMはなかった。戦争しているのだから、もっともっとシリアスなBGMが多くてよかったかと。

あえてシステム面での要望を書くとすれば、イベント画面でのタブ切り替えはもっと軽やかに切り替わってほしかったですね。ストレスを感じるほどでもないですが、快適と言えるほどではない。他にもシステム的につけてもよかったんじゃないかと思ったのは、連続出撃ユニットに対する疲労設定とか、せっかく3Dなのだから方向の概念を取り入れて、正面・側面・背面でダメージ割合が変わったり回避発生割合が下がったりしてもよかったんじゃないかとか、大体そんな感じです。



繰り返しになりますが、ゲーム性は単純であり、やりこみ要素として挙げられる点があるとすればユニット強化とアイテム蒐集くらいで、そのアイテムも絶対数が少なく、全体的なリソースが多いとは言えないため(特に敵ユニットのバリエーションの少なさはコンシューマに比べると明らかに貧相です)、末永くやり続ける作品として挙げるには難しいかもしれませんが、一周だけしてさくっと楽しむ、くらいのつもりでやるのであれば十分に面白い作品。最初はシステムの全貌がよく見えなくて、やっているうちに作りこみを把握していくというシステム設計も好きですが、単純明快で出来ることがわかっている範囲内でやりくりしていく作品も好きなので、嗜好とマッチしていたのも大きいです。単純作業を最適化していく過程を楽しめる、効率重視のゲームスタイルを取る人にオススメ。
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