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正義のミカタ I’m a loser

 本作は本多孝好の長編作品です。私は著者の作品は3~4作品くらいしか読んでいないので、あまり熱心な読者とはいえませんが、今のところはずれを引いたことはなく、安定感のある作者だという認識があり、今回もそれなりの信頼感を持って今作を手に取りました。

 あらすじ。舞台は大学。いじめられっこだった主人公は底辺から脱出するために大学デビューをもくろむ。努力は報われ、なんとか三流大学へと入学するも、そこにはなぜか高校時代のいじめっ子の姿が。またいじめられる日々を繰り返すことになるのか、そんなのいやだ、と反旗を翻す主人公。が、その決意も脆く儚くあっけなく叩き潰されてしまう。そこにやってきた男が主人公を助け、一緒に正義の味方研究部へ入らないかと誘う。主人公は悪を許さない人たちが集まるサークルで、正義とは何か考えていくことになる。

 上記からわかるように、いい感じに青臭い内容ですね。真正面から正義とか名乗ってしまうあたり、既にかなり子供っぽい。学生ならではですね、この点は。社会人になった立場から見れば鼻で笑ってしまうようなもの青さです。もちろん、それの何が悪いというわけではありません。当事者たる研究部員たちはいたって真面目なので、そこには茶化せるような雰囲気はない。彼らは彼らなりに、真剣に正義について考えています。

 この作品の見所はたくさんの価値観が登場するところですね。斬新だったり、感心するような考え方があったわけではないですが、学生らしく意見をぶつかり合い、衝突し、最後には折り合いをつけて、相手を否定せずに『相手の考えていることを考える』という結論に至る過程は、まさに青春小説という展開でした。私はもう自分の意見をぶつけようとはほとんど考えないので、少し懐かしい気分になりました。

 以上。タイトルの『正義のミカタ』はたくさんあってもおかしくなく、それこそ人の数だけあってもいいもので、どのミカタが正しいかなんてことは誰もわからない、ということを結末に織り交ぜて、全てを否定せずに終えたところにとても好感を持ちました。
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英雄伝説 零の軌跡

 英雄伝説 零の軌跡とは、falcomから発売されたPSP用のRPGゲームです。英雄伝説シリーズ7作目にあたり、シリーズ前作の『空の軌跡』とは世界観・登場キャラを共有しています。ストーリーは新しく作られており、メインで活躍するキャラクターは今回から登場するキャラばかりなので、今作からプレイしても問題ありませんが、空の軌跡との関連がまったくないわけでもないので、時間がある方は、先に空の軌跡をプレイしたほうが、より感情移入しながらゲームを楽しめると思います。


 以下の感想にはストーリー上のネタバレを含みますので、未プレイの方はご注意ください。


 今作のストーリーは警察組織の活動をメインに進んでいきます。空の軌跡の主な登場人物は遊撃士(何でも屋)と軍人と王族でしたが、今作の登場人物は警察組織の捜査官であり、一気に近代化が進みました。前作のような悪の組織を倒すというわかりやすいストーリー展開ではなく、犯罪や事件を解決していくという展開。舞台となるクロスベルが自治区という立場であるためか、政府(役所)が存在していたりマフィアが出てきたり、(薄いながらも)政治的な要素が入っています。ゲームとしてのフィクション性は強いんですが、RPGとしてのファンタジー要素が薄れ、どこかしら生々しい雰囲気が漂っているように感じました。
 前作との関連性はそこまで強くないんですが、先ほど書いたように空の軌跡の登場人物が一部登場します。これはネタバレになりますが、具体的にはエステル・ヨシュア・キリカ・レクター・レンです。名前だけならほかにも数名。ほかにもオリビエあたりは登場するかと踏んでましたが、思いのほか少なめであたりが外れました。てっきりやると思ってた帝国関係の話がぜんぜん進まなかったので、これは次回作に託したいと思います。零の軌跡は空の軌跡に残っていた伏線を回収するというよりも、新たな伏線を張って準備を整えたという感じなので、いやがおうにも軌跡シリーズ続編への期待が高まりました。零の軌跡の続編が出るかどうかは正直微妙です。若干の謎を残しながらもそれなりに話はまとまり、エステルとヨシュアの旅にも終わりが見えましたので、クロスベルの話はあれで終わってもアリだと思いますが、その割には開発期間が長すぎるような気がしますし、残った伏線も多すぎます。

 メインの登場キャラはロイド・エリィ・ティオ・ランディの4人。空の軌跡は少しずつキャラが追加されていきましたが、今作は最初からこの4人で行動します。そのかわり、一部例外的なシーンはありますが、メインパーティは最後までこのままです。主要なキャラにはボイスがありますが、フルボイスではなくパートボイスであり、戦闘シーンとごく一部のシーンでしか喋らないので、バリエーションが乏しい。
 各キャラの紹介と感想を書きます。ロイドは警察官として殉職した兄がいて、その姿を追って警察官になりました。正義感が強く、仲間が落ち込む度に平気で恥ずかしい台詞を言って慰めてしまう王道の主人公です。武器はトンファー。相手の意見にきちんと耳を傾け、安易に肯定したり否定したりせず、きちんと相手の存在を認識しながら行動しているところが好感触。素直な性格のおかげでその行動もいやみにならず、あまり説教臭くならないようにバランスが取れていたと思います。エリィは市長の娘で、政治以外のやり方でクロスベルを変えたいと願って警察官になります。武器は銃。本来ならヒロイン的な立ち位置のはずなんですが、ティオに埋もれてしまったせいで少し影が薄かったですね。ティオは魔導杖と呼ばれる武器のテストを行うため警察官になりますが、どちらかといえばそれはどちらかといえば名目です。これは物語の核心にも関わってくることですが、実はロイドの兄にある事件から救われたという過去を持っていて、ロイドの兄が立ち上げた部署に自分も関わりたいという想いを持っています。無表情系の女の子ですが、無感情というわけではないので、そのギャップがいいですね。仲間との好感度を上げることで解除される実績がありますが、私の相手はティオでした。ランディは以前いた部署を追い出されたところを拾われて警察官になりました。武器はハルバード。人物設定ではバクチ好きということになっていますが、別にだらしない人間ではなく、さりげなく仲間をフォローしてくれる、典型的な兄貴肌のいいヤツです。人間性ではロイドよりも好みです。

 ゲームプレイ中は一貫してこの4人のチームで進めてました。エステルとヨシュアも一時的に加入しますが、一回もパーティに混ぜなかった。サブキャラはいわずもがな(おかげでSクラフトを見損ねました)。エステルヨシュアに関しては、レベルダウンしている彼らを見るのがちょっと……、というのも少し(いや、かなり)ありましたが、どちらかといえば4人のうち1人でもパーティからはずすのが嫌だったからですね。それくらい、今回のパーティはいい面子だったと思えます。

 ゲーム攻略では圧倒的にティオが優秀キャラでした。空の軌跡でもそうですが、今回も基本的に物理タイプよりアーツタイプの方が優遇されています。ティオはアーツタイプかつ全体ガードのSクラフト持ちなので、強キャラなのは当然といえば当然。攻撃用のSクラフトも直線攻撃ということでかなり使い勝手がよく、ティオにベルトをつけて1、2を争う使用頻度で使ってました。逆にエリィは、オーブメント・クラフト(S・通常両方)ともにあまり使い勝手がよくなく、少し冷遇されていた感がありました。男キャラに関してはロイドはエステルタイプの無難な打撃キャラ、ランディはかなり使い勝手のいいクラフトを持ったアガットタイプ。二人の協力クラフトは異常なまでに攻撃力が高く、この二人はSクラフトは使用しないでもっぱら協力クラフトばっかり使ってしました。

 私のプレイ時間は31時間でした(うろ覚えですが、空の軌跡シリーズは無印が33時間、SCが52時間、3rdが40時間くらい)。つけっぱなしで放置していた時間も含まれてるので、だいたい30時間くらいだと思います。昨今のRPGと比較するとボリュームが控えめに感じますが、これは私がストーリー進行上必要のないことをせず、あまり寄り道をしないで進めていたからなので、このゲームの世界観を隅から隅まで味わいながらプレイをしたらもっと時間がかかると思います。空の軌跡シリーズもそうでしたが、少し物語が進む度に住民の会話テキストが更新されるので、それを追うだけでもかなり時間を食うのではないかと。ミニゲームの類も充実していて、釣り・料理・カジノと王道どころはきちんと揃っていますので、これらをコンプリートしようと思ったらさらに時間がかかります。どれも必ずしもプレイ上の必要事項としてではなく、物語にエッセンスを加えるために存在していて、あくまでおまけ要素という部分から踏み出してこないのがいいですね。ミニゲームは腰を据えることなく気楽にプレイできますし、住民たちとの会話はシナリオ上必要な場面以外、無理してやらなくてもいい。その他はモンスター図鑑・実績・難易度設定・二週目への引継ぎ要素なども用意されていて、やりこみ要素も十分あります。

 続けてシステム面に触れます。シリーズ続編であるため、空の軌跡シリーズのシステムをベースにして一部を改良した形になっています。戦闘はコマンドバトル方式で、フィールドは3人称視点でのシンボルエンカウント方式。戦闘関係のシステムで、空の軌跡から変更されて目に付いたところは、Sクラフト(クラフトは特技のことでSクラフトは必殺技)の割込発動の条件が△キー+十字キーとなり誤操作が減った点、コンビクラフトという協力技ができたことでCP(MPみたいなもの)の使用用途が広がった点、敵シンボルに攻撃をしかけることで奇襲をしかけられるようになった点、でしょうか。システムのレスポンスは特に不満ありません。メニューはほぼ待ち時間なしで開けますし、マップの読み込みには3~5秒かかるものの、マップ自体が広めなためそこまで頻繁に切り替えがないので、ストレスは感じませんでした。強いて言えば戦闘⇔移動の切替に若干時間のかかる時がありますが、そこまで気になるほどではなかったです。

 BGM。falcomといえばBGMと評されるくらい、falcomが製作したゲームのBGMは定評があるんですが、今回はいまいちその実力が発揮されていなかったかなという印象です。空の軌跡のキラーチューンだった『銀の意思』のような、強烈な印象を残す曲がなかったですね。主題歌のway of lifeは前向きな歌詞が魅力的で大変気に入りましたし、水準的な不満があるわけではありません。デモムービーにも使われているGet Over The Barrier!もとてもいい曲でした。ですが、既にイースVS空の軌跡やデモムービーで何度も聞いてしまっているため、インパクトにかけ、いまひとつ決定力が足りませんでした。

最後に不満点というか、物足りなかった点について。ストーリーには特に不満がないですし、キャラもなかなか気に入ったんですけど、少し敵キャラの魅力が足りなかったかなあ、と。具体的には、ロランス少尉的な立ち位置の、どれくらい実力を秘めているのか計り知れないタイプの敵キャラがほしかった。ラスボスもマフィアもどこかしら小物っぽかったし、空の軌跡の面子に比べるとキャラが弱かった。ひょっとすると、シナリオテーマに沿った結果、象徴的な敵を用意しなかったのかもしれませんが、ゲームを振り返るときにあいつは凄かったと思えるキャラがいなかったのが惜しいですね。

 以上です。事前の期待に応えたかどうかはとにかくとして、値段相応分以上に楽しめました。続編が出れば当然買いますし、サントラが発売されればこれもまた買うと思います。もしも零の軌跡をベースに続編を出すつもりなら、次はあまり間を空けずに出してくれれば嬉しい。もしもこのシリーズの世界観全てを舞台にして作品を発表するつもりなら、何年かけてもいいので、シリーズの集大成として納得のいく出来に仕上げてほしいところです。
プロフィール

SAIN455

Author:SAIN455
漫画、ラノベ、ゲームなどのネタバレ感想記事を書いています。ネタがあるときはコラムみたいなものも書きます。あとアマゾンアソシエイトに参加してます。以下定型文。「このブログはAmazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」

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