ファイアーエムブレム 覚醒 感想

 インテリジェントシステムズから発売中の3DSソフト ファイアーエムブレム 覚醒の感想です。ファイアーエムブレムシリーズの新作であり、ゲームジャンルはシュミレーションRPG。実際に最後にプレイしたFEはDS版の新・暗黒竜と光の剣なんですが、あれはリメイク作品ってことでノーカンにすると、蒼炎の軌跡が最後にやったFEということになるので、体感としては7年ぶりくらいに新作をやったことになります。なんでこれまで手を出してこなかったかといえば、ただ単に対応するゲーム機種を持ってなかったからというだけなんですが、それはさておいて、今作、これまでのシリーズ集大成のような出来栄えとなっており、シリーズでも屈指のボリュームとなっています。後述しますが、完全にコンプするのには何週かする必要があります。システムもこれまでのいいとこどりで、いい感じにバランス調整されつつ、初心者も参入しやすい難易度になっており、実に多方面にアピールしやすいクオリティとなっています。縛りプレイも色々出来そうで、ゲームの自由度も高め。問題は、これまでと比較すると、かなりパッケージングがオタくさいってことなんですが、まあ聖戦の系譜をやってるエンブレマーからすれば、今さらでしょうか。古参であればあるほど純度の高いオタクであるというこの事実。まあオタクくささの方向性が違うという問題はありますが。昔のFEが中二ゲー度が高かったのに対し、このFEは萌えゲー度が高く、手の取りにくさが違うかもしれません。




 以下長文となりますので、続きを読むからどうぞ。




 舞台は紋章の謎から数戦年後の世界。シリーズ伝統の国家間の紛争を絡めつつ、舞台裏で暗躍する世界を滅さんとする暗黒竜を打倒するストーリーです。悲劇的な未来が定められた世界で、滅びの運命を回避するために、仲間と絆を育みながら足掻く、といったストーリーが全体の骨子になっている。主人公は王子だし、いかにも王道なつくりとなっています。ただ、物語自体は割とこじんまりしているイメージ。主人公には王子以上の設定が付けられていませんし、そこまで風呂敷も広がりませんし、登場キャラもそんなに多くない。主要国家も四つくらいしか出てきません。ゲームのボリュームとは反比例するように、世界観は小さく感じました。話が煩雑にならないように単純化したのか、どこの国を見ても大国家という感じがせず、いまいち物語がスケール不足であることは否めない。とはいえ、ストーリーの面白さが損なわれているわけでは決してないので、従来どおりのシリアスなファンタジー戦記が楽しめます。

 それと、今作は親子が同じ戦場を駆け抜けて共闘する二世代ものとなっています。事前情報としては、結婚できて、子供が後々戦闘に参戦するってことくらいしか仕入れてなかったので、いったいどうやって子世代にバトンタッチするのかと思ってたら、(※ネタバレ)まさか次元をこえて未来からやってくるという斜め上の展開にするとは思わなかった。しかも、その子供とマイユニが結婚できるという頭おかしい展開を許容しちゃうとも思わなかった。親友の娘と結婚できるとか正気の沙汰じゃないですね、本当に。好きな人にはたまらない設定が容易に展開できてしまうギャルゲー仕様。想像力が刺激されまくります。ネタバレ終わり。色々と妄想できる設定なので、聖戦の頃みたいにアンソロジーとか四コマ漫画集とかいっぱい出ればいいのになあと今から期待しています。あ、今だったら同人界隈がそれを担うのか。いずれにせよ、二次創作が楽しみです。そのうち本編も漫画化してほしいところ。ファイアーエムブレムのコミカライズといえば、絵師はいいのに展開に恵まず、打ち切られたりやむをえない事情で途中で頓挫したりしているので、最後まで続けさせてくれる雑誌で連載されるとなおよし。これまでの経緯を考えるとガンガン系列になりそうですが、暗黒竜も光を継ぐものも途中で終わってるので、あそこから出ると不安ですね。よく考えればスターオーシャンとかヴァルキリープロファイルとかドラゴンクエスト7なんかも中途半端に終わっちゃってるし、あそこから出たコミカライズ作品は完結しないイメージがあります。というかむしろしっかり終わった作品なんてありましたっけ。もしその辺から出すならきっちりと終わらせてほしい。

 話がずれたので戻します。続いてシステム面についてですが、おそらくシリーズ初となるキャラクターボイスがつけられました。いわゆるパートボイスなので、数はかなり少ないですが、応答や返答なんかがあるだけでも結構イメージが違います。時々間の抜けた応答が帰ってきて、気が抜けたりほほえましい気分になったり。戦闘は当然3Dアニメ。もう2Dアニメがつけるところはないんだろうなあと思うと少々残念ですが、それはそれとして、よくできていました。グラフィックはきちんと描き分けられているし、カットインも付け加えられているし、素直に進化したと感じました。難易度はノーマル、ハード、ルナティックの中から選べ、加えてカジュアル/クラシックモードを選択できます。前者は純粋な難易度設定、後者は戦闘でHPが0になったユニットの扱いについてどうするかというものです。クラシックは死んだユニットがそのまま帰ってこないモード、カジュアルは撤退した形になり次の章からはこれまでどおり使用可能なモード。個人的には前者の方がしっくりきますが、最近のシミュレーションRPGで死亡ユニットが蘇らない作品ってむしろマイナーなんで、後者の方が親しみやすいのかもしれない。自身の分身を作中に登場させるマイユニットシステムもあります。個人的には烈火の剣でおなじみ。男女どちらでも設定可。何故リンとマイユニットの支援会話がないのかと臍を噛んだ方はご安心、今回はマイユニが登場キャラと結婚できます。というか、このシステムのおかげで今作の攻略キャラ、じゃなかった、支援会話数が凄まじいことになっている。で、その要因である結婚システムと、それと関連する絆システムも一緒に説明します。これまでのシリーズでは隣接ユニットを救出したりかついだりできましたが、今回はそれを改良したダブルというシステムを採用しており、2ユニットが重なることで能力値の加算、戦闘支援、援護攻撃や援護防御などができるようになります。ついで、隣接ユニットがいる状態で戦闘に入ると、こちらもまた数割の可能性で援護してくれます。これをデュアルといいます。これらは戦略上かなり重要項目となってくると思いますが、ノーマルくらいの難易度ならこれを使えば戦闘が楽になるくらいの認識でOKかと。で、そのダブルやデュアルを多用することで、仲間同士の仲が深まっていき、特定のキャラ同士の場合は支援会話という特別な会話が見れる。これは封印の剣や烈火の剣にもありました。この会話が行えるキャラでかつ異性の場合、1人だけ特別な関係になることができます。それが結婚です。個体差はありますが、概ね1キャラに4~6人結婚相手が用意されており、その結婚相手によって生まれる子供キャラのステータス・スキル・髪型が変化し、そしてこれが一番大きいのですが、子供世代の支援会話が異なるという鬼畜仕様になっています。それに加えてEDで流れる各キャラのその後も変わるというのだから作りこみっぷりに頭が下がります。そして何より、マイユニが男か女か、性別が違うことで会話が変わり、結婚できる相手も変わるというのが素晴らしい。これらが今作の幅を大きくしている要因です。全部を見ようと思ったら修羅の道になること請け合い。



 長々と書いてきましたが、肝心の感想です。結論から申し上げまして、かなり面白かったです。何せやり応えがあります。フリーマップを延々と繰り返してるだけで時間が吸い取られてしまった。レベル上げをし、クラスチェンジを繰り返してスキルを集め、その片手間で支援会話を深め、武器レベルも上げと、とにかくやることに暇が無い。また、聖戦以来の親子2世代ものということで、カプ厨熱が再発しました。とりあえず子世代の支援会話は全部埋め、見れる範囲でのS会話は全部見ました。親世代は二周目の楽しみにしておく、というか最初のうちにSランクにしたキャラが多数いて、全回収できませんでした。せっかくなんでカップルリストも載せておきます。まず親世代。マイユニ×リズ、クロム×スミア、ヴェイク×ミリエル、ヴィオール×ソワレ、ロンクー×マリアベル、リヒト×セルジュ、ソール×ベルベット、ガイア×ティアモ、グレゴ×ノノ、フレデリク×サーリャ、リベラ×オリヴィエ。前半はマイユニ・クロム・ロンクーあたりが強すぎでしたね。後半は疾風迅雷つけた騎兵を特攻させて殲滅させたり、流星と滅殺つけた踊って殺せるダンサー無双したりして遊んでました。早めにカップル成立させすぎたせいで、あんまり深く考えずくっつけた余り物カップルがいることが一番の心残り。特にヘンリーは絡めたかったなあ。二周目は少し時間をおいてからルナティックでやるつもりなので、戦略性含めもうちょっと考えて結婚させたい。で、子世代。ルキナ×ウード、アズール×セレナ、ロラン×マーク、シャンプレー×シンシア、ブレディ×デジェル、ジェローム×ンン。戦略性と好みを半々に掛け合わせた結果こうなりました。親友の子供同士をくっつけてるあたり好み丸出し。女があまって男が足りない状況ってのは歴代シリーズから鑑みても珍しいですね。子世代ではシンシアが一番アホ可愛かったです。ノワールもいいキャラで、ウード、アズール、ロランとの支援会話あたりはかなり面白かったんですが、いかんせん戦力外だったためこういうことに。魔道士の娘が弓使いって時点でこうなることは予想できました。二周目はもうちょっと考えて子作りします。本当のことをいうと子世代カップルももう少し自分好みのものにしたかったんですが……ってキリがないのでこの辺で。

 子世代は予想通りというかなんというか、ンンが一番最強なキャラに仕上がりました。戦闘力300越えは二人しか生まれず。この数値は何を根拠に計算しているのかいまひとつわからないのですが……。全カンストできたのはマイユニ娘とシンシアの2人だけ。まあ、他キャラも1つのパラメータを除いて全カンストさせたのばっかりですが。さすがに自分のクラスと関係ない能力(力とか魔力とか)をカンストさせるのはきつかった。

 今回、チェンジプルフもマスタープルフも無制限に入手できるので(ノーマルのみなのかも?)、低レベルでチェンジプルフを使ってしまったほうがよいかと思われます。複数スキルを入手する意味も含め、さっさとクラス替えしてレベルアップの機会を増やしたほうが戦略上有利かと。そのため、あまり成長吟味もする必要がありません。そこはちょっとだけ残念だったります。あと乱数の保存が廃止されてしまったのも残念。烈火の剣は秘密の店もなかったので、行動手順や移動手順を記憶してレベリングできたんですが、今回はたとえ記憶しても完全運任せなので、気に入らない成長が続いた場合はリセットするしかない。1回目の戦闘でのレベルアップくらいですね、検討できるのは。

 今作は従来のシリーズに様々な要素を付け加えていった形になってますが、なくなったものもちらほらあります。特にアイテム関連。思いつく限りあげてみますと、大剣シリーズ、魔法剣シリーズ(サンダーソードはありますが)、毒武器シリーズ、バスターシリーズ、遠距離魔法全般と光魔法(今回はマップが小さいので遠距離魔法は不要かもしれませんが)、あとスリープサイレスワープといった便利系の杖も削られています。ワープはやはりバランス調整が難しいところなんだろうなと。そのかわりレスキューと踊り子で敵将に特攻できる仕様になってましたが。あと制圧戦、防衛戦、撤退戦がなくなりました。玉座制圧が無くなったのはなんだろう、手間を一つ減らしたってことなのか。フリーマップで延々と戦闘できるからか、闘技場もなくなりました。ここらは特に気にならなかったんですが、戦闘実績の廃止、敗北数の廃止は少し物足りなさを感じました。重度のやりこみプレイヤーは少し肩透かしだったのではないかと。それとも、ノーマル以上ではあるんでしょうか。

 また、重さ制度が廃止されたことで上位ランク武器が使いやすくなりました。特にこの恩恵を受けたのが魔道書と斧ですかね。これでボルガノン(笑)とか言われないで済む。そのかわり闇魔法の一部がなくなってて、クラスをソーサラーにする意義があんまりなくなってしまっているのが惜しい。まあこのバランス設定でルナがあったらそれこそバランスブレーカーだったと思いますので、除いて正解だと思います。

 アイテムといえば、既シリーズのプレイヤー向けのパロディがちょこちょこ混ぜられてるのもおいしかった。たとえば聖戦の系譜で使われた神将器が登場したりします。過去の英雄の名前が冠された武器がたくさん出てくるのにもニヤリ。これもシグルドは槍じゃなくて銀の剣だと思いましたが、追加効果が面白かったり、能力自体強かったりで、いいファンサービスになっていたと思います。


 思い入れや面白いところばっかり語るのもあれなんで、最後に不満点や改善点、その他の雑感でも。ストーリーは本筋が思いのほか盛り上がらなかったのが気になります。最初っから主人公がファルシオン持ってるのが原因でしょうか。伝説の武器を入手するためのイベントとかなかったし。この物語自体、そこまで悲劇的な展開と感じられなかったのも大きいかもしれません。(一応ネタバレなので伏せ)確かに悲劇の未来は回避できず、姉は死んでしまいましたが、あんまりストーリーで引きずっているように感じられず、ドラマ性が薄かった。外伝のボリュームが凄かったのは素直に拍手を挙げたいし、開発スタッフがプレイヤーを楽しませようと思って組み入れたのであろうことはよくわかりますが、やっぱり純粋な親子二世代ものとは感じ方が違うなあと思います。親子が同じ時代・同じ世代で共闘するっていうなかなか見られない展開もよかったのですが、やはり親は子に何かを継承し、子は親から受け取ったものを手にとって戦う、みたいな展開の方が王道なのかなと。また、子供は悲劇的な時代を経験しているが故に、運命を変えるべく努力をしているのですが、プレイヤーはその悲劇的な未来を知る由もないので、そこに多少の温度差がありました。心の底から一緒に頑張ろうという気持ちにあまりなれない。別に聖戦みたいに親世代がほぼ全滅する展開を望むってわけではありませんし、無理やり因縁つけてるようであれですが、なんとなく意識差が生まれてしまったかなあと。ネタバレ終わり。戦闘アニメはもう少しだけ個体差というか、差別化を図ってほしかったですね。クオリティに不満はないですが、演出面が弱い。あと少しスピード感が足りない。スキップや早送りがあるとはいえ、リアルすぎて多少もっさりしている。特に魔法系はもう少し派手目にしてもよかったのではないかなあと。ムービーは質感もよく描写できていましたし、綺麗だとは思いましたが、その綺麗さが少しだけ気持ち悪いと感じたりも。この辺はシリーズを重ねるごとに改善されていくとは思います。別にエフェクトや演出で売ってるわけじゃないし、これくらいでいいかもですが、表現力にはまだまだ改善の余地があるかと。専用職はもう少し優遇してくれてもよかった気がします。意地でマイユニと主人公とその子は神軍師とマスターロードにしましたが、正直他のクラスと比べてみても微妙です。そこまで利点があるとは感じませんでした。そしてチキには専用スキルがあってもよかったのではないかと思います。あれじゃ他のマムクートと何も変わないし、キャラ愛だけで使うしかない。システム、BGMに関しては特に言うことなし。セーブデータは三つ作れれば十分ですし、ロムだけあって読み込みやレスポンスは速いし、難易度には特に不満はありません。BGMはこれという曲がなかったのは少し残念です。戦闘BGMもそんなに盛り上がらず、印象的な曲はなし。で、これが最後になりますが、個人的な一番の不満点は、我が家の近辺では全然すれ違いが発生しなかったことですね。や、ここまでくるともう言いがかりみたいなただの愚痴なんですが、何回か市外をうろちょろしてみても1回もすれ違わなかった……。案外プレイヤーは少ないんでしょうか、売れてるはずなのに。これはもう八つ当たりみたいなもんですので、他のプレイヤーはあんまり気にしなくてよろしいかと。



 口コミからほぼ衝動買いのような形で購入しましたが、いい買い物をしました。ともあれ面白かった。結果はプレイ時間が約50時間、名声約3500という状態。十分元は取れたか。本体ごと買った甲斐がありました。次世代機をこんな形で購入することになるとは、しかもPS3でもVITAでもなく、よもや3DSとは全く思いもよりませんでしたが、後悔はしていません。配信されてるシナリオもやりたいんですが、どうも無線ランつきのルータ買わなきゃいけないらしいので、来月くらいまで我慢。問題はここから先、3DSでやりたいゲームがほとんどなく、目下のところソウルハッカーズくらいしかないってことなんですが、まあそのうちラインナップも豊富になってくるのではないかなと勝手に期待しています。そのうち覚醒の続編も出るかもしれませんし、楽しみにしておきます。

 これを機会にシリーズをやり直したり、蒼炎の軌跡の続きである暁の女神をやりたいという欲求が非常に高まってるんですが、あれをやるためだけにWii買うのもちょっと……としり込みしています。なにせWiiには他にほしいゲームがないので、クリアと同時に売り払うことになりそう。FEのVCをやるっていっても、一応ロム持っているしなあ。ともあれ、金策尽きたので、買うとしても冬頃になりそうです。
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