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正義のミカタ I’m a loser

 本作は本多孝好の長編作品です。私は著者の作品は3~4作品くらいしか読んでいないので、あまり熱心な読者とはいえませんが、今のところはずれを引いたことはなく、安定感のある作者だという認識があり、今回もそれなりの信頼感を持って今作を手に取りました。

 あらすじ。舞台は大学。いじめられっこだった主人公は底辺から脱出するために大学デビューをもくろむ。努力は報われ、なんとか三流大学へと入学するも、そこにはなぜか高校時代のいじめっ子の姿が。またいじめられる日々を繰り返すことになるのか、そんなのいやだ、と反旗を翻す主人公。が、その決意も脆く儚くあっけなく叩き潰されてしまう。そこにやってきた男が主人公を助け、一緒に正義の味方研究部へ入らないかと誘う。主人公は悪を許さない人たちが集まるサークルで、正義とは何か考えていくことになる。

 上記からわかるように、いい感じに青臭い内容ですね。真正面から正義とか名乗ってしまうあたり、既にかなり子供っぽい。学生ならではですね、この点は。社会人になった立場から見れば鼻で笑ってしまうようなもの青さです。もちろん、それの何が悪いというわけではありません。当事者たる研究部員たちはいたって真面目なので、そこには茶化せるような雰囲気はない。彼らは彼らなりに、真剣に正義について考えています。

 この作品の見所はたくさんの価値観が登場するところですね。斬新だったり、感心するような考え方があったわけではないですが、学生らしく意見をぶつかり合い、衝突し、最後には折り合いをつけて、相手を否定せずに『相手の考えていることを考える』という結論に至る過程は、まさに青春小説という展開でした。私はもう自分の意見をぶつけようとはほとんど考えないので、少し懐かしい気分になりました。

 以上。タイトルの『正義のミカタ』はたくさんあってもおかしくなく、それこそ人の数だけあってもいいもので、どのミカタが正しいかなんてことは誰もわからない、ということを結末に織り交ぜて、全てを否定せずに終えたところにとても好感を持ちました。
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