FC2ブログ

少女病 覚書

 今年の夏コミで発売された少女病の新譜・創傷クロスラインが過去作品との繋がりを示唆させるストーリーで、ファンサービス含めて素晴らしい内容だったのですが、第1作が出てから既に5年近くが経っていることもあり、そろそろ過去の世界観やストーリーを忘れてきていたので、これもいい機会だと思い所持しているCDをひっくり返して作品ごとの登場人物と時系列を整理してみました。Wikiか考察サイトがあればそれで用を足せたんですが、意外にもまとまった情報が搭載されているサイトは少なかったので、それだったら自分で書いてみようと思い立ち作成した次第です。大半が私の願望と妄想で構成された覚書程度の内容であり、考察と呼べるレベルの内容とは言えない代物ですが、それでもよろしければ参考程度にお読みください。今年の冬には設定資料が出るらしいので、発売されたらまたそれと照らし合わせて整理してみたいと思います(これが委託しなかったら泣きます)。


※注意事項※
 この覚書では、アルバムの登場人物、推測できる範囲での時系列、曲ごとの内容を追っています。登場人物は名前が出てくる人物と、その曲で主体となっている人物を挙げています(漏れていたらすみません……)。死亡がほほ間違いないと思われる人物は赤字死亡しているはずだが、生存している可能性もある人物を青字作品をまたいで登場する人物を緑字で表示しています。
 繰り返しになりますが、全ては憶測・推測レベルでの記述であり、願望や妄想も多いに含まれているため、全てが正しいとは断言できません。ご注意を。





☆偽典セクサリス
※ブックレット1Pのテキストを抜粋

遠い星に宿る記憶が、ヒトの形をもって流れ落ちる場所
それはこの世の果て
遥か昔に滅びた星の記憶
記憶の名は、セクサリス
その少女の見る夢から失われた記憶を詠み、詠うのは詩人ミルリーナ
少女は、僕らにどんな夢を見せてくれるのだろうか……

それは、終わりの先にある世界……
偽典セクサリス



■アルバム全体の登場人物
セクサリス ― #1、2~6(一部の台詞のみ)、11
・ミルリーナ ― #1、2~6(一部の台詞のみ)、11
・預言者の少女 ― #2
・預言者の少女の子供 ― #2
ライザ ― #3
ライザの双子の妹(レーレとルール)【死亡】 ― #3
・常冬の国で暮らす少年とルリシア ― #4
・黒の精霊と白の精霊 ― #5
高い壁に囲まれた街に幽閉される少年【死亡?】 ― #6
幽閉される少年の母【死亡?】 ― #6
天使の歌が流れるラジオを聴く子供【死亡】 ― #7
・天使病と呼称した識者 ― #7
ラフィル【死亡?】 ― #1(最後の台詞のみ)、#8~10
隻眼の少年【死亡?】 ― #1(最後の台詞のみ)、#8~9(~10?)

■時系列
・1. 星謡の詩人⇒...⇒8. 鳥篭から紡ぐ終焉 ,9. Karma⇒10. Alngeal⇒7. fly(⇒9. Karmaのラスト?)⇒...⇒11. セクサリス
・2~6までの時系列は不明。

■考察
1. 星謡の詩人
登場人物はセクサリスとミルリーナ。少女病世界の起点となる曲と思われます。この曲の中で、少女病世界における一連のストーリーは、ミルリーナという人物がセクサリスと呼ばれる存在の見る夢を語っているものである、という根本的設定が提示されています。セクサリスとはかつて滅びた星の記憶が擬人化した人格であり、ミルリーナはその記憶を読み解いて詩にしている人物、という設定。これは色々メタ解釈できなくもないのですが、妄想はとりあえずおいておいて、歌詞から読み取れることを羅列してみます。少女病の物語――公式に習ってここセクサリス・サーガと呼びます――は、既に失われてしまった歴史のようなものです。全ての物語は過去の産物であり、登場するキャラも現在進行形に見えるエピソードも、全て過去の産物。物語の全ては終わってしまっていることのため、語られるストーリーは追想に過ぎません。セクサリスは、失われた夢を見続けることで仮初めの人格を身に着けています。そのためある程度の自己や意思は持っているし、ある程度の感情の起伏もある様子です。しかし、そもそも何故セクサリスは生まれるのか、何故ミルリーナだけが彼女の夢を見れるのか、そのあたりははっきりしてません。歌詞からは、何らかの喪失感に駆られながら、義務感を持って物語の欠片を追い求めているように取れますが、動機は不明です。
この曲の最後には複数の人物がかわりがわりに台詞を述べますが、これらは①セクサリス②ラフィル③Karmaの少年④ミルリーナ⑤セクサリス⑥ラフィル⑦Karmaの少年⑧ミルリーナ⑨セクサリスの順番と思われます。
2. 終わりの先の音節
登場人物は森で生活する預言者の少女。1曲目以降のストーリーは、セクサリスの夢を見ているミルリーナが詠っているものと推測できます。ある日、預言者の少女は世界が滅ぶ預言を聞く。世界の破滅が避けられぬことを知り、自暴自棄になった少女は、預言者の役目を捨てて想い人に寄り添ったが、徐々に恐怖に心が侵されていき、やがて精神が崩壊してしまう。恐慌に駆られた少女は、勢いのまま想い人にナイフを突き刺して殺害、少女も恐らく精神に異常をきたして終了、という極めて救いのないストーリーとなっています。。1曲目はスケールが大きすぎてあまりぴんとこなかったのですが、2曲目はスケールダウンしたことでリアリティを感じられます。というか、少女病世界は設定の段階から救いがないというのに、理不尽かつ不条理な不幸に襲われる人物がかなり多い。歌詞にある『新たな生』というのは少女の懐妊を比喩したものでしょう。『不確かに降り注ぐ安らぎに幾度も身を任せた』『溶け合っても繋がっていても』『不規則な嘔吐感』という表現は行為そのものと妊娠を示しているのではないかと。これといった根拠はありませんが、作中にやたらと音楽の表現が多いことから、ミルリーナの歌なのかもしれない、とも思いました。
3. 蒼を受け継ぎし者
登場人物は若き地方領主であるライザ少年と双子の妹。綺麗で美しい蒼い海をずっと見ていたい、という渇望に囚われたライザが、永遠の生を求めて凶行に走り、しまいにはその凶行そのものに耽溺してしまう、というストーリーです。蒼に憑かれた少年が流される血に憑かれて紅蓮に染まっていく、とこれまた救いのない話。ライザが自身の凶行を後悔しているかどうかは微妙なところですが、最後にはライザが血の涙を流す描写があることから、双子の姉妹を喪った結末を後悔していることだけは間違いないのではないかと推察できます。『次第に遠のいていく意識』という歌詞があることから、ライザは誰かしらに討伐されてしまったのだと思っていましたが、実はこのストーリーには続きがあるので、この表現はただ単にライザが正気を失った、もしくは後に戻れなくなったことの暗示と思われます。
4. 空想白夜
登場人物は少年と少女(ユリシア)。冬に閉ざされた雪の都市に住まう少年とユリシアが、永遠の冬を厭い都市から抜け出す(抜け出そうとする?)お話。気になるワードは、空に一番近い場所、というところですね。舞台となっている場所は標高のある山岳付近にある都市ということでしょうか。白夜という表現からはルクセインとの関連性が疑われますが、今のところははっきりしていません。後述しますが、私的には何か伝承や伝説のある土地なのではないかと踏んでいます。
5. 死の黒鍵、生の白鍵
登場人物は薄荷色の目をした黒の精霊と玻璃色(水晶のように透き通った無色透明)の目をした白の精霊。とても抽象的な曲なのでなんとも言い難いです。ストーリーもはっきりせず、いかようにも捉えることができると思います。ピアノの黒鍵と白鍵を死と生の象徴に喩えた曲でしょうか。それともこれはただの比喩?
6. 白亜の檻
登場人物は高い壁に囲まれた都市に幽閉されている少年。その正体は正体不明の死の病に侵され隔離されている病人です。少年は、壁の外には死の病が溢れていて、自分たちはその世界から選ばれた存在なのだと思い込んでいたが、やがて自分たちが病んでいることに気づいてしまう。少年は苛立ちに駆られ、食料を運んでくる白装束の大人達に八つ当たりをするが、実はその白装束こそが自分たちの親だった、というオチです。ストーリーがまた残酷で、親に再会できたところで終わっていればよかったのに、親子は情に抗えず抱きしめ合ってしまい、その病魔の感染は拡大していってしまいます。最後の『どうせ世界は終わるのに』という嘲るようなセクサリスの台詞が印象的。ここに出てくる死の病が少女病だったりするんでしょうか。それともただの伝染病?触れ合うだけで感染するほどの病気みたいですが……。それと、少年が自身の病に気づいたきっかけがなんだったのかが気になります。閉じ込められてどれくらい経って気づいたんでしょうね、彼は。歌詞からは自発的に気づいたと読み取れますが、ほかに気づいた子供は誰もいなかったのかも気になります。それとも、ほかの子供は少年と違って諦観しきっていた、ということでしょうか。
7. fly
登場人物はラジオを聴く子供たち。天使の歌声がラジオから流れ、その歌を聞いた子供たちが次々と飛び降り自殺をしていく、というストーリー。どうも歌を聴いたものに幻想のイメージを植えつける類のものらしいですが、詳細不明。この病は通称天使病と呼ばれたようです。
ちなみにここから10曲目までは一連のストーリーとなっており、10曲目までセクサリスのセリフはありません。
8. 鳥篭から紡ぐ終焉
登場人物は貴族に飼い殺しにされている少女(ラフィル)と隻眼の少年。ラフィルは天使語と言われる架空言語が理解できるために、生まれてからずっと束縛されて生活している。祝福を歌うように強要されているが、自身も救われることを祈る普通の人間であり、その美しい歌声とはまるで正反対の内面をしています。少なくとも、自己犠牲精神に溢れる美しい聖女などではありません。最後に抱いた渇望が『私なりの終焉をつむぎたい』ですから、その心中は推して知るべし。途中に出てくる隻眼の従者はKarmaの少年ですね。二人の出会いが偶然だったのか、それとも意図的なものだったのかはわかりませんが、お互いどこかしら惹かれる部分が合ったのは間違いないようです。
9. Karma
登場人物はラフィルと隻眼の少年。世界に絶望するラフィルと少年が世界に復讐しようとするストーリー。#8がラフィル視点で語られた曲なら、こちらは少年視点で語られた曲。ラフィルは希望を失った普通の少女という感じですが、こちらの少年は『薄汚れたこの世界を両目で見ることに耐えられないから右目を抉った』と冒頭からいきなりぶっ飛んでいます。何があってこんなことをしたのかは不明ですが、貴族社会にいる以上、あまり明るくない生涯だったであろうことは推察できます。少年はラフィルに出会い、彼女の鬱屈した感情を知り、ラフィルの歌に呪いを込めることで世界に破滅を与えようとしましたが、気になるのが最後の『僕は嘘つきなんだ』という語りの部分です。これはラフィルに嘘を語ったということでしょうか、それとも少年なりに目的があってラフィルを利用したということでしょうか。情報が少なすぎてよくわかりません。
10. Alngeal
Karmaの最後でラフィルが歌った曲と思われます。歌詞すら書かれていない異例の曲。どんな意味が込められているのかは『みんな死ねばいい』という最後の台詞からお察しください。最後の銃声は少年が撃ったもの?それとも少年かラフィルが撃たれたもの?お話の流れから、天使病の発症原因はラフィルの歌声だったことが推測できるのですが、どうも原因が解明されていなさそうなのが不思議です。flyでは、ラジオから天使の歌声が流れている、と歌われていますが、これはただの比喩で、歌声の主が誰なのかまでは特定できていないとか?ラフィルの存在って、周囲には伏せられていたのでしょうか。普通に考えれば、すぐに特定できそうなものだと思いますが……。それとも、わかったうえで伏せていたとか?
11. セクサリス
タイトルどおりセクサリスの歌。『ここからあたらしい世界が生まれ終わりの先へ繋がる』とありますが、世界が再生する可能性は本当にあるのでしょうか。いつかまた新たな星が生まれるのだといいな、とは思いますが、今のところその兆しは見えません。





☆覚醒ノエシス
■アルバム全体の登場人物
・リスティ ― #1~3
・ラスティ ― #1~3
・リスティの父 ― #1、3

■時系列
・1. Fragment⇒2 覚醒夜⇒3. 孤独の果ての物語

■考察
1. Fragment
全曲通して登場人物はリスティとラスティです。貴族の父と愛人の母を持つリスティは家の中で孤立しており、孤独に耐えられなかった彼女は自分の中にもう一人の人格を作り上げます。引っ込み思案だった自分とは正反対の性格を持つ快活なラスティ。彼女が生まれたことでリスティは救われますが、次第にそれだけでは物足りなくなり……、とそんな感じのストーリーですね。引っかかるフレーズは『胸の奥深くに刻まれた嫌な記憶』という歌詞。これは孤独だった頃の記憶、ってことだけなんでしょうか?やたら記憶という歌詞が多く、何か含むものがありますが……。『記憶の中に刻まれた皮肉』とはいったいなんでしょう。また、父親は彼女のことを無視していたようですが、愛人の母はどこへ行ったのでしょうか。そこが気になります。
ブックレットに載っていない台詞は『殺しちゃった』『いれなくなっちゃう』『助けて、助けてよ』と聞こえました。泣き声に混じって前後にもう1ワードずつありそうですが、上手く聞き取れません。
2 覚醒夜
リスティとラスティの対話シーン。1番がラスティ視点、語りと2番がリスティ視点、と捉えるのが妥当でしょうか。リスティがラスティの存在だけでは満足できなくなり、父親の愛を欲し続けたため、ラスティが正妻とその娘を殺害してしまう、という話です。気になるのは、リスティはラスティが正妻母子を殺害したという事実を本当に知らなかったのか、という点ですね。次の曲でも無邪気さを出し続けるリスティですが、頭の中でほかの人格を作り出してしまうような不安定さですから、もしかしたら全てわかっていて目を背けたのかもしれません。というかもしかしたら、空想の人格を作り上げたのは1度だけではないとか。
3. 孤独の果ての物語
正妻とその娘が消えたことで、日の目を浴びるようになるリスティですが、そのおかげで次第にラスティを不要に思うようになります。それを察したラスティが、今度はリスティを……という話。最終的には一つの人格が消え、一つの人格が残りましたが、それがいったいリスティとラスティのどちらなのかは不明、とそういうオチです。リスティの『神様はいたんだ』という台詞と、帯に書かれた『神様は異端だ』という台詞が対照的でいいですね。神様ってフレーズがあるところから、最後の人格が魔女になったのかも、なんて妄想すると皮肉的で面白い。たぶんそんなことはないと思いますが。





☆葬月エクレシア
■アルバム全体の登場人物
半精霊の少女【死亡】 ― #1~3、9~10
半精霊の少女の父である青年【死亡】 ― #5、8、10~11
精霊姫(アリス)【死体】 ― #8 (10)
ミルテ【死亡】 ― #2
クルファ【死亡】 ― #3
・エルザ ― #3
時計士【死亡】 ― #4
・時計士の恋人 ― #4
・大国の姫 ― #5
病気の母親【死亡】 ― #6
病気の母親の子【恐らく死亡】 ― #6~7

■時系列
・5. Sanctity⇒1. 黒雪に散る天人花⇒2. 十四行詩の輪環 ,3. 星降る夜…… ,6. 優しい雨音 (⇒7. 記憶の残像)⇒8. method ,9. 廃墟に響く刹那の叫び⇒10. 葬奏⇒11. period
・4. 忘却の鐘が響く前に のみ、時系列不明。

■考察
1. 黒雪に散る天人花
登場人物は盲目の少女(ミルテ)と少女を白の教会へと導く声(半精霊の少女)。ミルテは声に誘われるまま教会へ向かいますが、やがて雪の中で力尽きてしまう。これは単に体力が尽きた、ということなのか、それとも青年の目論見どおり生贄に捧げられたのかということなのか、微妙なところです。奪われた未来という表現から、ミルテは何らかの理由で失明し、半精霊の少女に唆されて教会へ向かったのではないかと思われます。黒雪というのは何かの比喩でしょうか?白亜の檻で出てきた死の病の原因、と捉えるのはさすがに突飛すぎるか。ミルテは全盲ではなく、光くらいは感じ取れていたため、白い雪が黒雪に見えたのではないか、とも思いましたが、periodでも黒雪の降りつもる情景が歌われているので、やはり異常現象ということなのだと思われます。最後の『あれ、もう死んじゃうの……?』という台詞はいかにもセクサリスっぽいのですが、前後の流れからこれは半精霊の台詞でしょう。
2. 十四行詩の輪環
登場人物は半精霊の少女。半精霊の少女が資格を持つ少女たちを白の教会に導いているところを歌った曲。選ぶ基準ですが、たぶん半精霊の少女は自分の意思で姿を消したり現したりすることができ、それを利用して(恐らく)孤児や困窮者に声をかけていたのではないかと思います。天使によって残された奇跡、というフレーズはラフィルを彷彿とさせますが、何か関係があるのでしょうか。ソロパートではぼそぼそと台詞が入っていますが、何を言っているのかは不明。最後は「いつか殺すわ(の?)」と言っているような?
3. 星降る夜……
登場人物はクルファとエルザ。クルファは母親が蒸発して行き先がなくなった孤児で、エルザはその友人。クルファは生活の場を求め白の教会を目指すことを決意するが、エルザはそんな彼女を心配し付き添いを申し出、二人で教会を目指すことになる。んで、無事教会へたどり着いたはいいものの、クルファはエルザとの別れに耐えられず、徐々に精神の均衡を崩していってしまう。クルファには精霊の声が聞こえたが、エルザには精霊が見えなったし、声も聞こえなかった。クルファはその事実を曲解して自分が選ばれた存在であると思い込み、エルザを見下すようになるほど歪んでしまう。結果、二人がどうなったのかまではわかりませんが、気まずくなったまま物別れに終わってしまったのではないかと思われます。エルザはまた会いに行くと言っていますが、この調子だとその約束は守られたのかどうか。それに、その後また再会出来たとしても、それはそれで……。
4. 忘却の鐘が響く前に
登場人物は時計士とその恋人。時計士に別れを告げられた恋人が凶行に走るという少女病王道のストーリーなんですが、精霊・教会について一切触れられていないため、これまでの流れからは少し浮いている感じがします。『二人の愛は永遠になったのだろうか?』という問いかけが全体を暗示しているということでしょうか。時計台が象徴の国、といえばイギリスが思い浮かびますが、この忘却の鐘はウエストミンスターチャイムのこと?
5. Sanctity
登場人物は大国の姫と優しい瞳の青年。姫様と平民の身分違いの恋という一般的な王道ストーリー。ポイントは、青年は天使が創ったとされる教会(=白の教会)を手に入れる目的で姫に近づいたと思われるものの、姫は自発的に青年を愛してしまったという点ですかね。気になるのは、二人の関係は青年が教会を手に入れた段階で切れてしまったのかどうかということなんですが、姫様は急速に離れていく青年に対して何もしなかったんでしょうか。惚れたものの負け、ということなのか。最後の『世界は続いていくよ、はじまりはここから』という台詞から、この曲が葬月エクレシアにおける一連の物語の起点であることが推測できます。
6. 優しい雨音
登場人物は病気の母親とその子。病気を治すために教会を目指す親子の話。『細い手』『日々の食事にも困る』という歌詞から、貧乏が理由で薬が買えず、救いを求めて教会を目指しているのだと思われます。親がどういう人物だったのかは判然としませんが、子に関しては、涙を零さないために笑おう、という歌詞から、とても健気な子であったことが伺えます。
7. 記憶の残像
前の曲の続き。登場人物は優しい雨音の子。『何もかも切ない思い出になった』『天国で安心して見てて』という歌詞からわかるように、母が病没した後のお話です。結局二人は間に合わなかったのか、間に合ったが天命が尽きてしまったのか、はっきりとはしませんが、子は母を亡くした後は教会で生活することになったようです。『私と似たような境遇の子』の中にはクルファがいると考えられますが、身寄りのない子がそれでしょうか?ほかにもどこか影のある子、少し感情の乏しい子が例に挙げられています。
8. method
登場人物はアリス(死体)と彼女を蘇らせようとしている男性。男性が教会の中で眠るアリスを眺めながら、これまでを振り返り物思いに耽っているシーン。男性は自身の目的のために少女たちを教会に集め、アリスを復活させるために彼女達を生贄に捧げようとしていることがわかります。話の流れからして、男性はSanctityの青年とするのが妥当でしょう。『色褪せずに時を止めた』という歌詞はアリスが人間以外の存在であることを示唆しているものと思われますが、これってただ単に仮死状態だったってことでしょうか?たとえ冬の国だとしても死体が腐敗しないのはかなり不思議ですが……。それにしても、何故アリスは眠りについたんでしょう。そもそも青年がアリスと出会い別れた経緯とは?そして、なぜアリスは教会の柩に収められたのか?色々謎です。
9. 廃墟に響く刹那の叫び
登場人物は半精霊の少女。大切な人に自分のことをしっかり見てもらえないことに寂しさを感じて生きていること、その人から愛してほしいことを心の中で訴えている曲です。『私に誰かの代わりはできない』『あなたが夢見る過去』『あなたの視線の視線の先にはいつだって私の姿などなくて』というフレーズから、これまでに登場している青年がその相手でしょう。つまり、青年が半精霊の少女を使って教会に少女を集め、それを犠牲にしてアリスを復活させようとしている、というわけですね。『もうすぐ全ては終わる』という歌詞が、この物語の結末まで予想したうえでのものだったのだとしたら、相当救われません。
10. 葬奏
登場人物は青年と半精霊の少女。いよいよ白の教会で少女たちを生贄に捧げ、アリスを復活させようとしているところ。ここで半精霊の少女が青年とアリスの子であることも語られます。少女病世界では娘が父親の愛を得られないことが非情に多いです。儀式の結果、アリスの体に再び魂が宿るものの、そこに吹き込まれたものはアリスの魂ではなく、生贄にされた犠牲者たちの魂だった。偽物のアリスは起き上がるやいなや半精霊の少女をその手で殺し、舌を噛み切って死んでしまう。当たり前のようにバッドエンドを迎え、『天使は、優しくなんてなかった』という台詞で物語は閉められます。相変わらず、救われません。
11. period
登場人物は青年。全てを失ってようやく自らの行為の過ちに気づいた青年は、失ったものを後悔しながら、やがて黒雪の中で息絶えます。救いのないお話が多い少女病作品の中でも、驚異的な死亡率の高さ。全く救いのない話ではありますが、最後の最後には現実と向き合うことができたのは、多少の救いになっていると言えるか。





☆空導ノスタルジア
■アルバム全体の登場人物
・イヴリィ ― #1~3
・美しさに嫉妬する魔女(=黒雪姫?) ― #3

■時系列
・1. refrain⇒2. 寂滅フレアー⇒3. 物語の消えた森

■考察
1. refrain
全曲通して登場人物は空導の姫君と呼ばれる記憶喪失の姫(イヴリィ)。記憶喪失前に犯した身に覚えのない罪や過ちを糾弾され、その度現れる罪の幻影に苦悩しながら旅をする彼女を歌ったストーリー。旅の目的がいまいちわかりませんが、少女病世界ではよくあることです。目下は記憶を取り戻すことだったのでしょうか?『罪に穢れ血に汚れ』という歌詞から、背負っている大剣は伊達ではなく、実際に戦闘に用いていたことが伺えます。ひょっとしたら傭兵のようなことをして生活していたのかもしれません。もしくは魔女の尖兵と戦ったりしていたのかも。この剣は誰かにもらったのか、それとも自分で手に入れたのか、所以はわかりませんが、大剣を振るい戦う姿は創傷クロスラインに出てくるシグを彷彿とさせます。ブックレットの星を見上げる姿もどこか被るので、意図的なものなのではないかと思います。
2. 寂滅フレアー
イヴリィが罪の幻影に苛まれている様子を歌った曲。『埋葬された悪夢は絶え間なく繰り返す 愚かな救い難き過ち』という歌詞が色々と示唆的です。記憶を取り戻すこともできず、覚えのない罪を咎められ続けることに耐えることもできず、終わらない弾劾に絶望したイヴリィは、自害して全てを終わらせようとしますが……。
3. 物語の消えた森
しかし、イヴリィは命を失うことなく、再度記憶を喪失した状態で目を覚まします。彼女は記憶を失ったことに戸惑いながらも、また旅を始める。『それは、若く美しい姫に嫉妬した魔女による呪い』とあるように、どうやらこれは魔女の一人の仕業だったようです。実際は何も罪など犯しておらず、ただ単に呪われていただけ、とそういうオチ。相変わらず胸糞悪い展開ですが、イヴリィは生きているのでまだ多少の救いがあります。
この段階ではあまり気にならない設定だったのですが、何気に魔女の存在が語られているのがポイント。今のところ、少女病世界で出てきている魔女は、シスフェリア・アイリーン・メリクルベル・そしてこの魔女で4人ですね(この段階では単なる比喩か、もしくは独立したエピソードだったのかもしれませんが……)。魔女たちがどんな目的や使命を抱えて生きているのかははっきりしてませんが、ただ他人に嫉妬するだけの俗物みたいな魔女もいるので、全体的にろくなものではなさそう。『ねえ、助けて』と最後に台詞がありますし、イヴリィ救済のエピソードはぜひほしいところです。そのうち魔女の物語の方で再登場するかもしれません。そのときには、イヴリィを助ける存在が現れればいいのですが……。このエピソードがどのあたりの時間軸に属するのかはわかりませんが、もしかしてレジスタンスの連中と関係があるのだろうか、と妄想中。





☆黎明ローレライ
■アルバム全体の登場人物
・物語を求める少女 ― #1~2、6、9~10
・黒雪姫(=美しさに嫉妬する魔女?) ― #3
幼い兄妹の幽霊(=アクトとキャミィ)  ― #2
隠者(ハーミット)【死亡】 ― #4 
・リゼッタ ― #4
・殺人者の男 ― #5
イヴ【死亡】 ― #7~8
旅人の青年【死亡】 ― #7~8

■時系列
・3. 黒雪姫 ,4. 魔法仕掛けのリゼッタ ,5. 絶対零度 ,7. rectitude(⇒8. もしも世界に答えがあるなら)⇒1. 古の残骸⇒2. meaning of death⇒6. I⇒9. 蒼穹に向けた透明な弾丸⇒10. Lorelei

■考察
1. 古の残骸
登場人物は少女。舞台は湖の岬に無数の墓標が佇む朽ちた村。ブックレットの表紙と取るべきでしょう。この村では死者に会えるという噂が流れており、少女は何かしらの目的を持ってここに来たようです。歌詞では死の先にあるモノを確かめに来たといっています。これは、この村にある無数の物語を知るためにやってきたと読み取れるので、以降は物語を求める少女と呼称することにします。彼女が死に取り付かれているのは何らかの後悔が原因であることが推測できますが、ここではまだ何故心を閉ざしているのかはっきりしない。ただし、押し殺していたはずの感情が、この村に来たことで再び揺れ動き始めているのは間違いないようです。
2. meaning of death
登場人物は物語を求める少女と幼い兄妹の幽霊。兄妹はこの村に迷い込んだ結果死んでしまったらしく、死後はそのままいついている様子。兄妹が持っている玩具箱にはたくさんの物語が保管されており、少女はその物語を読み漁っていく。この玩具箱というのはおそらく墓標のことだと思われますが、少女がやっているのは墓荒らし的な行為にあたるのでしょうか。んで、この兄妹が村の墓守のようなもの?『二人の恋物語』『認められぬ恋に酔い』という歌詞からこの兄妹は元々恋仲であったことが推測できますが、どうしてこの兄妹だけが意識を持っていられるのかは不明。『今も生きているフリをして』という歌詞があるので、生者でないことは間違いないようですが、これは比喩なんだがなんなんだかはっきりしません。この後も出てこないし、一体何者なんだろう……と思っていましたが、数年越しでまさかのスピンオフを果たしました。
3. 黒雪姫
登場人物は黒雪姫と呼ばれる王女。村に眠るエピソードの一つであり、過去話です。ある国の王女様が自分より美しいものを殺していくという、白雪姫に出てくる魔女がお姫様になったみたいな逆転ストーリー。黒雪と言われるとついエクレシアを彷彿としてしまいますが、あまり関係はなさそうです。アリスを殺したのが彼女だったりすれば面白いのですが……。まあそれよりも、黒雪姫が親に謀殺された後に生まれた白雪姫が、その後魔女になったという表現の方が重要かと。どういう経緯で黒雪姫の精神が妹に宿ったのかは不明ですし、彼女が5人の魔女に含まれているのかはまだわかりませんが、国が滅んだ後には黒い花の咲き乱れる深く仄暗い森が広がった、という歌詞と、自分よりも美しい存在を殺して回っていたという経緯から、彼女こそがイヴリィを呪った存在であると推測できます。
4. 魔法仕掛けのリゼッタ
登場人物は研究者の隠者(ハーミット)と魔法で動く機械仕掛けの人形リゼッタ。村に眠るエピソードの一つであり、過去話です。いずれ動きが止まってしまうかもしれないリゼッタのため、日夜研究を続ける隠者だったが、やがて彼は過労で倒れ亡くなってしまう。しかし機械であるリゼッタには死と眠りの違いが理解できず、隠者は疲れて眠っただけだと勘違いし、むしろ働きづめだった彼がようやく休んでくれたと喜び、彼がまた起きるまで一人待ち続ける、という相変わらず救いのないストーリー。ドラクエ7のエピソードを思い出したりしました。自分で作ったのなら寿命を延ばすことはできたんじゃないかなという気がするので、リゼッタの製作者は隠者ではなかったということでしょうか。誰かから譲りうけた?そうだとすると、製作者は誰なんでしょう。
5. 絶対零度
登場人物は一人の男。村に眠るエピソードの一つであり、過去話です。寒さに凍えていた彼は、不本意にも他人の命を奪ってしまい、その際に他者の返り血を浴びる。それによりはじめて暖かさを知り、震えが止まったことを優しさと錯覚した男が殺戮者として活動し始めた、という話が淡々と語られます。死亡の事実が確認できない珍しい人物なんですが、そのうち殺戮者として再登場したりするのでしょうか。それとも、既に登場していたりして。
6. I
登場人物は自らの境遇を嘆く少女。恐らく物語を求める少女と同一人物で、彼女の過去話にあたるエピソードです。一番最初に『ここから解放して』という台詞があり、少女の内にある救われたいという渇望を歌った曲となっています。『欲望で着飾った終わりなき夜』『捧ぐことを強要された日々』という歌詞から、これまで悲壮な人生を送ってきたことが推測できます。これが当たっていれば感情を殺していた理由も察せられるのではないかと。
7. rectitude
登場人物はイヴと呼ばれる余命幾許もない盲目の女性と旅人の青年。村に眠るエピソードの一つであり、過去話です。ある日偶然出会った二人は、愛し合う時間が長くないと知っていながら婚約し愛を誓い合った、と少女病には珍しいくらい純愛ストーリーです。ただし、二人は末永く暮らしましたとさ、とはならないのが少女病式。予定調和的にイヴを亡くした青年は、墓標の村の噂を聞き、再び旅を始めます。
8. もしも世界に答えがあるなら
rectitudeの続き。長い時間をかけて墓標の村にたどり着いた青年は、ついにイヴと再会する。しかし、次第に視力を取り戻していったイヴは、年老いた青年の姿を認められず彼を拒絶、青年は絶望して自害する、とrectitudeの展開を全否定するようなエピソード。青年を待ち続けているうちにイヴは精神を病んでしまったのか、それはわかりませんが、いずれにせよ青年を失ったイヴにも救いはないだろうと思われます。
9. 蒼穹に向けた透明な弾丸
登場人物は物語を求める少女。墓標の村で過去の物語を眺めてきた少女が、自分の現状を再確認して自身は本当に不幸な存在なのか、誰よりも救いのない人生を送ってきたのかと、自問自答する様子を歌った曲です。『哀れな死者の最期を覗きこんだことで 自分が少しでも救われたか?』『そんな気持ちですべてを俯瞰してみたけどただ情けなくなるばかり 声にならず』とあるように、多くの物語に触れたことで、たくさんの人々が救いのない、不幸な人生を歩んでいることを知り、不幸なのは自分だけではないと認識を改めた、ということではないかと。『誰もが痛みを抱えている』『誰もが不安を抱えている』という歌詞が印象的。これは、少女が自分の痛みだけでなく他者の痛みも認識した、ということだと思います。
10. Lorelei
登場人物は物語を求める少女。墓標の村の名前がローレライであることが明かされます。全体をまとめると、本来ならば少女はローレライで死ぬはずだったが、ローレライでたくさんの物語(=人生)を知ったことで、まだ生きてみることを決めた、というストーリーなのではないかと。ローレライは精神的な空想の場所なのか、それとも実在の場所なのか、最後まではっきりしませんが、私は両方の意味を持っているのではないか、と推測します。『ねぇ、聴いてLorelei』という歌詞をどう解釈するのか、その捉え方次第で答えは変わる。『どこへ逃げたってこの痛みは消えない』という台詞がとても前向きでいいですね。少女の知った死の先にあるモノは、繰り返し再生される生。『君が出した答えは?』『私は、ここから』という台詞で曲は終了。彼女はここから再び歩み始める、つまり彼女の再生が始まる、ということでしょう。





☆蒼白シスフェリア
■アルバム全体の登場人物
シスフェリア ― #1~3
・幼馴染の少年 ― #1~3
シルエラ ― #3

■時系列
・1. 瓦礫の終音⇒2. lunatic…⇒3. Celestial Blue

■考察
1. 瓦礫の終音
全曲通して登場人物は少年とシスフェリアとシルエラ。少年とシスフェリアは幼馴染であり、シスフェリアとシルエラは主従の関係となります。少年は魔女になり姿を消したシスを追いかけて旅をしており、ようやくその足取りを掴んで会いにきたが、シスフェリアは魔女となり血に塗れた自分の姿を見せることに耐えられない。彼女はシルエラに少年を追い返してもらうよう頼むが、シルエラは特別扱いされる少年への嫉妬に狂い、殺意を持って少年を退けようとする、というストーリー。シスフェリアがシルエラの性格に対して無頓着だったからなのか、それとも自分の命令くらいは聞いてくれると思ったのか、いずれにしても迂闊なことこの上ないですね。自分の手駒くらいしっかり把握しておけよと。設定で気になるのは、シスフェリアは魔女になったことで何か変わったのか、ということですね。魔女になると劇的に自分の性質が変わってしまったりするのでしょうか。例えば精神的に無感動になったとか、抑え切れないほどの破壊衝動を抱えてしまったとか。それともただ単に、異能を理由に迫害されたんですかね。それがきっかけになって、世界の間違いを正さずにはいられなくなってしまったとか、もしくは持ち前の優しさから困っている人を助けずにはいられなかったとか。力を手に入れる経緯が語られていないのでなんともいえません。その他、少女病世界を補完する世界観説明があります。冒頭では、世界には5人の不死なる魔女がおり、それはそれぞれが異なる神に選ばれた存在である、と語られています。ポイントは、この時点で魔女は5人いるってことですね。過去にはそれ以上いたのか、そもそも魔女は何故誕生するのか、理由はよくわかりませんが、この時間軸に5人存在するのは間違いない様子。
2. lunatic…
シルエラの狂気を歌った曲です。シルエラは自身の無力と幼稚を知りながら、少年を排することでシスフェリアからの愛を手に入れようとする。しかしそんな思惑は上手く運ばれることはなく、逆に少年を庇ったシスフェリアを刺してしまう、という流れ。これって恐らく、シスフェリアが少年の動向を見守っていたからこそできた芸当だと思うんですが、そんなに心配ならシルエラにやらせるなよと言いたい。まあ、そもそも顔を合わせたくなかったのだから仕方ないのですが……。殺そうとするシルエラと身を守ろうとしていただけの少年の間でどれくらい実力差があったのかはわかりませんが、シルエラは幾度もその身を血で汚しており、多数戦闘経験があったと思われるのに対し、少年は前の曲で変わらぬままの瞳と歌われていることから、自衛目的以外では人を傷つけたりしなかったのではないかと推測されます。もちろん、シスフェリアの贔屓目であった可能性もありますが。
3. Celestial Blue
シルエラに殺されかけたところをシスフェリアに救われた少年は、白雨の降り敷きる丘で目を覚ます。シスフェリアは少年に、自身との思い出が消える魔法と、少年が幸せに生きられるように願いを込めた魔法をかけたが、少年にとってその二つは両立しなかったため、魔法は互いに反発し合い効果を発揮しなかった。少年はシスフェリアが魔女になって何をしていたのか、その顛末を知っている節がありますが、それを理由にしてシスフェリアを諦めたりしなかったようです。この物語が終わっても少年はシスフェリアを追い続ける覚悟を決めており、実際この後も彼女を追い続けるのでしょう。創傷クロスラインで発足した対魔女戦線とは、上手くかみ合わない存在なのではないかな、と思います。シスフェリアは今後もシルエラと二人で行動しているようですが、彼女達は独自の拠点を持っているわけではないのでしょうか。少なくともアイリーンは自身の城を持っているわけだし、そうなのだとすれば彼女は魔女の中でも特異的な存在なのだと思います。魔女とは結局どういう存在なのか、そのうちはっきり明かされるといいですけど。ついでに書いておくと、少年の記憶を消す魔法が有効ではなかったことから、魔法とは決して万能ではないことも示されています。そもそも、この世界観における魔法って、どの程度のレベルのものなのかがはっきりしません。聖遺骸のことを思えば、特殊能力は存在しているのでしょうが……。





☆慟哭ルクセイン
■アルバム全体の登場人物
ルクセイン ― #1~3
黒狼【死亡】 ― #1~3

■時系列
・1. 虚空に消えるFairy tale⇒2. Innocent Sin⇒3. 分かたれたセカイ(⇒1. 虚空に消えるFairy taleの序盤部分)

■考察
1. 虚空に消えるFairy tale
全曲通して登場人物はルクセインと黒狼。家族への不信感から家出したルクセインと、人語を理解するがために群れから放逐された黒狼が、孤独者同士で友達になった、というストーリー。黒狼が人語を理解できるどころか、言葉を話せることに、どんな理由があるのか不明ですが、それなりに裏設定がありそうです。あとはルクセインの家族への不信がいったいどのようなものだったのかも気になります。イラストではシンプルな服装だし、金持ちの家の出ではないと思いますが……。また気になるのが、彼のCVがセクサリスと同じという点です。これには何らかの意図を感じずにはいられません。ルクセインという名前は、光のluxと存在のseinをかけあわせた造語じゃないかと思うんですが(和訳すると、光あれ?)、発音だけであたりをつけたので、正しいのかどうかは不明。なんとなく的をはずしているような気もします。なんでドイツ語なのかというと、北欧神話的な関連ではないかというとってつけた理由があるのですが、やっぱりなんだかこじつけっぽいですね。
2. Innocent Sin
成長期のルクセインは、森の果実だけを食べて生活することに耐えきれなくなり、黒狼を騙して村を襲わせ始める。最初は全く迷いや罪悪感がなかったわけではなく、生きるためには仕方ないと自分にいい聞かせながらやっていたようですが、家族への不信感が一周して人間への憎悪に繋がったのか、次第にルクセインは黒狼を武力として濫用し始めます。黒狼は多少の疑いを抱きながらも己が疑問を追求することはなく、むしろルクセインを疑ってしまったことを謝り、最後までルクセインに付き添います。
3. 分かたれたセカイ
ルクセインはいつもどおり黒狼を利用して村を強襲しますが、しかし近域には黒狼への警戒網が引かれており、ルクセインは衛兵に捕らえられしてしまう。黒狼はルクセインを助けに向かうも、衛兵を傷つけることはできず、逆に返り討ちにあってしまう。このままではルクセインともども死んでしまうと思ったのか、黒狼はルクセインに感謝の言葉を告げた後、彼との無関係を装い一人絶命する。『その叫びは果てることなく、けれど、きっともうどこにも届かない』とあるように、ルクセインの今後を決定付けたストーリーです。ルクセインは今後何度も登場して物語の根幹に関わってきますが、この事件は彼の中に強い影を落としており、そのせいで上手く立ち回ることができないでいます。この歌詞のとおりならば、今後も彼は救われなさそうな気がするのですが、果たしてその過去を贖罪できる瞬間は訪れるのか。






☆告解エピグラム
■アルバム全体の登場人物
・リストカットしたフィーナ ― #1~2、(6?)、7~10
・執事(=エフティヒア) ― #1~2、7~9
・仮面の女性たち(フィーナの可能性) ― #2、7
・役者のフィー(ナ) ― #3
・リィサ ― #3
・父親と良好な関係を築いたフィーナ ― #4
・余命数日の父親 ― #4
・メイドになったフィーナ ―#5
・双子の少女 ― #5
・病気と診断されて薬漬けにされるフィーナ(=創傷クロスラインに登場?) ― #6
・遠い血縁を名乗る女(=メイメイ) ― #6
・男性と結ばれ子供を生んだフィーナ ― #7、9
・老婆のフィーナ(#6の末路?) ― #8

■時系列
※3~7はパラレルワールド・もしくはただのIF物語である可能性があります。

...⇒1. 忘れ去られた神聖四文字⇒2. 少女は悠久に沈んで⇒

   3. Double Cast【可能性】
   4. 冬の星座【可能性】
 ⇒ 5. 双子少女のみる夢は【可能性?】
   6. 無為な羽音が壊した明日【現実?】
   7. 錆びない言葉と錆びない指輪(前半)⇒9. エフティヒア(前半)【可能性】

⇒7. 錆びない言葉と錆びない指輪(後半)⇒8. セカイの調律した祈り⇒9. エフティヒア(後半)⇒10. fine

■考察
1. 忘れ去られた神聖四文字
登場人物は古い館に迷い込んだ少女(フィーナ)。前半部分ではいろいろと意味深なことを歌っていますが、考え始めるとキリがないので、その辺のことはとりあえずおいておきます。曲の終わり間際になると、古い館に迷い込んだ少女、フィーナが登場。フィーナは目を覚ますといきなりここにいたようで、何故ここに迷い込んだのかわからず困惑する。館から出ようにも扉は不思議な力で閉ざされており、館の住民は誰もが仮面をつけていて顔がわからない、とどこか現実感に欠ける設定になっています。
2. 少女は悠久に沈んで
登場人物はフィーナと館の執事。フィーナは執事からこの館が告解の館と呼ばれていることを知る。仮面を被った女たちは何らかの理由でここに住んでいて、フィーナは彼女たちになぜか強い嫌悪感を覚えながら、彼女たちは誰なのか、どうやったらここから出られるのか、何故自分はここにいるのか、矢継ぎ早に疑問を重ねます。しかし、彼女たちはそれには一切応えてくれず、ただ静かに自分たちの物語を語り始める。フィーナはただ出口を求めていたはずが、次第にその物語に引き込まれていきます。あなたはいつだってここから出られるはずなのですよ、と執事が笑っていることから、フィーナは自分の意思でここにきたはずなのに、その理由を忘れてしまっていることが推察できます。
3. Double Cast
登場人物はフィー(ナ)とリィサ。ダブルキャストの演劇者として高い評価を受けている二人ですが、どちらかといえばリィサの方が評判がよく、二人はある日その噂のことで喧嘩をしてしまいます。翌日、そのことに傷ついたのか、フィーは熱を出して寝込んでしまう。その日登板を予定していたフィーの代わりに舞台に出たリィサは、不幸な事故に見舞われて昏睡状態に陥ってしまう。フィーは舞台に出なかった自分のことを責め続け、その心労からか歌を歌えなくなってしまい、舞台から降りて裏方へと回ってしまう。数年後、小間使いとして働いていたフィーは、ある日舞台の上から流れてくるリィサの歌声を聞く。フィーは誘われるままに舞台に上がり、リィサと一緒に歌い、歌うことの楽しさを思い出す。これがフィーの見た幻想だったのか、単なる神秘体験なのか、それとも本当にあったことなのかはわかりませんが、リィサはフィーが歌う楽しさを思い出したのと同時に、息を引き取ってしまう。フィーはリィサのために、そして自分のために再び舞台に立ち、また歌を歌い始める。10分もの長さを誇る曲だけあって、1曲分の内容とは思えないほど濃厚なストーリーになっています。神に選ばれたヒロイン二人、と最初にあるのですが、これはあくまでも比喩であり、この後魔女になる、ということではないと思います、たぶん。むしろ引っかかるのは、途中で、魔女の力でも借りればあるいは、と非現実的な慰めをかけさえして、という歌詞。ここの表現は、魔女が人間に力を貸すわけがないという荒唐無稽さを歌っていると取るか、そんな幻想を持ち出すなんて馬鹿げているという意味で歌っていると取るか、判断が分かれそうですが、もし魔女が実在しない世界なのであれば、非科学的なという表現になる気がしますので、やはりこのエピソードでも魔女は存在しているのではないか、と思っています。
4. 冬の星座
登場事物は余命数日の父親とその娘(多分フィーナ)。死の床にある父親を見守りながら、娘が父との思い出を回想している曲です。要約すると、お父さん、素直になれなくてごめんなさい、という凄く直球な曲なので、語ることがあまりないのですが、気になるのは母親が出てこないことですかね。まあ、少女病で両親そろって登場する曲が滅多に存在しないんですけど……。大体片親です。
5. 双子少女のみる夢は
登場人物は双子の少女とメイド(=フィーナ)。フィーナから善良に生きればより良いモノに生まれ変わると教えられた双子は、子供じみた残酷さで捕まえてきた蝶を押し潰し、これでまた強くなって生まれ変わると喜ぶ。双子たちの行為は留まることを知らず、次第にエスカレートしていき、最後には病床にあるフィーナをナイフで刺し貫く。あくまでナイフで刺した、と歌われているだけなので、フィーナが死んだかどうかは不明です。普通に考えれば、純粋培養された少女の力でさくっと刺されたくらいじゃ死なないのではないか、という気がしますが、それでも何らかの心の傷を負ったことは間違いないでしょう。
6. 無為な羽音が壊した明日
登場人物はフィーナと遠縁の少女。個人的にはこのアルバムの中でもっとも興味深い曲。フィーナが薬漬けにされて少しずつおかしくなっていく様子を歌っており、ここでの彼女は現実と幻想の境界があいまいになるほど記憶が滅茶苦茶になってしまっています。記憶なんてただの記録、ってlainですか。フィーナは薬漬けになっており、少女から新しい記憶を植えつけられているため、何が本当で何が嘘なのか、あまり参考にはならないのですが、少女のせいで(おかげで?)フィーナはある強烈な体験を記憶から消されてしまい、その副作用で何が本当で嘘なのかわからなくなってしまった、ということなのではないかと思います。見てはならない凄惨な赤、っていうのは自分が刺されたことなのか、誰かが刺されたということなのか、それとも全く違うことを指しているのか。彼女が私を締め上げる記憶との関連性も気になります。あとは、遠い血縁を名乗り医師を装って少女はやってきたようですが、彼女はどうやってフィーナのことを知ったのか。そもそも、本当にフィーナは病気だったのか。後半のネタバレになりますが、この少女とは魔女の一人であるメリクルベルの従者メイメイであり、どうも狙って彼女を薬漬けにしたみたいなんですが、彼女たちのターゲットになってしまった理由がわかりません。精神的に脆弱な女の子を愛でる魔女、とか?
7. 錆びない言葉と錆びない指輪
登場人物はフィーナと仮面の女たちと執事。前半部分では女性と男性の愛を語っており、後半部分では、これまで館で聞かされてきた物語が全てフィーナの可能性のお話で、仮面の女達は自分のあり得た姿だった、というネタばらしをします。フィーナは自殺未遂をし、生死の境界である告解の館で目覚めたらしいです。1曲目の、救いなんていらない、という台詞はフィーナの最期の言葉だったと。何故自殺を図ったのか、その理由は最後まで語られないのですが、恐らくろくな理由ではないでしょう。
なお、歌詞カードは前半部分のみ歌詞が黄色になっており、他の部分とは差別化されています。
8. セカイの調律した祈り
登場人物はフィーナと老婆(フィーナの可能性)と執事。老婆が抱く世界への憎悪が垂れ流されており、老婆がお前はアホですぐ間違うのだから辛い目に逢う前にさっさと自殺しなさいとフィーナに訴えている曲です。未来の自分から過去の自分への警告という、これまたなかなか興味深い内容。それは罪悪感の現れなのか、それとも自分自身の望み故なのか、色々邪推できますが、『自分に償いたい』『悲劇を絶とう』という部分こそ老婆の本意であり、これは心からの警告なのではないかと想像します。『最悪の物語を終えて』という表現があることから、どういう結末を迎えたフィーナなのか、とても気になりますね。ちなみにこの曲、歌詞の表現も結構変わっています。『無に還る崇高なるその扉』とか、『擬似的な天球はその役割終焉るだろう』とか、『序詞で止まった福音を焼き尽くして』とか、『新約は生まれない』とか、『旧約は崩れゆく』とか。フィーナの可能性を解釈に例えているのだと思いますが、面白い表現だと思います。
9. エフティヒア
登場人物はフィーナと可能性の彼女と執事。前半の歌詞カードの文字は黄色になっており、7曲目との繋がりを意識させる仕組みになっています。前半では恋人を失いながらも子を産んだ女性の姿を、後半ではフィーナと執事の関係のネタばらしをします。館の執事=フィーナの子(として生まれる可能性を持つ人物)=エフティヒアです。エフティヒアはギリシャ語で幸福のことだそうです。全ては可能性の話、という結末ではありますが、少なくとも、フィーナが幸せになれる可能性を知っただけで、この物語はハッピーエンドだったと言えるのではないかと。人は幸せになることもできれば、不幸せにもなれる、ということを等量に示しています。ただ、どうもその道は、相当か細いように見えるのですが……。
10. fine
登場人物はフィーナ。たくさんの可能性を知り、無数の未来の形を知ったフィーナは、その手に生を握り締め、館を出ていきます。何かを吹っ切ったかのような前向きなメロディーが印象的です。珍しいくらい希望に溢れた結末であり、だからこそこのアルバムを好きな人が多いのではないでしょうか。ここから先のフィーナについては、まあ……また別のお話ということで。
死の黒鍵、生の白鍵という表現が出てきており、これはセクサリスの曲名でもあるのですが、どれくらい関係があるのか不明。思い返してみると、『架空の物語はいつだってあなたの傍に』『創世の詩 幾千の聖句』『歪みはやがて空へと至り』など引っかかる表現は多々あります。8曲目の老婆も『空を見るな』といっていますし、何か意味があるのかも。





☆残響レギオン
■アルバム全体の登場人物
・アイリーン ― #1~2、6、8~9
ルーク【死亡】 ― #2~4、7~10
ミリア【死亡】 ― #2~4、7~10
フランチェスカ ― #4、6~11
レスター【死亡?】 ― #6
ルクセイン ― #5、7~8、10

■時系列
・6. recollection⇒2. 十三月の不確定なドール ,1. 深紅のエヴェイユ⇒3. 偽物の夜に誓え反逆者⇒4. 未完幻想トロイメライ ,5. 黒衣の放浪者⇒7. Legion⇒8. 終幕症候群⇒9. 真実の解放⇒10. 残響⇒11. Secret Track

■考察
1. 深紅のエヴェイユ
登場人物は魔女アイリーン。自分の城に監禁している人間に対し虐待を繰り返して壊す、という残酷な遊戯に耽る魔女が、退屈な日常に飽き、新たな遊戯を始めようとしているシーンを歌った曲。シスフェリアに続き、具体的な名前の出た二人目の魔女ですが、残忍な加虐趣味を持っている人物であるということが歌詞から読み取れ、シスフェリアの善性とは180度異なった性質を備える人物であることが示されています。どの歌詞も不吉を煽るような表現ばかりであり、これから始まる物語には絶望しかないのであろうということを嫌でも感じさせられます。途中で『目をそらさないで 物語がはじまるよ』とセクサリスらしき人物の台詞で釘を刺されますが、実際思わず目を背けたくなります。ストーリー以外では『この世界では決して等量に降り注ぐことのない光の雨』という歌詞が気になるところ。光、祝福、つまり幸せの総量は予め決まっている、ということでしょうか?その一因が魔女にある、と捉えるのはさすがに穿ちすぎか。あとは魔女同士での繋がりって存在しているのかどうかが気になりますね。シスフェリアは他の魔女に対して何の行動も起こさないのか、とか。別にシスフェリアの行動原理が世直しだとは思いませんが、あの性格からすればアイリーンのことを放っておくとは思えないのですが……。それとも、魔女同士には不可侵条約みたいなのがあるとか?もしくは、これは時間軸において過去の物語だとか。それかただ単に、世界が広くて魔女はお互いの情報までは耳に入ってこないとか。謎は尽きません。
2. 十三月の不確定なドール
登場人物はアイリーンの城で囲われる少年少女たち。アイリーンに虐待されながら生きている彼らの多くは既に心を折り諦めていますが、中には立ち向かう精神を失っていない者も残っており、一部の人間は脱出の機会を待ってひたすら今を耐え忍んでいる。これはそんな彼らが心の中で牙を研いでいる様子を歌った曲です。アイリーンのイラストは外見からして男装の麗人、という感じなのですが、あれはどうも自分の趣味らしく、攫ってきた少女達は全員短髪にして男装をさせているようです。この歌からアイリーンは美しいものが大好きだということがわかりますが、彼女は美しさに嫉妬したりせず、むしろ美しいものは隷属させて最後には壊すという価値観のようなので、イヴリィに呪いをかけている魔女とは別人と推察できます。というか、ただ美少女に嫉妬して不幸に陥れるだけの彼女とは相反する性格であり、むしろこの二人の魔女は対立する関係にあるような気がします。
3. 偽物の夜に誓え反逆者
登場人物はルークとミリア。アイリーンの城に囚われていた少年と男装の少女が城から脱出する話。二人はいつか城に残ったほかの仲間を助けることを誓いながらも必死に逃げます。逃走劇の始まりを描いたお話です。ちなみに、魔女の奴隷には烙印があり、どうもその烙印がある人物=魔女の所有物ということになるようです。魔女は畏怖されながらも畏敬されるような存在らしいので、基本的に市民は魔女に協力的なのでしょう。魔女の統治がどのようなものなのか、具体的には語られていませんが、おそらく恐怖政治なのだと思われます。
4. 未完幻想トロイメライ
登場人物は声を失った少女・フランチェスカ。彼女も魔女の被害者であり、双子の兄が自分の代わりに連れ去られた時から恐怖で声を出せなくなっています。路頭に迷った彼女は富豪の館で下働きをして生活していたが、ある日魔女の烙印を持つルークとミリアを見つける。彼らは慌てて逃げ出すが、兄のことを聞きたかったフランチェスカは仕事を捨てて彼らのことを追う、というストーリー。とてもわかりやすく、含みもない流れなので特別言うこともなし。アイリーンが彼女を生かしたのは、単純に生かしたほうが愉快だったからだと思いますが、連れて行かなかったのは外見が好みではなかったから、ということなんでしょうか。うるさかったから殺そうとしたのはわかるんですが、しゃべらなくなれば関係ないでしょうし……。終盤で再会した時も、フランチェスカのことを忘れていたわけではないようですから、監視だけはしていたとか。最後のそっけなさは、彼女がどう生きようとあんまり興味はなかったということなのか、それとも意識的にそう答えているだけで、彼女の生き方次第ではそのうち殺そうと思っていたのか、どっちでしょう。
5. 黒衣の放浪者
登場人物はルクセイン。黒狼を失ってから放浪を続けていたルクセインが、旅の途中に立ち寄った地域で、アイリーンが黒狼を無理やり使役しているという噂を聞き、それを助けるべく行動を始める、という話。イラストで見るとそこまで年を取っているようには見えないのですが、それでも数年くらいは経っているのでしょうか。歌詞の随所から、あれからルクセインはひたすら後悔だけを重ねて生きていたことが感じ取れます。気になるのは、ルクセインはただあちこちの国を流浪していただけだったのか、それともルクセインが語らないだけで、誰かを助けたりしてきたのか、ということ。今回の話に至るまでずっと無気力だったのは間違いないのでしょうが、なんだかんだでお人よしなので、余計なことに首を突っ込んでは失敗する、ということを繰り返していたのではないかと想像してしまいます。ルクセインの旅は贖罪が目的のようですが、今のところ具体的な目的地はないみたいですね。『白夜の果てにまで連れて行こう』という歌詞は、比喩的表現なのか、それとも直接的表現なのか、どっちでしょう。もしかしたら、この世界には白夜の果てに関する伝承や伝説があって、そんなところは現実にはないと思いつつも、他に目指す当てがなく、それを調べる旅をしているのかもしれない。この国から得るものはなにもない、という表現は、人生経験的な意味合いとも取れますが、情報的な意味と捉えることもできるのではないかと。いや、私がそう解釈したいってだけなんですが。白夜の果てと言われると、空想白夜を彷彿とさせられますが、関係はないかな。あの常冬の地域がルクセインの辿り着くべき場所、とかだったりすると面白いんですけど。
6. recollection
登場人物はフランチェスカとその双子の兄レスター。フランチェスカが声を失う経緯が改めて語られます。家族で幸せに暮らしていたフランチェスカだったが、ある日突然アイリーンが現れ、幸福な日常は崩壊する。両親を殺され、レスターを連れ去られ、一生分の悲鳴を上げたフランチェスカは声を失ってしまう。声くらい失ってもおかしくないだろうと納得のいく展開です。アイリーンには幸福感知センサーでもあるんですかね?わざわざこの家庭を訪れる理由がわからないのですが、レスターが美少年であるという噂でも立っていたのでしょうか。
7. Legion
登場人物はルーク・ミリア・ルクセイン・フランチェスカの4人。無言で泣きながら追ってくるフランチェスカに業を煮やしたルークとミリアは、誰かに密告される前に彼女を殺して口を封じてしまおうとする。そこにルクセインが合流、フランチェスカの失声状態にも気づき、4人は情報交換を行う。結果、4人は小さなレギオンとなり、アイリーン打倒のために行動を開始する、というストーリー。次の話に至るまでの前日譚といった内容のため、特に語ることがありません。
8. 終幕症候群
前の曲の続きであり、登場人物はルーク・ミリア・ルクセイン・フランチェスカの4人とアイリーン。アイリーンの城に乗り込んだ4人は、敵を殺さず無力化しながら仲間達の囚われる部屋へ向かうが、その扉は不思議な魔力で閉ざされており開かず、レギオンはアイリーンを殺して開けることを決意、ルクセインがアイリーンにナイフを突き刺ます。このシーンで引っかかるのは、ルクセインが刺し殺したのは本当のアイリーンだったのか、そもそもここでアイリーンは死んでいるのか、という点です。不死なる魔女といえど絶命せざるをえない、という歌詞はどういう風に捉えればよいものか。魔女は一度命を失っても、死んだ後に蘇るということ?うーん、わからない。そうだとすれば、この後のストーリーには本当に救いがないと思うのですが……。
9. 真実の解放
前の曲の続き。登場人物はルーク・ミリア・ルクセイン・フランチェスカの4人とアイリーン。ルークたちはついに仲間を助け出した。ルクセインはそれを羨望の目で眺めながら、黒狼を救出した後黙って姿を消す。カッコつけでヒーロー気取りのルクセインですが、後日この行為を強く後悔することになります。再会を喜び合う仲間達ですが、仲間達はルークとミリアの顔色が悪いこと、体が冷たいことを心配する。存分に不吉感を煽った後、死んだはずのアイリーンが再登場、壮大な悪意の裏にあった物語の真相を語り始める。ルークとミリアが遊戯に耐えられず既に死んでいること、二人を復活させたのは生き残っている子供達を絶望させるためだったこと、彼らの行動は全て手のひらの上だったこと、それどころかアイリーンの意思の下動かされていたこと、そしてレスターもとうの昔に死んでいることを、嬉々として語り聞かせてくれます。ルークとミリアは死体に戻り、フランチェスカは真実を告げられて茫然自失の状態となるという、悪趣味極まりない結末。レスターが死んだといっているのはアイリーンだけで、死体は誰も見ていないということに一縷の望みを託したいのですが、この世界観でやっぱり彼は生きてました、って展開はないでしょうね……。
10. 残響
前の曲の続き。登場人物はフランチェスカ。告げられた残酷な真実にただ呆然として空を眺めるフランチェスカ。彼女の精神が壊れていく様子を淡々と歌った曲です。その後、フランチェスカは復讐を誓い城を去ったのだと思いますが、しかしアイリーンは本当にフランチェスカには興味がなかったんですね。城から出て行こうとするフランチェスカを殺さず、何をするでもなく放っておいたわけですから。それとも、彼女がこれから歩む不幸の道を思って生かしたのかもしれません。どっちにしろ、フランチェスカには耐えられないことであろうと思います。
11. Secret Track
初回版のみ収録のボーナストラックです。登場人物はフランチェスカ。魔女への、そして神への復讐を誓った彼女の決意を歌った曲になります。深い絶望により、フランチェスカの声が戻ったことも語られています。加えて、『見ていて、セクサリス』と彼女自身が言っているように、セクサリスの存在を認識しているような節があります。フランチェスカはどうやってセクサリスの存在に気づいたのでしょう。セクサリスから語りかけた、ということはない気がしますが……。この世界の信仰対象に、セクサリスという存在があるとか?この曲だけではよくわからないのですが、初回版についているセクサリスの見た風景という特典に少しヒントが記されています。これはブックレットのイラストにセクサリスがコメントしているというものなんですが、これを読む限り、セクサリスにはセカイの終わりでなら会える、ということらしいです。どうも、特別な能力が必要というわけではない様子です。しかしここで引っかかるのが、セクサリスは世界が滅んだ後に生まれる存在であるはず、という点。少女病世界の話は、全てが終わった話のはずなのですが……?




☆灰色のトランジェント(metaphor)
■アルバム全体の登場人物
シルエラ(幼少時) ― #2
シスフェリア ― #2

■時系列
・2. 灰色のトランジェント⇒蒼白シスフェリアへ

■考察
2. 灰色のトランジェント
登場人物はシルエラ。蒼白シスフェリアで登場したシスフェリアの従者です。何故彼女があれほど妄信的なのか、蒼白シスフェリアに至った経緯が語られます。幼少時のシルエラは孤児院で生活しており、養親に引き取られるのを待つ日々を過ごしていた。孤児院の仲間たちが1人、また1人といなくなる中、ついに自身も引き取られることが決まる。ただし、その身請人は多数の少女の肉体を繋ぎ合わせて理想の愛玩人形を作ろうとしている変態野郎であり、シルエラは大人たちの話を盗み聞きして身請人が自分の眼球を求めているだけだということを知ってしまう。この孤児院が設立された真相を知りシルエラは憤るが、彼女は何もかも虚しくなり、結局何もせずに諦めてしまいます。あとは引き取られるその時を待つだけだったが、ある日シスフェリアがやってきて、孤児院の大人と変態野郎を全て殺してしまう。シルエラは無言で去ってしまったシスフェリアを追いかけ、一生彼女についていくことを決心する。これがシルエラがシスフェリアを妄信する理由です。ただ、『ここからはもはや戻れない』という歌詞から、シルエラは助けられたことに対する責任感と義務感から、シスフェリアについていっているだけなのかもしれないなあ、と思いもしました。
なお、metaphorはタイアップのため恐らく少女病世界には関係ないだろう、とします。かなり抽象的でぼかした表現が多いため、絡めることもできないわけではないと思いますが……。





☆聖骸メロフォビア
■アルバム全体の登場人物
アナスタシア ― #1、5、8、9
・カタリナ ― #2、9~10
・アーニィ ― #2、9
・グラハド ― #8、9
・ミーア ― #3
・アミ ― #3
旅をする詩人【死亡】 ― #4、6
・セリル ― #6
・斡旋屋の老婆 ― #6
・詩人の妻レイラとその子2人 ― #6
・未亡人とその娘 ― #7

■時系列
・3. Little Friend ,4. 虚構歪曲リリシスト (⇒6. 不確定蜃気楼は灰色の街の片隅で),7. プレゼント⇒2. 花冠の幼王が背負いし枷⇒1. 忘我に揺れる孤高の花⇒5. Rusty Red(⇒1. 忘我に揺れる孤高の花)⇒8. ノットイコール⇒9. 偽装聖女に因る潜在的幻想⇒10. Platonic Colors

■考察
1. 忘我に揺れる孤高の花
登場人物は聖女アナスタシア。深い絶望に沈みながらも再び立ち上がった少女が、何らかの目的を持って力を追い求め、聖骸の眠る廃墟へとたどり着いた、というストーリー。この聖遺骸は、5神との争いに敗れた神の遺物、ということでしょう。『神の名を継ぎし者』と歌詞にあるように、名がある神もいるらしいということは間違いないようですが、他の5神にも名前があるのかどうかは不明。アナスタシアはどこでこの聖遺骸の存在を知ったのか、というかそもそもこの聖遺骸が安置されていた場所はどこなのかが気になります。少女病世界がそもそもどれほどの広さなのかわからないし、地名自体ほぼ出ないので、これだけではなんともいえません。世界図的なものを公開してもらえないものでしょうかね。
2. 花冠の幼王が背負いし枷
登場人物は幼王カタリナとその従者アーニィ。このアルバムはミラシュカという国が舞台であり、地名が具体的に語られている珍しいケースです。カタリナは音楽を聴くと酷い頭痛に苛まれる音楽恐怖症(メロフォビア)という奇病に罹っており、それを治療すべく医師を招いては診察してもらうが、一向に病気が治る気配は見られず、その度カタリナは苦悩します。侍女のアーニィは、これは心の病なのではないかと推察し、カタリナに音楽の素晴らしさを知るために音楽に纏わる物語を読ませ始める。音楽が聞けないくらいで何なの?って思う人もいるかもしれませんが、人間社会と音楽の結びつきはなかなか馬鹿にできないものがありますし、その苦悩は大いに察します。そもそも他者と違うということだけで、結構な苦痛が生まれることは想像に難くありません。気になるのは、これがただの生まれつきだったのか、それとも後天的な病気だったのか、ということですが、理由までは語られていません。
3. Little Friend
登場人物は体の弱い少女ミーアと捨犬のアミ。先天的な心臓病のために長生きできないと言われて育ったミーアは、自分と同じような、自分よりも酷い境遇にある子犬を拾う。同じ弱さを抱える二人は友達になり、一緒に歌を歌いながら過ごしていたが、ある日ミーアは心臓の病気で倒れてしまう。周囲に誰もいない状況で、足の悪いアミは痛みをこらえて医者を呼びに行く。その懸命な献身のおかげでミーアは一命を取り留めたが、代わりにアミは死んでしまう、というストーリー。恐らくアーニィが集めた歌に関する感動的なエピソードの一つです。たとえ会話することはできずとも、二人はルクセインと黒狼のような関係だったのではないかな、と思います。ミーアのいう劇場は、ダブルキャストで出てきたあの劇場だったりするのかな、なんて思ったりしました。
4. 虚構歪曲リリシスト
登場人物は旅の詩人。海路を辿る詩人が故郷においてきた家族を想い詩を詠んでいるという話。なんで詩人がわざわざ旅に出てまで出稼ぎしてるのかは引っかかりますが、とりあえずそれはおいておいて、彼が聞かせようとした『冒険譚や魔女の切ない物語』がとても気になりますね。後者がシスフェリアの話だったとしたら、やはりシスフェリアのエピソードは昔の話なんでしょうか?それとも、最近あった出来事、ということ?
5. Rusty Red
登場人物はアナスタシア。タイトルにラスティとついていることから覚醒ノエシスとの関連を疑ったりもしましたが、特に妄想できるところはありません。廃墟で神の聖遺骸を手に入れたアナスタシアは、他人の感情が旋律として聞こえるようになり、他人の感情と行動を見通せるようになる。アナスタシアは先導者を求める民を信奉者として集めて煽動しながら、ミラシュカのカタリナに目をつけ、彼女に聖遺骸を触れさせることを画策する。『遺伝子がゼロから書き換えられた』とあるように、元々はこんな性格ではなかったのではないか、と想像できます。『どんな所業に手を染めたとしても 彼女にはそれを咎めてくれる者は現れない もう誰もいなかった』という歌詞が痛々しいですね。誰か彼女に保護者がいれば、こうはならなかったであろうと示唆しているように感じられます。それにしても、暗示めいた稚拙な言葉をアナスタシアに語りかけているのはいったい誰なんでしょうか?そして、週末への時計を持ってその時計を回し続ける者とは?あとは、他人の感情が読めるくらいで預言なんてできるもんですかね?と疑問に思ったり。他人の行動の先読みくらいはできるだろうと思いますが、それだけで煽動者として活動できるもんなのか。それと、能力のオンオフはできるのかどうか。この能力の有効範囲も気になります。周囲数メートルくらいは感情が読み取れたんでしょうか。
6. 不確定蜃気楼は灰色の街の片隅で
登場人物は天涯孤独の青年(セリル)と斡旋屋の老婆、詩人の妻(レイラ)と子2人の家族。13分越えの大作です。舞台は貧困に窮する街。セリルは生きていくために殺し屋になるが、その優しさ故に上手く依頼を果たせず、そのうちよくある便利屋として扱われるようになってしまう。ある日、斡旋屋に新たな仕事を与えられたセリルは、ある家庭で父親のフリをするという不思議な依頼を受ける。レイラにとっては再婚相手だった詩人の男は、長い旅に出て帰ってこないままであり、家族を支えるためにレイラは体を売ってまで暮らしていた。父親のフリをしながらその家庭で生活していくうち、人と触れ合う暖かさを知ったセリルは、半ば無理やり彼女に仕事を辞めさせるくらい、彼女とその子供たちへ情が移っていく。幸せの中にいたセリルだが、ある日彼は元々ここにいるはずだった詩人の男が戻ってくるという噂を聞いてしまう。自分の居場所が再びなくなることに耐えられないセリルは、詩人を無言のうちに刺し殺します。家族のためにこれからも頑張ろうと心を決めるセリルだが、実のところ父親のフリをするように依頼したのは子供2人であり、子供達は母親のことを想ってもっと稼げる男を見つけようとしただけであり、子2人はセリルのことなんて都合のよい金づるだとしか思っていない、というかなりエッジの効いたストーリー。エッジが聞きすぎて視聴者のハートもフルボッコです。虚構歪曲リリシストの詩人は子供たちの父と取るべきでしょうね。そして子供達は彼を殺してもらうためにセリルを上手く使った、と。人を殺す感情は愛か狂気、みたいな少女病ではオーソドックスな話かと思われます。なんて嫌なオーソドックスだ。イラストの右下に描かれている、だいすきなかぞくの絵に、3人しか描かれていないのが怖すぎます。良くできている曲なんですが、しかしこのアルバムに何故このストーリーがあるのかは少し疑問。音楽はそんなに関係ないし、そもそもハッピーエンドではないし、あまり前後と繋がっていないような……?
7. プレゼント
登場人物は夫を亡くした母と娘。娘を学校に行かせるため仕事に打ち込む母と、そんな母との距離が開いていくことに悲しさを覚えている娘。母から教えてもらった歌を広場で歌い、少しずつお金を稼ぎ、誕生日にそれを渡す。ただ、二人一緒に休むために。心が洗われるような美しい曲です。むやみに人が死なない、という少女病では奇跡的なバランスで構成されています。
8. ノットイコール
登場人物はアナスタシアとミラシュカの摂政・グラハド。公的身分を求めるアナスタシアが、王位簒奪をたくらむグラハドと共同してカタリナを王位から引きずり下ろす計画を立てているシーン。感情を見通せるアナスタシアにはグラハドの野心、アナスタシアへの不遜など丸分かりであり、実に茶番めいたやり取りとなっています。それにしても、アナスタシアはどういう話をグラハドに持ちかけたのでしょう?まさかアナスタシアが自分は他人の感情を見通せる、と教えたわけではないでしょうし……。呪いのアイテムに触れればカタリナは死ぬ、みたいな感じで話を持っていったとか?うーん、はっきりしない。まあグラハドは感情を見透かされるくらい小物感溢れる人物だし、適当に抱き込んだのかもしれない。といっても、アナスタシアはアナスタシアで無理して背伸びしている感じがするので、どっちもどっちか。最後の『罪がないことさえ大罪のように思える』『これは嫉妬?違う、過去の自分への――』というセリフからは、かつてのアナスタシアは無知で無力であり、そしてアナスタシアはその頃の自分を全く好んでいない、ということが推測できます。
9. 偽装聖女に因る潜在的幻想
登場人物はアナスタシアとグラハド、カタリナとアーニィ。アナスタシアがカタリナに聖遺骸を献上に来たところを歌った曲です。カタリナに聖骸を触れさせて目的を達したアナスタシアは、あんなものは悪魔の聖骸だと言い捨てて燃やしてしまいます。カタリナが正気を失うことを期待していたアナスタシアだったが、予想外なことにカタリナは頭の中にメロディーが流れても平気な様子で立ち上がる。聖骸の持つ本来の本質とは、触れた者の望み次第で全く異なる力を授けるというものであり、カタリナに与えられたのは、アーニィから聞かされた物語の音楽が聞こえるようになる能力だけだった。それを見たアナスタシアはいったい何を思ったのでしょう。『白い感情には白い奇跡を、か』と呟きながら城を去るアナスタシアが実に弱弱しい。平和すぎる国、という言葉は額面どおり受け取ると平和ボケしているミラシュカへの侮蔑ということになるでしょうが、この場面においては少なからぬ羨望も混じっていたのだろうと思われます。あとは意図的なのかどうなのか、最後まで聖遺骸がどんなものなのかは写されなかったのが気になりますね。燃やされた聖遺骸は、いったいどんな形をしていたのでしょうか?
10. Platonic Colors
登場人物は成長したアナスタシア。メロフォビアを克服したカタリナは、ミラシュカで善政を敷き続け、いつしか陽王と呼ばれるようになった、というストーリー。これまでのアルバムと比較しても極めて前向きな物語でした。願わくば、今後もミラシュカに魔女が攻め込んでこなければよいのですが……。





☆紅蓮に穢れしモノ(unleash)
■アルバム全体の登場人物
ライザ【死亡?】 ― #3

■時系列
・3. 蒼を受け継ぎし者(偽典セクサリス)⇒3. 紅蓮に穢れしモノ

■考察
3. 紅蓮に穢れしモノ
登場人物は蒼を受け継ぎし者のライザ。ライザは死なせてしまった妹達との再会を求め、滅ぼした自分の国に天へと届くほどの塔(おそらくバベルがモチーフだと思われます)を建設するが、落成したその日に天変地異が起こって塔は崩壊、ライザもいずこかへ消え去ってしまう、というストーリー。蒼を受け継ぎし者の最後を補完した内容ですね。若き亡国の王とあるように、ライザは自分の国を滅ぼすほどに生贄を捧げ、ついには双子の妹をも死なせてしまった、ということだったようです。妹の死に関しては、『乞われ壊れ奪った最愛の命』という歌詞だけだとライザが直接手を下したかどうかわかりませんし、途中には『戦火の果て』とありますので、双子の妹は自分の国に戦争を持ち込んで幾千の流血を求めた結果、戦争に巻き込まれて死んでしまった、と捉えたほうが自然かもしれません。少なくとも、ライザは今でも妹たちを最愛と思っており、彼女たちを失ったことを後悔している様子。ライザが不死であるという表現は、呪いで物理法則から外れたことを指しているのか、それとも比喩表現なのか、はっきりしませんが、セクサリスが最後に本当に死ねたのかなあ?と含むように嗤っているところから、どうも前者な気がします。今後また再登場しそうな気配。セクサリスといえば、パッケージ裏には塔を見上げているセクサリスと十字の墓標が描かれているのですが、これはローレライとの関連性を示唆していたりするのでしょうか。
残り2曲はタイアップなので省略しますが、これまた少女病の世界観と絡めようと思えばいくらでも絡められる内容のように思います。ゲームをやっていれば、また感じ方が違うのでしょうか……。





☆創傷クロスライン
■アルバム全体の登場人物
シグ【死亡?】 ― #1~2、4、6、8
カナリア(記憶喪失)【死亡?】 ― #4、6、8
・ミリリ(5年間の記憶あり) ― #1~3、5~6、8~9
ルクセイン ― #5、7
アナスタシア(=フランチェスカ) ― #1、7
メイメイ(=遠縁の少女) ― #1、6、8~9
フィーナ ― #9

■時系列
・1. Resistance⇒2. フェザースノウ⇒4. 初恋リセット ,3. 眠り姫と夢の空想儀⇒5. 浮遊黒猫と楽団装置⇒6. 運命性トライアングル⇒7. 運命旋律の共鳴する丘⇒8. 感傷ロストライン⇒9. 廃園イデア

■考察
1. Resistance
登場人物は大剣使いの少年シグと弓使いの少女カナリア。対魔女戦線と呼ばれるレジスタンスに属する戦災孤児たちが、アナスタシアの名の下に勢力を拡大していく様子を歌っています。まだまだ大した規模ではなさそうであり、神に選ばれた存在である魔女に逆らう集団として全く民衆の支持を得ていないようですが、それでもそこそこの戦果はあげていそうな感じです。魔女は残虐非道とはいえ、それゆえに畏敬や信仰を集めているようだから表立った支持を得られないのはやむをえなさそうですが、国家単位で魔女の存在を敵視しているところくらいあってもよさそうなんですがね。あと最初の方では魔女の使命を受けて薬品をばらまいている少女が登場してきますが、彼女こそ今回の黒幕だったりします。
2. フェザースノウ
登場人物はシグとカナリア。幾度も行動をともにすることで淡い恋心を育む二人だったが、ある日カナリアは唐突に過去の記憶を失ってしまう。まさに急転直下の悲劇。少女病の恋愛はけして実らないというロジックでもあるんでしょうか。最後の鴉の鳴き声が静かに不気味さを煽っています。
3. 眠り姫と夢の空想儀
登場人物はこれまでのカナリアの記憶を持ったミリリという少女。これまでカナリアの中で生きてきた彼女は、5年近く眠ったままだったミリリという少女の肉体で目覚める。両親からはその記憶は夢だと諭されるも、聖女の率いるレジスタンスの噂を聞き、ミリリはいても経ってもいられなくなる。しかし、彼女にはこれまでのように弓を引くことはできず、思ったような動きが出来ない。それでもミリリはシグに会いたい一心で、レジスタンスの下へと向かいます。
4. 初恋リセット
登場人物はシグとカナリア。5年間の記憶を失い、まるで子供のようになったカナリアに兄扱いされながら、二人で星空を見上げるシグ。流れ星を見上げる二人のシーンはルクセインと黒狼、もしくはイヴリィの姿を彷彿とさせます。特にイヴリィは大剣使いである点が被っているため意味深です。シグは二人の思い出が失われたことを悲しみつつも、また新たに二人で絆を作っていくことを誓う。最初は兄妹でもいい、またいつか恋人同士になれたのなら、と淡い期待を抱いて。カナリアは幼児化したことに加え、不眠症も抱えますが、これがどういうことなのかいまいちわかりません。きっと魔女の仕業なのだと思われますが……。
5. 浮遊黒猫と楽団装置
登場人物はミリリと黒衣の放浪者(ルクセイン)。ミリリはシグに会うために旅を続けていたが、ろくな食事も取れなったせいで意識が朦朧とするほど披露していた。それを助けたのがルクセインです。彼はかつて自分が助けた少女が、人として誤った道を歩んでいることを正しに来たと語ります。決して道を間違っていけない、というセリフが印象的ですね。ルクセインにとっての願望そのものだと思います。ルクセイン自身が間違えているし、かつて助けた少女も道を間違えているし、ついでに言うとミリリも道を間違えます。これは一種呪いのようなものなのかもしれません。
6. 運命性トライアングル
登場人物はシグとカナリア、そしてミリリ。半年をかけてカナリアとの新しい関係を育んでいたシグだったが、ついにそこへミリリが合流してしまう。元カノと今カノ、みたいな話で済めばいいですが、当然そんな簡単な話ではないわけで、3人の関係は輪をかけて面倒くさいものになっていきます。これを見てほくそ笑んでいる女はいったい誰なのか、その答えは感傷ロストラインで。
7. 運命旋律の共鳴する丘
登場人物はアナスタシアとルクセイン。これまで少女病作品を追ってきた人からすれば大きな見所の一つになるかと思います。ルクセインはどこかでアナスタシアの噂を聞き、彼女に会うべくここまでやってきたようです。ルクセインの語った、かつて自分が助けた少女が道を違えてしまった、というのはアナスタシアのことであり、つまりフランチェスカのことです。ルクセインはいったいどこでその事実に気づいたんでしょうね。容姿の噂だけではわからないような気がするのですが……。ともあれ、メロフォビアでも十分仄めかされていましたが、フランチェスカ=アナスタシアが確定しました。この曲は、彼女とルクセインが再会し、あの時無言で城から立ち去ったルクセインが、フランチェスカから彼らの顛末を知るというくだりです。なんともいえない表情をしたルクセインのイラストがたまりません。メロフォビアでのアナスタシア関連については、全てを失った代わりに声を取り戻したフランチェスカが、魔女と神への復讐を果たすべく神の遺物を探して放浪していた、というストーリーだったわけです。当然、もう道を違えることはしないと誓ったルクセインはその事実を知って相当に絶望したでしょうが、正直に言って、あそこでルクセインが残ったからといって物事が万事上手くいった、なんて都合のいい展開はなかったと思います。結局ルークもミリアも最初から死んでいたわけで、彼らに対して何が出来たわけでもないだろうし、一人旅で上手くやっていけている以上、ルクセインの技量はそこそこのものだと推察されますが、それでも魔女を倒すことは困難だったでしょう。だから彼の存在の有無が展開に影響を与えたとは考え難いのですが、それでもフランチェスカとしては、ルクセインという縋れる存在がいればそれだけで十分救われたのではないかと思います。ルクセインと兄を重ねてしまったくらいなのですから、彼女からすれば辛いときにこそ傍にいてほしかっただろうし、ルクセインと二人で痛みを共有できれば、フランチェスカはここまで歪まずに済んだことでしょう。その後悔もあってか、ルクセインはアナスタシアに協力する、というところまではいかずとも、傍で見守ることを決めたのでしょう。といっても、内心ではこんなことはやめてほしいと思いつつ、お人よしのルクセインはフランチェスカを手助けするのではないかと思いますが。そもそも、やり方には賛同できない、ってことだから、魔女を倒そうとする意思自体は認めているのかもしれません。最後の彼女のセリフは、そして、全てが終わったら、私を――と言っているように聞こえますが、その先は、私を殺して、でしょうか?最後に黒狼のことを思い浮かべているあたり、実にルクセインらしいと思いますが、フランチェスカのためを思って残った、というのは間違いではないかと。ちなみに、イラストだとルクセインはあまり成長している感じがしないんですが、このときはまだ青年期くらいでいいんでしょうか。だとするとレギオンで二人が分かれてからはそれほど時間が経っていない?また、Rusty Redでフランチェスカに語りかけてい存在はセクサリスなんでしょうか?そこでフランチェスカはセクサリスの存在を知った?だとすれば、レギオンでのシークレットトラックは、この後の話、ということになりそうですが。共鳴して観測者を語るものとは視聴者のメタ表現?五つの穢れた残骸は魔女のことと推測できますが……。
ここまでの経緯から、少女病世界で高いプライオリティがおかれているのは、ルクセインとフランチェスカの二人、ついでシスフェリアとライザ、ということになるのではないかと思われます。ただ、後者の話に関しては、どうも過去話のように感じられるので、これから先どう関わってくるのやら。
8. 感傷ロストライン
登場人物はシグとカナリアとミリリ。場面は変わって、戻ってきたミリリとカナリアとの関係にシグが苦悩するシーンが歌われています。懊悩に沈むうちシグも不眠症になってしまい、カナリアとシグは更に距離を縮めていき、ミリリはそれに絶望する、という悪循環極まれりな状況。そこにメイメイという女が現れて、カナリアが死ねばシグの隣にいられるのはミリリになる、と誘惑してきます。ミリリは悩みながらも誘惑を振り払おうとするが、背中合わせの二人を見つけたことで、理性が決壊し、メイメイからもらった毒入りの睡眠薬をカナリアに渡してしまう。カナリアは喜んでそれを口にするが、ミリリにとって誤算だったのは、カナリアがその薬をシグにまで分け与えてしまったこと。やがて二人は寄り添うように眠りにつき、ミリリはそれを見て発狂する、というストーリー。これぞ症状病と言わんばかりに救われない展開に仕上がっています。少女病は恋愛が絡むとろくなことにならないということを確信させてくれます。いやむしろ、この世界の根底にあるルールが、そうなっているということなんでしょうか?
しかし……それにしても、フランチェスカは指揮官としての才能は0みたいですね。部隊の中核を担う人物にメンタル面でのフォローが一切ないとは……。というか、感情読めるんだから不信人物くらい見つけておけよと言いたい。それとも、レジスタンスの管理は別の者に任せてしまっているとか?もしかしたら、そもそも子供たちのことはあまり頼りにしていないのかもしれない、ということも考えられます。それか魔女の不思議パワーでメイメイの感情には不穏なところが見つからないとか?いずれにせよ、自分で集めた部隊くらいきっちり管理しとけよと思います。これも全てルクセインが悪い。
9. 廃園イデア
登場人物はメイメイとフィーナとミリリ。メイメイがフィーナと茫然自失状態のミリリをつれてメリクルベルのところへ帰還しようしているシーンを歌っています。ここでようやく第三の魔女の名前が出ます。シスフェリア、アイリーンに続く魔女の名はメリクルベル。もっとも残虐な魔女はアイリーンといったな、あれは嘘だ、と言われてもおかしくない展開が繰り広げられそうで、今から心が痛くなります。それか、もっとも残虐な魔女は確かにアイリーンだが、もっとも性悪な魔女はメリクルベルだ、みたいな展開かもしれない。いずれにせよ、ろくでもないことに変わりはありません。もちろん、部下のメイメイがろくでもないだけで、メリクルベルはとってもいい奴かもしれませんけどね。シルエラとシスフェリアみたいな歪んだ関係かもしれない。……自分で言ってて虚しくなるくらい、全く信じられませんが。んで、フィーナです。このイラストからはリストカットした痕が見えないのですが、結局エピグラムは『無為な羽音が壊した明日』だけが現実の話だった、ということでOKなんでしょうか。むしろ、リストカットしようとして死に掛けたフィーナが可能性の一つだった?エフティヒアはフィーナが告解の館に辿りついたのは自殺を図って生死をさまよったからだと語っていましたが……。世界の調律した祈りの老婆は、この後のフィーナの末路の一つ、ってことでしょうか。自分に贖罪したいという言葉は、これから先、彼女の人生が過酷そのものであることを暗示していたりするんでしょうか。だとしたら嫌だなあ。シグとカナリアが本当に死んでいるのかも疑問。ただ単にミリリのせいでシグが死に掛けたってだけだったりしませんかね……?





☆深閑セグレート
■アルバム全体の登場人物
アクト(=meaning of deathの双子の兄) ― #1~3
キャミィ(=meaning of deathの双子の妹) ― #1~3
・兄妹の母(存在のみ) ― #1~2

■時系列
・1. 退廃を撃ち落として(の後半?)⇒2 レーゾンデートル・コンフリクト⇒3. conjuction(途中で 退廃を撃ち落としての前半が入る?)⇒黎明ローレライ

■考察
1. 退廃を撃ち落として
全曲通して登場人物はアクトとキャミィです。黎明ローレライに登場し、ローレライの少女に物語を提供してくれた幼い兄妹達の生前の物語。序盤で『昔話をしようか』と言っていますが、この相手はまさにローレライの少女、だったりするんでしょうか。ローレライで亡霊になっている時点で色々とお察しですが、深閑セグレートは彼らの日常が崩壊していく様を歌ったお話となっております。今までありそうでなかった近親相姦がテーマとなっているストーリーです。この曲は全体的に明確な表現がない(というか出来ません……)ため、実際のところはどうなのかわかりませんが、恐らくは前半部分が事後、後半部分が事前、という住み分けになっているものと思われます。露骨に書けば、前半が(精神を病んでいた?)母の死後、情事にふける兄妹の姿を歌っていて、後半が母から虐待を受けて壊れていく妹と、それを眺めて日常が崩壊する予兆に陶酔している兄の姿を歌っている。『神に背いたとて 誰が二人を裁けるの?』『神を憎んだとて 誰もワタシを裁けない』というフレーズからは、魔女の存在を否定する傲慢さを感じ取ることもできますが、これはどちらかといえば常識的な倫理観の否定と捉えたほうが素直ですね。
何気に一番衝撃だったのは、ローレライでは『幼い兄妹の幽霊』と歌われていた彼らが、いざこうやってイラストに起こされてみると、そこそこの年齢に達していたということだったりします。声の調子と無邪気な態度から、妹の方は5~10歳くらいを想定していたのですが、これどう甘く見積もっても13~15才くらいですよね……。さすがにこれを幼いというのは難しいような……。子供じみた稚拙な愛情関係だったと思っていたら、もっと生臭い関係だった、という事実に対し、どんな表情をすればいいものか、反応に困ります。
2 レーゾンデートル・コンフリクト
キャミィとアクトと母の3人が穏やかな日常を送っていた頃を回想する、キャミィ視点のお話です。この時点でキャミィは母親からの暴力を受けながら生活していますが、それでもキャミィは母が優しかった頃に戻ってくれることを願い、信じている。しかしある日、母とアクトがまぐわっているのを見たとき、その望みがいかに愚かしいものだったかを悟ります。その先の崩壊はもはや必然、ナイフを手に取ったキャミィは明確な殺意を持って母を刺し殺す。不幸な日々を送りながらも健気に幸せを願っていた少女が壊れてしまうまでを歌ったストーリーになっています。気になる点は、なぜ母親がおかしくなってしまったのか、というところでしょうか。その契機については一切語られていませんが、やはり父親が不在であるあたりが気にかかります。元からおかしかった、というわけではなさそうだし、何らかの理由がありそうなものですが……。実際のところ、アクトもかなり頭がおかしい部類に入るので、彼が色々と唆したという線も十分にありえます。深閑セグレートでのアクトは語り部扱いであり、彼の異常性の始まりについては一切触れられていませんので、元からおかしかったのか、途中でおかしくなったのかがわかりません。
3. conjuction
前の曲の続き。母を殺して壊れてしまったキャミィとアクトが心中するまでを歌ったお話です。彼らの死については予定調和であるため意外性はないものの、当たり前のように死んでしまうアクトのことは少しだけ空恐ろしかったり。展開上、キャミィがアクトに依存することは理解できるのですが、アクトに関しては明確な何かをしたわけではありません。だというのに彼は壊れたキャミィへと心中を促します。実は最初からそれが目的だったんじゃないのかと疑いたくなるほど、ごく自然に。アクト⇒キャミィの愛があったことは間違いないと思いますが、彼は自分の欲望を叶えるために、かろうじて維持されていた日常を崩壊させたのでは……と想像しています。





 まとめます。私がほぼ間違いないであろうと確信できた作品毎の時系列は下記のとおり。

偽典セクサリス⇒

 ⇒紅蓮に穢れしモノ

 ⇒深閑セグレート⇒黎明ローレライ(黒雪姫のエピソードだけかも)⇒空導ノスタルジア

 ⇒灰色のトランジェント⇒蒼白シスフェリア

 ⇒慟哭ルクセイン⇒残響レギオン⇒聖骸メロフォビア⇒(告解エピグラム)⇒創傷クロスライン



  ⇒覚醒ノエシス

  ⇒葬月エクレシア



⇒偽典セクサリス⇒???


 こんな感じ。わかったような、わからないような……。覚醒ノエシス、葬月エクレシアはどのあたりに当てはまるエピソードなのか、まったく想像がつきません。というか、それぞれのエピソードは時代がある程度重なっているのか、それとも全く異なるのかもはっきりしません。もしかしたら数十年・数百年単位でずれているの可能性もあります。今度の設定資料で年表が公表されれば嬉しいなあと思います。


 以上です。考察というより妄想みたいなものなので、チラシの裏を晒すかどうかかなり迷いましたが、せっかくのネタなので晒してみました。アルバムを聴くにあたって参考になれば幸いです。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントありがとうございます。
言うまでもなく解釈の多様性は少女病世界の魅力の一つでもありますので、例えば言葉遊びを掘り下げていくと意外な発見があったりして驚かされます。特に告解エピグラムは仄めかしや比喩が多めなので、その傾向が強めですね。「fine」については単純に音楽記号の「終わり」、アルバム内での物語の〆を示しているものと受け止めてしまいそうですが、それ以上に含みがあると考えると、なんというか、ますます気落ちしてしまいそうになりそうです。
しかし、創傷クロスライン発売からもう2年も経つとは……。そろそろ、新譜が出てほしいところです。

世界観が深くてびっくり.....おもしろかったです。参考になりました!
私的に告解エピグラムで気になっている最後の曲「fine」についての意味なんですが、fineってフィーナの心情を指していて明るい感じなのかなって思ってたんですけど、fineには罰金っていう意味もあるみたいで、おや?と。お金はまあ変ですが、ストーリー中に、誰に償うのか?誰が償うのか?って言葉があるので、もしかしたらfineは償いっていう感じの意味じゃないのかな...って思いました。創傷クロスラインと繋がってハッピーエンドが一気にバッドエンドに落ちちゃったのはさすが少女病ですね笑

No title

コメントありがとうございます。いつの間にやら1年前の記事になっていましたが、未だに閲覧があるようで、何よりです。

>白亜の檻の少年=Karmaの隻眼の少年
この考えは思いついていませんでした。お恥ずかしい話、白亜の檻の少年と母親は、白亜の檻においては死を明言されていないものの、遅かれ早かれ死んでしまうもの、と思い込んでいましたので……。その後、病気が治るという可能性は頭に入れていませんでした。確かに、死の病と歌われてはいても、不治の病とまでは言っていませんし、何かのきっかけ――例えば魔女の奇跡、治療薬の完成など――で、少年の病が完治する、という展開もありえます。
もし仮に「白亜の檻の少年=Karmaの隻眼の少年」だとすると、引っかかってくるのは何故少年は世界を「薄汚れた」と感じるようになったんでしょう、というところです。病気のことがありますので、「残酷な」とか「理不尽な」とかいった表現であればなんとなくわかりますが、病気が治って檻の外に出れたのに、薄汚れている――しかも、目を抉るほどに強くそう感じてしまったのは、いったい何故なのか。
この「薄汚れた」という言葉については、人間の腹黒さ・醜さ・浅ましさといった暗黒面に対し言っているものと思っていましたが、ひょっとして、単純に病に塗れている世界のことを指していたりするのでしょうか。……ちょっと苦しいですね(苦笑)。ただ、もし視覚的に障害が発生した、という意味だったりすれば、少しは通るのかな、と思ったり。


さて、これは追記となりますが、未だこの記事へのアクセスがあるようだったのが嬉しかったので、アップし損ねていた深閑セグレートの項を追加してみました。もしよろしければ、こちらもご一読いただけると幸いです。

No title

ネットをウロウロしていて辿り着きました
久々に偽典セクサリスを聴いて気づいたのですが、Karmaの少年は、白亜の檻の少年のその後ではないでしょうか
Karmaで語る「七色に見えていたガラス細工」は、白亜の檻で歌っていた「七色のガラス箱」とイコールに聞こえるのですが、どうでしょう?

ありがとうございます。

metaphor含め、タイアップの曲はなかなか意味深なフレーズが多いですし、ダブルミーニングが施されていてタイアップ先と少女病世界とで両立できるように作られているのではないか、とも思ったのですが(「十字を切れ 不在の神に」「さあ跪け 架空の神に」という歌詞がとてもそれらしかったし、そもそもタイトルが暗喩ですので)、明確に関連付けされている作品があるのならそちらを優先しようと思い、あれこれ書きませんでした。あまりこじつけっぽくなってしまうのもよくないなあ、と思ったので……。
ただ、ご指摘頂いたとおり、十字とクロスラインが偶然一致しているだけと捉えるのもなんだか不自然な感じがするので、やっぱり繋がっているかもと考えた方が自然かもしれません。もしくはあの十字が繋がりを示す暗喩という意味だったりするのかも、ですね。

良い考察!

とても参考になりました。
丁寧な考察で考えるのが楽しくなってきます。

思ったのですが、創傷クロスラインとmetaphorってつながってるんじゃないかなと。
たしかmetaphorの歌詞ブックレットに十字の絵がありましたし、
歌詞に「互いに背を預けあうキミの手を取る」ってあったので……。
シグとカナリアの心境?みたいな曲とか思ってます。
けれどやはりおっしゃる通り抽象的な部分が多いので考察しにくいですね……。

No title

ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです。

感謝ですヾ(*´∀`*)ノ

ものすごく参考になりました!
ありがとうございますo(`ω´*)o゙
プロフィール

SAIN455

Author:SAIN455
漫画、ラノベ、ゲームなどのネタバレ感想記事を書いています。ネタがあるときはコラムみたいなものも書きます。あとアマゾンアソシエイトに参加してます。以下定型文。「このブログはAmazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
検索フォーム