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サモンナイト3 感想

 PSPソフト サモンナイト3の感想です。ジャンルはファンタジックシュミレーションRPG。今は亡きフライトプランが開発しており、ブランドカラーに沿ったキャラクター性重視の作品となっております(なお、PSP版のエンジン開発はフェリステラという会社が請け負っていますが、ここは旧フライトプランのスタッフが設立した会社であるため、ほぼ同一会社によるものと認識して差し支えないかと)。端的に申し上げますと、ギャルゲーもどきです。ファイアーエムブレム、ディスガイア、スーパーロボット大戦等々と同じく、それぞれ個性を持った等身大ユニットを育成しながら、ターン交代制のマップをクリアしていくタイプのゲームであることには変わりないのですが、その他にヒロインや友人の好感度・友好度を上げて個別エンディングを目指す要素が盛り込まれており、随所にオタク臭の漂うギャルゲー風味な作品であるため、硬派な戦略シミュレーションを求めるタイプの方には向かないかと思われます。

 ストーリー。軍人を退役し家庭教師になった主人公が、生徒を連れて移動中の船を海賊に襲われて謎の島に漂流し、魔力できた剣を巡る物語に巻き込まれていく、というもの。主人公の性別はプレイヤーが選べます。ギャルゲープレイ、オトメゲープレイのどちらでも選択可。今作はシリーズモノですが、過去作品とは世界観が同じだということくらいで、登場キャラクターはほぼ一新されており、ストーリーのつながりもあまり大きくないので、今作からプレイし始めても全く問題ありません。というか、時系列でいうと3が一番古い話になるため、むしろシリーズ初体験するにはふさわしい作品なのではないかと。システム的な意味でも3以降の方がよく出来ていますし、今回の移植で更にシステムが良くなっているので、心置きなくオススメできます。世界観は長くなりそうなので短めに。舞台はリインバウムと呼ばれる中世ちっくなファンタジー世界です。召還術と呼ばれる能力で召還獣と呼ばれる存在を呼び出し使役する召還師たちが主なメインメンバーとなります。

 キャラクターは誰も彼も可愛らしいです。キャラクター性的にも、イラスト的な意味でも。特に光るのがイスラ・ビジュ・ヘイゼルあたりの敵サイドのキャラですかね。サモンナイトは(というかフライトプランは)マスコットキャラの可愛さもさることながら、キチガイキャラもいい味出しているのがいいのです。いやまあ、正確にはキチガイ違いますが。特にヘイゼルの立ち位置には当時かなり驚かされました。

 BGMや主題歌に関しては視聴済みなのでパスするとして、システム面について。メディアインストールがないということで、レスポンスがかなり悪いのではないかと危惧していましたが、システムは想像していたよりもずっと軽くてロードも速く、予想より遥かにストレスフリーなゲーム環境として仕上がっていました。ゲームシステムは最初に書いたとおり、ユニット育成・ターン交代制・升目有りマップを攻略するタイプのSRPGです。システムには世界観を反映しており、攻撃方法には物理攻撃以外にも召還魔法が加えられています。召還術は絶対に相手方からの反撃を受けない優れものであり、上手く運用することで攻略難易度をグッと下げてくれます。攻略マップにはそれぞれ個性があり、高低差次第では移動・攻撃ができなかったり、やっかいな障害物がプレイヤーを邪魔してくれたり、一筋縄ではいかないこともしばしば。ギャルゲー要素として、チャプター最後のマップ攻略後には夜会話と呼ばれるミニイベントが用意されています。夜会話は仲間キャラを任意で選択して好感度・友情度を上げるためのものであり、それが一定値まで達するとめでたく個別エンディングを迎えることができます。夜会話もエンディングもそこまでボリュームがあるわけではなく、1イベントにつき4~5分程度の短めな代物なので、それ目的だけで何周ものプレイに耐えられるかはわかりませんが、毎回同じエンディングをみるよりは全然いいですし、主人公の性別が異なればエンディングも異なったりしますから、ちょっとしたご褒美としては十分かな、と思います。

 あとは気になる追加要素について。新規イラストはかなり丸っこく柔らかい絵柄になってますね。アティ先生とか特に悩ましい感じになっています。明らかに別人ってほどではないし、そこまで気にならないのですが、やっぱり結構変わってます。スキルシステムはかなりやり応えがありました。フリーバトルがあるため、やり方によってはやりたい放題に強化でき、お好みのキャラクター育成して無双できます。ただ稼げば稼ぐほどぬるゲー化していくため、適当なところでスキップをかけることを心がけたい。個人的には、スキルに関してはもうちょっとキャラごとに個性が出るようにしてくれれば嬉しかったかな。兵種スキルはクラスごとに設定されててよかったんですが、汎用スキルは取得のためにかかる労力が異なるってだけだったので、差別化としては物足りない印象。能力上昇率はキャラごとに異なってもよかった。まあただのわがままです。ついでに、クラスチェンジにおけるパラメータ制限がなくなったことで、好き勝手に成長させられるようになったのもよかったです。PS2版だと上げたくもない数値を上げなければならなかったので、ネックでしかなかった。ブレイブクリアについては、全体的にみて易しくなったのかな、という印象。今作はメダル取得形式、いわゆる実績開放タイプのものに切り替わり、しかもあとでやり直し・取り直しが効くようになったので、少しずつこまめに取っていけばそこまで苦戦しないようになりました。PS2版だと、12話あたりで地獄を見た記憶があるのですが、今回はそんなこともなくスムーズにクリアできました(もちろん、スキルシステムによる恩恵も大きいと思います)。ただ、全部まとめてメダルを取得しようとすれば話は変わります。幾つかあるブレイブ条件を平行して満たそうとするとなかなかにマゾいです。何も考えず突っ込むと辛いものがあります。そこをあえて一度にまとめて取得するのが楽しいし、それがシミュレーションの醍醐味だと思いますが、あまりSRPGの経験がない人には少々厳しいかもしれない。ブレイブ条件に関して言えば、ターン制限と瀕死禁止は毎回あってもよかったかなあ、と思います。20ターンくらいなら毎回下回ってましたし、瀕死禁止にすれば緊張感が湧くので。ついでに言えば、敵ネームドの特定キャラでの撃墜はもっとあってもよかったと思うし、召還・特技使用制限、なんてのもあったら面白かったのにな、と思います。いや、そんなに条件厳しくしたいなら自分で勝手に縛ってろよって話なんですが、そういう縛りがあってご褒美も用意してくれてたらそれはそれで燃えたかなと。自発的に縛ったりするほどではないので。ブレイブクリアを重ねることで任意開放できるパーティ能力は、強いものと弱いもので差が激しいのですが、我慢できるなら序盤のうちにHPやMP上昇を取っておけば後半楽できるかと思います。ON/OFF機能は正直いらなかったような……。サモンアシストはもっと強力に、もっとMP消費を強めるようなシステムにしてくれてもいいかなと。アシストレベルみたいなものを用意して、アシストレベルを上げるとアシスト能力も高まるとか。比例して消費MPも増える、みたいな仕様にすると面白いんじゃないかと。4から追加されたダメージ予測が逆輸入されていたのは嬉しかった。あれはあると非常に便利なんですよね。おかげで戦闘が楽になりました。中断セーブができたことも嬉しい。今回から夜会話がギャラリーに保存されるようになったので、これを使って回収してました。占いでの高感度チェックとかも地味に嬉しい要素です。PS2版だと夜会話の選択回数だけで把握していたので、人目でわかるようになったのは便利。周回特典はあれくらいあってくれればOKかと。二周目は俺TUEEEできたほうが嬉しいので、5でも同じ仕様にしてほしいと思います。傀儡ユニットシステムもGOOD。これはなんとなくエウシュリーっぽいシステムの気がしました。

 と、ここまで褒めまくりですが、少し冷静になってマイナス点も指摘しておきます。システム面での欠点というか、この仕様でいいのかと思ったのは、ギャラリーの夜会話でシナリオの大体の全貌が見えてしまい、ゲーム展開の予想がついてしまうところです。私は既プレイだから構わないんですけど、初見の人があれを見たら大体のあたりがついてしまい、興ざめなのではないかと思います。別に見なければいいんですが、ネタバレの危険性があります、くらいの注意文は流れてもよかったのではないかと。それかせめて周回特典にしたらよかったのに、と思います。夜会話が保存されるようになったのはとてもいい判断だと思いますが、未プレイ者への配慮はあってもよかったかな、と。また、スキルシステムに関していえば、システム自体は面白かったですし、5にもぜひ実装してほしいなと思いますが、着脱式にしてもよかったかなと思いました。無双するのも楽しいのですが、そうすることで戦略性の幅も広がるのではないかと。ついでにスパロボみたいなサブオーダーも加えてくれればなおよいのですが、そこまでは望みますまい。

 私はPS2版をプレイ済みでして、3はナンバリング作品の中でも1、2を争うくらい好きだったため(2も大好きなんですが、これは当時の思い出補正が強い気がします)、シリーズ新作への試金石として、そして昔を懐かしむことを主な目的として購入したのですが、追加要素の影響が思ったよりも大きく、予想よりもゲーム性で楽しませてもらえたのは嬉しい誤算でした。ゲーム全体の難易度は、追加要素のおかげもあってかPS2版よりマイルドになっており、これは賛否両論かなあと。私は難易度ノーマルでやってましたが、それでも味方が倒れることはほとんどありませんでしたし、何度もやり直しはしたものの、これはほとんどがレベル制限を失念したせいだったので、戦略性という意味では多少の物足りなさはありました。ただ、その代わりにやりこみ要素が増えてゲームに没頭できたので、個人的には差し引きゼロだったかなと思います。来月発売の4はシリーズの中でもそこまで好きではない作品のため、購入は控えるつもりでしたが、これくらいのレベルならお布施で購入してもいいかなと思えるくらいには楽しめました。新作の発売がいまから待ち遠しいです。
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