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ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!  Fandisc

 今作は2009年1月よりファミ通文庫から刊行されているシリーズものの番外編です。本編の内容は、現実世界にギャルゲー世界の設定が投影されたことで誕生した主人公ラブのヒロインたちと一緒に、たくさんの障害(現実的なものと精神的なもの両方)を乗り越えてみんなで幸せになろう、というもの。今作は本編の外伝であり、本編の保管的な部分がつよく、Fandiscの名の通りシリーズを一通り読んだ読者のための作品となっています。ですので、当シリーズの購入を検討する材料として、今作を試しに読んでみる、というのはあまりオススメできません。今作だけ読んでもわからないところが多いと思います。よくも悪くも読者を選ぶ作品だと思いますし、まずは1巻を手にとってみることを勧めます。

 以下は一部にネタバレ感想などを含みますので、本編未読の方はご注意ください。

 が、その前に少し前置を書きます。興味がない人は飛ばしてください。

 私は現在連載しているシリーズの感想を書いてません。それは単純に読み間違えていたら嫌だなというのがあるのと、作品自体が発展途中でまだ核心が見えていない可能性があるからです。『この作品はここが駄目だ』と偉そうな指摘をして嫌な印象を持ったまま作品に臨むのはもったいないと思いますし、逆に『この作品はこれこれを書こうとしているのだ』という思い込みを持ったまま作品を読むのももったいないことだと思います。ですので、これからも完結していない作品の感想を書くことはあまりないと思います。

 ただ、今回は読んでて少し思ったことがあり、それは今作品の全体の方向性としてそこまで間違っていないかな、と思えましたので、少しまとめておきたいと思います

 この作品は色々と極端です。作者はそのことに対してある程度自覚的なようですが、それを踏まえてもやりすぎなところがあります。特に極端なのが主人公です。好きなヒロイン(姉)がため息一つついたのをみて、何か悩みがあるかもしれないと考え、仲間内で相談してどうすればいいか悩む。これだけでも少しおおげさ感がありますが、まあそれでもこれくらいなら大切な人を思う気持ちに微笑ましさを覚えないこともない。問題なのは、この段階で満足できず、勢いあまってヒロインの行動を尾行したり監視したりするところです。主人公の行動理由には一定の理解はできますし、気持ちはわからないでもないのですが、これはやっぱりやりすぎです。好きだったらなにやってもいいのかと言いたくなります。もちろん作中でフォローは入れられてます(実際ヒロインの一人は主人公の行動に呆れています)が、こういうストーカー気質な行動は、どうしても受け付けない人がいるでしょう。主人公に感情移入するタイプの人は、それでもうNGだと思います。

 主人公の行動や思想は、人によって気持ち悪いと捉えられても仕方ないシーンが多数あります。ネタバレになりますが、主人公の目的は『全てのヒロインたちと幸せになる未来を掴むこと』です。俗名、ハーレムエンド。そのために主人公は努力を惜しまないのですが、その努力がどうにも気持ち悪く感じられるところがあり、素直に応援できない時がある。ひとつ具体的なシーンを提示しますが、本編の中で世界に投影された設定がリセットされ、ヒロインたちの記憶がなくなるという展開があります。ここで主人公は、記憶をなくしたヒロインたちに付きまとい、やめてほしいといわれたり拒絶されたりしながらも、『ヒロインを幸せにするために』という理由をつけてヒロインの悩みを解決しようとします。主人公は自分の行動を正当化して、当然最終的には問題も解決するんですが、これ、傍から見るとやってることはストーカー行為とあまり変わらないです。ただ単に、読者はこれが物語である以上、ハッピーエンドになるだろうという予測を立てることができるから受け入れられるだけで、これが現実の行動だとしたらドン引きすること間違いありません。

 相手が『もうやめてほしい』といっても、それが本当に相手のためになるかどうかはわからないし、またそれが心の底からの本音であるかはわからない。相手の気持ちを無視して付きまとうのはただの嫌がらせですが、もうやめてくれと言われて簡単に引き下がってしまうのは、同じくらい相手のことを考えていないと言える。そのバランスをとりながら、どれくらい自分にとって都合よく解釈するかによって、その人の良さが出てくるのだと思いますが、この主人公はかなりの部分を自分の思い込みで行動するため、気持ち悪いのだと思います。その行動力には認めたい部分もありますし、自分が傷つくこと・相手に嫌われることを受け入れたうえで行動を起こす姿勢には評価できる部分があると思いますが、現状はもうちょっとだけ相対的な判断ができるようになってほしいなあ、というところです。

 以上です。主人公の、『心配しすぎて悪いことはない』だろうという考え方に対して、どれくらい肯定的になれるか、またどれくらい否定的になるか、それがこの作品を楽しむための肝になるかと思います。全肯定しなくとも、何割かの主張は受け入れられないと、この作品を楽しんでいくことは難しそうです。
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