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魔法少女 感想

 フリーゲーム『魔法少女』の感想です。ジャンルはSRPG。公式HPはこちらです。久しぶりにフリゲを漁り、手当たり次第にやっていた折に運よく引っかかりました。ホラー系のジャンルはどれもいまいちでしたが、魔法少女は少しプレイしてすぐに惹きつけられました。プレイ時間が表示されないので実際どうかはわかりませんが、約2週間にわたり毎日1~2時間ずつプレイしていたはずなので、クリアするまでだいたい40時間くらいはかかっているのではないかと。シミュレーションパートで変なこだわりを持たずにプレイすればもっとさくさくクリアできるはずなので、普通にやったら30時間くらいで終わる量だと思いますが、それでも一般的なフリーゲームにしては破格のボリュームですね。

 ストーリー。突如地球に現れた怪物を目の当たりにした小・中・高校生(割合はほとんどが中学生)の子供たちが、猫の姿をした宇宙人から超能力と変身スーツを授けられて「戦士」となり、街の平和を守るために非日常の世界へ足を踏み入れていくストーリー。タイトルが魔法少女なのに作中での彼女達の呼称が「戦士」なのはこれ如何に、と思っていましたが、これに関しては終盤できっちりと伏線を回収してくれるのでご安心を。可愛らしいロリっぽい絵柄のキャラデザである反面、やたらと生々しい描写が多く、(ネタバレなので伏せます)変身する前段階として一度背骨に直接注射をする必要があったり(痛み止めなし)、民間人が怪物に虐殺される描写が頻繁にあったり、アニメの戦隊モノ等と比べると妙にシビアで現実感溢れる展開となっています。登場キャラは怪物から攻撃を受けるとかなり痛がるし(当たり前といえば当たり前ですが)、主人公の腕が怪物に噛み千切られるわ、腹パンされた仲間がトラウマで戦えなくなったりするわ、戦いが劣勢になると逃げ出す仲間がいるわ、能力の使いすぎで人体に影響が出る仲間が出てきたりするわ、能力を使って犯罪者を殺す仲間が出てきたりするわで、鬱々としたダークなストーリーが特徴的です。

 全体的なストーリーの流れは重苦しい展開ではありますが、登場キャラはそこそこ能天気な性格をした人物が多いので、なかなかギャップが激しかったりします。今時珍しいダークなストーリーも魅力的ですが、個性的なキャラクター達もまた魅力の一つ。「戦士」は総勢25名もいて、且つゲストキャラも多数登場するため、最終的には味方サイドのキャラだけでも30人を超えてしまいます。これだけ仲間がいれば一部影の薄いキャラもいますが、一人くらいはお気に召すキャラがいるのではないかと。年齢層のメインが中学生ということもあって、皆子供らしい側面を持っており、あまり行動に余裕のないキャラクターが多い。積極的に他人を気遣うことが出来ず、むしろ当り散らしてしまったり、自分本位な思考と行動を取って仲間を危険に晒してしまったりと、美少女ゲームテイストのある作品としては珍しい構成。かと思えば、実は自分の取った行動を気にしていたり、相手の気持ちを思いやる一面を持っていたりもします。悪く言えば、思考や行動とは裏腹に一貫した態度を取ることができない、空気に流されてしまうキャラが多いです。学生らしく脆くて人間らしい精神性が上手く描かれています。特に序盤はキャラクター同士の繋がりが薄いこともあり(仲間に対して暴力を振るったり、出会ったばかりの仲間の名前なんて覚えられないというような発言があったり)、仲間割れとか裏切りとか、そういう内紛イベントが起こるのでは、と危惧しそうになるくらい空気が悪い。戦況が悪化してきて、疲弊が濃厚になってくると更にその傾向が強くなります。自分達が暴力に晒されることになるので彼女達も必死です。確かに出会ったばかりの人間とすぐさま打ち解けあうのは不自然ですし、誰だって痛い思いはしたくないでしょうから、その気持ちは説明されるまでもなくわかるのですが、このように他人のことを見捨てでも自分は無傷で助かりたいという心情を隠さず描いてくる作品はやはり珍しい。ただ、これはあくまで中盤戦くらいまでの話であり、終盤が近づいてくると、困難を乗り越えたことで連帯感が生まれてきて、年相応にはしゃいだりする姿が見れるようになります。生々しい人間関係は見ていて気分のいいものではありませんが、そのおかげで彼女達の変化と成長を実感できたように思います。そんなわけで味方サイドの描写は十分だったのですが、逆に敵勢力に関してはネームドキャラが少なく、没個性の汎用ユニットばかりだったので、もう少し個性的なキャラを配置されていてもよかったかなと。この辺りはもう少しバランスを取ってほしかったな、と思います。あとは変身スーツ、これの設定がまたフェチズム全開で気に入りました。自己防衛の本能が強いと露出が減り、その逆は露出が増えるという、一見するとそれらしいが、実際は何を言っているのかよくわからない、作者の趣味丸出しの設定が好き。やたらとぴちぴちしたスーツは戦隊モノの基本ですが、中にはこれ明らかにスク水だろ……と言いたくなるようなものが混じっているあたり、なかなかの策士であります。

 個性的な登場キャラが多数存在する今作ですが、やはり一番お気に入りなのは主人公の千代子、次点は唯か遥でしょうか。千代子は特に潔癖で強固な意志を持ち、最初から仲間に対して献身的で、自ら傷つくことを厭わない自己犠牲精神に溢れているキャラクターですが、同時に脆弱で不安定な精神性を併せ持っています。途中で飽きることなく最後まで引っ張ってこられたのは、千代子のキャラ造詣がかなりツボだったのが大きいです。千代子はメンチ切ってる顔がなかなかに邪悪で、全然ヒーローっぽくない悪役じみた表情がとても好みです。普段は和やかでぼんやりしていますが、一度スイッチが入ると表情に殺意が滲み出します。必殺技が自爆技というのもかなり痛々しいのですが、(ネタバレなので伏せます)覚醒回ではその能力で愛する母親を巻き添えに殺したり(しかも、偶然にではなく自覚的に!)、唯一の親友が目の前で敵に殺されて死んだりと、女性版仮面ライダーと言わんばかりにハードで救われない宿命を背負っています。ポイントは、千代子は決して傷ついていないわけではない、というところで、彼女は戦いの度にきっちりと傷ついていて、それでも折れずに戦い続ける。その意思の強さは驚嘆に値します。私だったらどこかで心折れてますよ……。最後には、自分の意思の力で変身道具まで作り出してしまう始末。そりゃあ年上の先輩にも千代子さんって呼ばれますわ。



 シミュレーションパートについて。今作のシステムは、サモンナイト・ファイアーエムブレム・スパロボといった作品と同様に、非常にオーソドックスなSRPGとなっています。ちょっと変わっているのは、ユニット毎に固有の必殺技と属性が用意されていて、それぞれのユニットに弱点が用意されている、というところでしょうか。ゲーム自体の難易度もそこまで高くないですね。SRPGのセオリーは、敵を少しずつおびき寄せて袋叩きにするか、敵の中に強キャラを投げ込んで一気に殲滅するかのどちらかですが、今作は前者が定石となっています。敵軍がこちらの移動距離を考慮せずに進軍してくることに加え、だいたいが移動範囲限界まで動くので、一体ずつ釣りながらやれば、あまり戦略を練らずともクリアできます。ただ、問題は与/被ダメージの計算、敵の正確な攻撃範囲、命中回避の確率がわかりづらいことに加え、ほとんどのキャラが3発も殴らればほぼ死亡、よくてもまず瀕死状態になるため、あまり突出して進軍すぎるとすぐに味方がお亡くなりになってしまうところですね。容易には無双できない、そこそこシビアなダメージ設定となっています。敵軍もある程度は集中砲火してくる傾向にあるため、キャラを死なせずにプレイしたい人は多少難易度が上がります。といっても、今作にはキャラ死亡に対するデメリットは全くありませんので、「ユニットが死亡するとなんとなく負けた気がする」というよくわからない理由で無意味に縛ろうとしない限りは易しめの難易度で済みます。これでもし、敵軍が足並み揃えて進軍してくるAI仕様で、移動距離が短いユニットが前方・移動距離が長いユニットが後方(しかも遠距離攻撃持ち)みたいになっていたら、かなりの高易度になっていたでしょうが、よく考えればそれはどんなSRPGでも同じですね。まとめると、敵軍フェイズで可能な限り攻撃を食らわないように上手く敵を引き寄せて、自軍フェイズで可能な限り敵を排除することを意識し、加えて必殺技は敵から反撃を食らわないこと、間接攻撃を有効活用することを念頭にプレイすれば、それだけでぐっと攻略難易度は下がると思います。ちなみに、オススメユニットは、序盤~中盤戦は遥と琴音が圧倒的に使いやすくで、中盤~後半戦は千代子と要がここに加わる感じ。私は千代子を贔屓して強化しすぎたせいで、最終ステージも2ターンでクリアしてしまいました(おかげで1回目はほとんどイベントをかっ飛ばしてしまいました)。雑魚散らしの役としては、玲奈、もか、香、朱莉あたりが使いやすいですかね。火力が強い単体攻撃持ちをボスキラー、範囲攻撃持ちを雑魚に当てておけば間違いなし。

 あとゲーム性について特筆すべきところは、かなり豊富な戦闘アニメの数々。味方ユニットほぼ全てに固有技が用意されていることに加え、敵キャラにもきっちり戦闘グラフィックが用意されており、単純ながらも個性のある戦闘アニメはそれだけでも楽しませてくれます。終盤に追加される千代子の追加技は、実に王道ながらも思わず胸が熱くなりました。



 と、ここまでベタ褒めしてきましたが、唯一擁護できないのはシステム。操作性が悪いのは製作者の所為というわけではありませんし、そもそもエンジンのタイトルに「95」と付いている時点で色々とお察しであり、むしろよく7で動くもんだな……と感心した方がいいのかもしれませんが、それでもプレイ中にかなりの頻度でBGMが鳴らなくなるのはいただけません。セーブできる数が少ないのはいいとしても、これだけはマイナス要素と言わざるを得ない。山場のシーンで音が鳴らなくなると気分がだだ下がりでした。あとはレベル上限に達するのが速すぎて、重点的に使うキャラはすぐレベルMAXになってしまうところも、不満というほどではないですが物足りない点でした。どちらもエンジンに原因があるようなので、あんまりあれこれ文句つけるのも申し訳なくなりますが……。



 システムには古臭い点があり、不親切さを感じる部分もありましたが、ストーリー・キャラクター・演出と、物語における重要ポイントはきっちりと押えている作品であり、体感的には不満よりも面白さの方が上回っています。クリア後には「もう終わってしまうのか」と寂寥感に駆られました。もうちょっとまともなエンジンに乗せかえて、誤字脱字を減らして、同人ゲームとして販売してもらえないものかと思いますが、同人でまともなSPRGは怪伝・BMW銀・幻想少女大戦くらいしかやったことがないし、開発が大変そうだから難しいか。とりあえず、他にも同製作者によるSRPG作品があるようなので、時間を作ってプレイしてみる所存です。
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